私の○○

私のキャンプ成功の秘訣
雨でもキャンプが楽しくなるタープを使いこなそう
コンテンツライター 三藤あゆみ

camping

よい季節になりました。カナダにいる間にぜひ夏のアウトドアを楽しみたいという方は多いと思います。トロントからだと、数時間のドライブで行ける州立公園やプライベートのキャンプ場がたくさんあるので、三連休に2泊ぐらいでも気軽にキャンプができます。オートキャンプ場を選べば、水洗トイレやシャワーなどの設備もあるので手軽です。

私も夫もアウトドア好きなので毎年キャンプに出かけ、カナダでのキャンプ歴も三十数年となりますが、お子さま連れでも、レクリエーションバンやRVで行くオートキャンプも、奥地へ行く本格カヌートリップの場合も、オンタリオでキャンプを快適に過ごすには、「タープを最大限に使いこなすこと」だと思っています。アウトドアにタープ…当たり前のようですが、私も最初はそうでしたが意外と中途半端にしか使っていないものです。

カナダでは「タープ(ターポリン)」というと、たいがいの人は大きくて四角い防水シートやブルーシートを想像します。アウトドア専用のヘキサゴン形や簡易テントのようなものもタープですが、ここでいうタープは辺にロープを通す穴のついている防水シートのことです。

タープ

オンタリオ州のキャンプ場は、高い木々に囲まれているところが多いので、写真のように木と木の間に一本ロープを張り、それをリッジにして防水シートを掛け固定して、四方角もロープで固定すれば、簡単に屋根付きのリビングダイニングエリアができます。

一辺が3メートルぐらいある大きなシートなら、広い面積がカバーできるのでキャンプサイトにある、木のピクニックベンチをタープの下に入れても6人ぐらいまでなら余裕で過ごせます。

日よけになるのはもちろん、雨が降っても屋根付き屋外パティオで過ごすように座ってコーヒーを飲みながらお喋りしたり本を読んだりできますし、雨に濡れた緑や木々や、時々姿を現すシマリスや鳥たちをぼーっと眺めるひと時もいいものです。タープの下で、ポータブルガスコンロでお湯を沸かしたり料理もできるので、トレーラーやレンタルRVがなくてもだいじょうぶです。

タープで過ごすときは足下に蚊取り線香をいくつか置くのも忘れずに!夕暮れと早朝は蚊がたくさん出て来るので長袖長ズボン、靴はスリッポンやビーチシューズがお勧めです。ビーチサンダルにショーツでは、たぶん、かゆくて眠れない夜を過ごすことに…。

ラガブル ルー

トイレ付きのRVやバンがない場合は、小さめのタープをもう一つ低めに張ってポータブルトイレを置いておけば、夜中や雨の中パブリックのトイレまで歩いて行かなくてもすみます。ポータブルトイレは、アウトドア好きカナディアンなら誰もが知っている、軽量で安い「Luggable Loo(ラガブル ルー)」を用意しましょう。

「ルー」はスラングでトイレのことですが…この商品なかなかのネーミングですよね。カナディアンタイヤなどですぐに手に入ります。中にゴミ袋を敷きさらにダブルバッグにして、吸収力のよい大人用おむつを底に敷いておけば、片づけやすく、万が一ひっくり返しても安心です(笑)。

晴れた夜には、タープを地面に敷いて寝転がり、空を眺めるのも最高です。月明かりが暗めの夜、アルゴンキンなどのキャンプ場でこれをすると満点の星空に吸い込まれそうです。ミルキー(天の川)や流れ星もよく見えます。軽くて小さめのタープはピクニックシートやビーチでのブランケット代わりにもなります。日本でもお花見によく使っていますよね。

タープの使い方、ロープの結び方をマスターするのも、カナダらしい体験のひとつです。この夏はぜひ!

タープの張り方

木にロープを掛けてスクエアタープを張る一番簡単な方法はこちら。オンタリオ政府のビデオ。短時間の使用でピクニックベンチの上を覆うだけならこれでも大丈夫そうです。

大きいタープをしっかり張るのも基本的には同じですが、木のもう少し高い位置にもっとしっかりとロープを固定させます。用意するものは

– 大きい防水シート

– 長いロープ(30 メートルのもの一本。20 メートル3~4本、これは角を固定するのに使いますが、長すぎたら切ったり木に巻き付けておけばよい)

– ケーブルタイ(プラスチックの結束バンド)

– ペグ4本(四方を留めるのによい木がない場合は地面に固定するので)

– ロープを高い木の枝にかけるときに下から投げるための重り(焚き火用のログの小さめのもの、軽いハンマー、ロープが結べる形の石など)

– 折り畳み椅子

– 必須ではありませんがあれば便利な突っ張り棒一本

簡単な張り方はこちらのサイトのイラストが分かりやすいと思います。https://www.camping-tips.com/Tarp.html

ただ、タープの端を何カ所もロープで固定せずとも四角のロープがしっかり固定されてシートがたわまないようになっていれば四カ所だけで大丈夫です。それぞれ届く範囲に木があれば、地面にペグで固定しなくても木に巻き付けるのでも。

キャンプサイトに設置されている木のピクニックテーブルをタープの下にいれる場合は、突っ張り棒を一本持っていき、テーブルのまんなかに立てるとしっかりするので火を使うときも安心です。

設置のしかたを日本語でネット検索する場合、「リッジライン、タープ張り方」 「Aフレーム、タープ」等で検索すると張り方の例や参考写真が出てきます。