わたしの○○

私の大好きなジャズスポット
阿部 智子

Jazz festival

2015年に私が行き先をトロントに決めた一番の理由は、世界トップレベルの音楽シーン、特にジャズシーンにおいて世界で活躍するミュージシャンの数、演奏スタイルの豊富さ、そして「ライブパフォーマンスを見に出掛ける」という文化が成熟しつつ発展も続けているところでした。

というのも、トロントに来て、まず印象的だったのは街中の主要なジャズバーへ行くと、大体が満員か超満員(!)で、その場にいる方々が音楽の経験や知識、常連か常連でないかに関わらず、その日の音楽やその場の雰囲気を楽しんでいらっしゃるところでした。

トロントにはコネクションも何も無いまま来てしまったので、英語の練習も兼ねて、ゆく先々で常連(のように見える方)さんや演奏終わりのミュージシャンに話しかけ、おすすめのお店や、ライブ、ジャムセッションなどの情報を仕入れては行ってみる、ということを繰り返しました。そうしている内に、次第に一部のお店の方やミュージシャンの方々に顔を覚えていただけけるようになり、演奏の機会もいただけるようになってゆきました。

トロントの大学の音楽学科へ入学後は、卒業までの4年間を通してさらに様々な演奏機会があり、ラジオ、テレビの番組への出演、ミュージックフェスティバルのボランティア、教育実習、トロントのジャズシーンを支える団体でのインターンシップ等を経験、それを通じ、さらにトロントのジャズバーやライブハウス、ミュージシャンや将来プロのミュージシャンになる才能あふれる若いプレイヤー達、そして多くのジャズをはじめとするライブパフォーマンスのファンの方々とのつながりができ、よりトロントのミュージックシーンに愛情と情熱を持つようになりました。

今回は、そんな中でも大好きなお店をいくつかご紹介させていただきます。

◎ The Rex Hotel Jazz & Blues Club (https://therex.ca/) 194 Queen St W

トロントでジャズバーといったらここ!というくらいミュージシャンの間でもジャズファンの間でも定番であり、歴史のあるお店です。海外、とくにニューヨークの名だたるミュージシャンも多く出演されています。

有名ミュージシャンによるライブだけでなく、毎週夜にジャムセッションがあったり、トロントの音楽大学のビックバンドが毎月定期的に演奏していたり、月替わりでの若手ミュージシャン枠があったりとトロントの音楽シーンを支えて、育てるトロントを拠点とするミュージシャンのホーム的な存在なお店ではないかなと思っております。

◎ The Pilot (https://www.thepilot.ca/)  22 Cumberland St

The Pilot

トロントでもトップクラスの超実力派ミュージシャンによる演奏を、土曜日のお昼に低価格のチャージですごく間近に見られるというジャズ好きの、特にご年配の方々が多く集うスタイリッシュなお店です。3階建てのお店で通常はお店の1階部分で毎週土曜日の午後3時からライブをやっており、パンデミック前は土曜日の午後だけ1階部分がすし詰め状態になる程の人気で、今でも土曜日は早めに行かないとステージを見られる席はすべて埋まってしまいます。

お料理やお酒もおいしいお店なので、素敵な土曜日を過ごしたい方には大変おすすめです。ライブを座ってじっくり見たい方は、土曜日の午後2時くらいから行き、お店の入り口でその旨を伝えると良い席に案内してもらえる確率が高いです。

◎Jazz Bistro (https://jazzbistro.ca/)  251 Victoria St

Jazz Bistro

トロントのジャズバーの中でも老舗の一つで、先に紹介したThe Rexと同じくカナダをはじめ北米のトップミュージシャンが多く出演してきたお店です。最近はオーナーさんが変わり、若手を多く採用したり、ジャムセッションを増やしたりと少し新しい風を入れる傾向にシフトチェンジをされているようです。ゴージャスな雰囲気でお料理もとてもおいしく、ハイクラスなサービスを受けられるので、特別な日に行くのもいいのではないでしょうか?

◎ The Emmet Ray (https://www.theemmetray.com/) 924 College St

The Emmet Ray

トロントの中でも1、2を争うくらい様々な年代の様々なアコースティックミュージックのライブが行われているウィスキーバーです。先述のお店に比べると、もっとカジュアルで気軽にライブパフォーマンスを楽しむことができるお店です。

トロントの音大生たちによるコンテンポラリーな音楽のライブの日もあれば、若手実力派ジャズミュージシャンのバンドによるどっしりとしたスタンダードジャズのライブの日もあり、いつ行っても楽しめます。スコッチの種類やお酒と合うようなメニューも豊富で店員さんも気さくなので、居心地は最高です!

◎ La Rev (https://www.facebook.com/LaRevolucionTO/) 2848 Dundas St W

トロントのジャンクションエリアでカジュアルにジャズの生演奏とお食事を楽しめるお店といったら、ここ以外右に出るお店はない!(私の個人的な感想です…)と言えるほど、幅広い年代とジャンルのミュージシャンが出演しているお店です。ピアノとドラムもあり、小編成ながら本格的なジャズと南米のお料理・お酒が楽しめます。

◎ Tranzac (https://www.tranzac.org/)  292 Brunswick Ave

スパダイナ駅とバサースト駅のちょうど中間から数十メートル南の住宅街へ歩いたところにたたずむビル全体がお店という、少し変わった場所です。大、中、小と3つイベントスペースがある中の通りに面した一番小さいお部屋が、定期的にジャズの演奏や実験的な音楽の演奏などを楽しみつつお酒も飲める空間になっているという、トロントの少しコアな文化が渦巻く秘密基地的なお店です。

パンデミック中、改修工事をしているようで、今後のスケジュールはお店にお問い合わせいただくことをおすすめします。

以上、トロント内で選りすぐりのおすすめジャズライブスポットをご紹介させていただきました。こちらでご紹介した以外にも、とくにカレッジストリートやクイーンストリートの西方面、またダンフォースの周辺にもアットホームでローカルのジャズファンに愛されているお店がまだまだありますので、コロナがもう少し落ち着いたら探索してみるのも良いのではないでしょうか?

また、それ以外にもとくに5月中旬から夏の終わりにかけてジャズフェスティバルや、ヴォーカル(とくにアカペラグループ)のフェスティバルやワークショップもダウンタウンを中心に盛んにおこなわれておりますので、詳しくはTD Jazz Festival (http://torontojazz.com/ )や若いミュージシャンを発掘するためのTU Jazz Festival(http://www.tujazz.com/ )、Sing!The Toronto International Vocal Festival (https://www.singtoronto.com/)をチェックされてみてください。