第215回 5月不運日 高齢者を狙った個人情報不正入手やカード不正使用が増えている
商工会事務局 伊東 義員

やっと夏らしい気候になると期待していた5月だったが、その期待は外れ、寒い日々が続いた。ガーデニングセンターはオープンしたものの、苗木、鉢植えが揃っていない。数年おきにこうしたことはあるものの、やはりちょっと残念。そんな感じで始まった5月だが、さらに落ち込む事件が続いた。
最近、銀行などから老人を狙った詐欺が増えているので注意するようにとの警告メールなどが頻繁に送られてくる。自宅の固定電話には、器械で自動的に掛けてくると思われる無言電話がこれまでも毎日5回以上かかってきている。発信者名が表示され、見覚えがある場合しか受話器を取ることはなく、留守番電話録音機に対応させているが、メッセージを残すことはほとんどない。自宅の電話は、カナダに来て以来30年以上変えておらず、番号、氏名の情報は公開されているので仕方ないとあきらめている。
65歳を超え、高齢者の家ということで詐欺電話が増えているのかと思うと一層注意が必要な気がする。ただ家の電話番号は、医療機関や銀行にも登録しているもので判断が難しい場合もある。医療機関の場合には、ちゃんとメッセージを残してくれるのでそれで確認できるが、銀行の場合にはセールスコールも多い。もっともセールスコールの場合には、メッセージを残すことはないので無視できる。
今月は銀行から電話がかかってきてメッセージが残された。それとほぼ同時に別途登録している携帯番号やEmailアカウントにも怒涛のように警告が届いた。自分が使っているクレジットカードが不正使用されたらしいから早急に連絡をよこせというもの。不正使用と思われる取引が2件あったようで、自宅電話に1回、携帯電話に1回、テキストに2件、メールに2件と徹底して連絡手段を使ってくれたようだ。
一応念のため、該当のクレジットカードの裏面に記載されている正規のカスタマー窓口の電話番号に連絡し、状況を説明。早々、取り消してくれ、該当カードはロックされ、再発行の手続きを取ってくれた。実はそのクレジットカードは、大型店の会員カードも兼ねているもので、会員カードもロックされてしまい、再発行のクレジットカードが届くまでの間、その店での買い物もできなかった。ちょうどカナダポストのストライキに入るかどうかというタイミングだったのでいつ届くか心配だったが1週間ほどで無事届き大型店での買い物も再開できた。
さらに、月末には別の銀行のクレジットカードも不正使用された。この銀行からも自宅への電話とメールでの不正使用警告が届いた。所定の電話番号に連絡したがその時に行ってくれたのはカードのロックと再発行。どうも不正取引と思われるものはまだ審査中Pendingで取り消すためには、一旦クレジットカードにチャージされる必要があるのでチャージされたのを確認したら取り消しDisputeの部署に電話してくれとのこと。
携帯アプリのオンラインバンキングからもできるとなっていたが、既にカードがロックされているのでそれもできず。仕方なく数日間オンラインバンキングでチャージがされたかどうかを確認し、即時電話した。対応に出たのは、どうも新人のようで本人確認のため非常に多くのことを聞いてくる。仕方ないとはいえ、ちょっとゲンナリ。本人確認ができ、やっと自分のアカウントに担当者がアクセスできるようになるまでに20分。
取引履歴では、米国から同じ金額の不正使用が2回あり、最初の取引は拒否されているがなぜか2回目は認可されてしまっているとのこと。その取引は自分が行ったものではなく、家族も行っていないことを説明し、取引拒否のケースとして申請した。電話が終わると即時、メールでの確認が届き、なんとその2分後には取引拒否申請が認められたとのメールが入った。まあ同じ金額の不正取引が最初は却下されているので当然とは思うが処理決定が迅速であったことはありがたい。
自分のクレジットカード情報がどのような形で流失したのか不明だが、どこかに隙があったのだろう。今一度、確認しなくては。