豊田通商カナダ モビリティパーツ事業部
プロジェクトマネージャー

<駐在して一番驚いたことは何ですか?>
アメリカとカナダの両国で業務に携わる中で、考え方や仕事への向き合い方に違いを感じる場面がありました。あくまで一般的な傾向ですが、例えば日本から役員が訪問される際、アメリカでは落ち着いて対応し、訪問後も特別に意識することなく業務が進められることが多くあります。
一方でカナダでは、訪問前の入念な準備に加え、訪問後も日本人駐在員に対して積極的にフィードバックを求める姿勢が見られます。このような経験を通じて、カナダを一つの独自の文化や特性を持つ国として捉える必要性を感じるようになりました。
<現在の仕事で苦労していること/工夫していることは?>
豊田通商カナダは豊田通商アメリカの子会社であるため、日本との連携に加え、アメリカとの連携も重要となります。それぞれ立場の異なる3つの組織を円滑につなぐ調整力が求められています。
そのため、定期的な打ち合わせや出張の機会を設けることで、カナダの従業員が日本およびアメリカ双方との関係性を意識できるよう工夫しています。一方で、打ち合わせの頻度が多すぎると非効率と受け取られることもあり、少なすぎると関係性が希薄になる懸念もあるため、そのバランスの取り方や目的設定には試行錯誤を重ねています。
<仕事の進め方で「日本と違う」と感じた点は?>
業務を進める中で、日本とカナダそれぞれの進め方の違いを感じる場面もありました。カナダでは、状況に応じて柔軟に軌道修正を図りながら進めていく傾向がある一方で、日本では事前にシミュレーションや分析を重ね、最適な進め方を見極めたうえでプロジェクトを推進する傾向があると感じています。
また、問題が発生した際は、カナダでは事前に責任区分を明確にすることを重視するのに対し、日本ではまず問題解決を優先し、その後に責任の所在を整理するという考え方が優先される傾向にあると感じます。
こうした違いを理解しながら、それぞれの強みを活かした円滑な連携につなげていくことの重要性を実感しています。
<最近うれしかったこと・達成感を感じた瞬間は?>
私は、ベンチャー企業や新規パートナー企業と連携し、自動車向け部品の開発に携わっています。自動車向けの製造実績のない企業とともに、新たな価値の創出に取り組む一端を担っています。
日本勤務時には国内のパートナー企業とともに部品開発を担当し、その部品は北米向け車両に採用されました。カナダ駐在となり、実際に現地でその車両が走る姿を目にしたとき、モノづくりに携わる喜びと大きな達成感を実感しました。
現在はカナダに拠点を移し、現地企業との共同開発に取り組んでいます。カナダ発の部品が世界中の車両に搭載され、多くの人々の目に触れることを目標に、日々挑戦を続けています。
<現地での楽しみ/休日の過ごし方/やってみたいことを教えてください>
平日・休日を問わず、子どもたちの習い事のサポートに日々奔走しています。息子は、夏は野球、冬はバスケに取り組み、娘は年間を通してバレエに励んでいます。いずれもRepチームに所属しているため、トライアウトを含めて活動は一年を通じて続き、まとまった旅行の時間を確保するのが難しいほど充実した日々を送っています。
その一方で、子どもたちの成長を間近で感じられることに喜びを覚えるとともに、チームの保護者同士の交流を通じて、親としても貴重な経験を得ることができています。
<これから駐在する人へのアドバイスはありますか?>
カナダで生活する中で、多様性を受け入れる文化が根付いていることを強く感じています。大人も子どもも新しいことへの挑戦を自然に受け入れる風土があり、英語に不慣れな人に対しても温かく接してくれます。また、ほとんどの建物に障がい者用の自動ドアが設置されているように、さまざまな立場の人々が安心して生活できる環境が整えられています。
こうした受容性の高い環境だからこそ、物事に対して前向きに挑戦していく姿勢が大切だと感じています。駐在という機会を前向きに捉え、現地での経験を積み重ねることは、駐在員本人にとってはもちろん、家族にとってもかけがえのない財産になるかと思います。
<あなたにとって「海外駐在の魅力」とは?>
異国で働くという経験は、どの立場においても人生の大きな転機です。それは単に視野が広がるというだけではなく、「自分の当たり前が当たり前ではなくなる経験」に直面し、戸惑いや悩み、時には苦しさを感じる場面もあるかもしれませんが、海外駐在とは、予め整えられた環境の中で何かを得る場ではなく、「自分で意味づけしていく時間」を積み重ねて、そうした日々の経験の積み重ねが、人生の変化を通じて確かな財産として残っていく、そのような貴重な機会であると思います。