新代表者紹介インタビュー Canon Medical Systems Canada 平田智樹氏

Canon Medical Systems Canada Limited
Deputy Manager 平田智樹氏

Canon medical logo with a man

今回はCanon Medical Systems Canada Limited平田智樹氏にお話しを伺いました。
日本製の医療画像診断装置を主力に、カナダ国内4拠点で事業を展開している同社は、世界190以上の国と地域でヘルスケアソリューションを提供し、トロントに拠点を構えるUniversity Health Network(UHN)グループとの共同研究やリファレンスサイト運営などを通じて、グローバルに医療分野の発展に貢献しています。2026年4月には大規模な組織統合を経て、キヤノンのメディカル事業部として新たなスタートを切りました。
平田氏は、大学時代にアメリカ・ユタ州への交換留学やアジア諸国を旅した経験から海外志向を持ち、日系医療機器メーカーで東南アジアやインドでの営業を経て、2022年にキヤノンメディカルシステムズへ入社し中南米の代理店業務を担当した後、2024年7月よりカナダに海外駐在員として着任しました。休日は4人のお子さんの習い事やサッカーを通じて、アクティブに過ごされています。

-御社の事業内容の紹介をお願いします。
キヤノンメディカルシステムズカナダ社は、 1986年に東芝カナダ社の医療機器部門として創業しました。その後、今から10年前の2016年に 前身の東芝メディカルシステムズ社がキヤノン社に買収され現在に至ります。創業以来、X線装置、 CT 、 MRI 、血管造影装置や超音波診断装置の販売を手掛けております。製造はほぼ全て日本で行っており、現在マーカムに本社を構えており、西からバンクーバー、カルガリー、モントリオールに支店を設け、現在約150名の従業員が働いております。

-御社の強みについてお聞かせください。
世界190以上の国や地域で、患者様の疾病の早期診断、早期治療のため、 画像診断装置を通してヘルスケアソリューションを提供しております。Newsweekによる、世界で最も影響力のある病院第3位に選出されているUHNと 共同研究開発を行っており、カナダから世界へ情報発信をし続けています。

このUHNグループですが、Toronto General Hospital、Toronto Western Hospital、Women’s College Hospitalとトロントにいくつか大きな病院がありますが、それらの病院を統括するグループで、世界でも例を見ないほど多くの当社製品が納入されており、 リファレンスサイトとして、国内外から多くの病院関係者様が装置のご見学、購入前の先生どうしの意見交換(D to D)を行う場としても活用されています。

-今後特に力を入れていきたいこと、目標や展望などについてお聞かせください。
2026年4月、キヤノンメディカルシステムズは大規模な組織統合を経て、キヤノンのメディカル事業部として新たなスタートを切りました。これまでキヤノンはプリンター、カメラ、産業機器という3つの主要事業を展開してきましたが、今回の統合によりメディカル部門が加わり、グループの柱の1つとなりました。この組織統合を機に、グローバルでキヤノングループの認知度向上に努め、メディカル部門がグループを支える大きな存在になるよう尽力したいと考えています。

-平田さんご自身についてですが、ご出身、今までのご経歴などお聞かせください。
東京都で生まれ、学生時代から社会人生活のほとんどを東京で過ごしてきました。大学3年生の時には、アメリカ・ユタ州へ1年間の交換留学を経験しました。実は、ユタ州を選んだ理由は留学の中で一番費用が安かったからなんです(笑)。

留学中に出会った友人と一緒に、アジア諸国を中心に約10か国を半年ほどバックパッカーとして旅しました。時には資金が尽きて日本に戻ることもありましたが、一泊数百円の安宿に泊まり、遺跡や観光名所を巡ったり、現地の方の家に泊めてもらったりと、若さゆえの冒険もたくさんしました。

この経験から海外と関わる仕事を志すようになりました。これまで4社での勤務経験があり、前職も日系の医療機器メーカーで海外営業を担当していました。主に東南アジアの代理店を担当し、現地の病院で自社製品の販売活動を行い、時には手術室に入り先生方と直接やり取りしながら製品の使い方をサポートしたこともあります。その後、インドなどでも同様の業務に携わりました。

縁があり、2022年にキヤノンメディカルシステムズに入社。入社後は中南米の代理店を約2年半担当し、ベネズエラ、ホンジュラス、ニカラグアなど、なかなかプライベートでは行く機会のない治安の厳しい国々も訪問しました。

2024年7月からは、キヤノンメディカルシステムズカナダに駐在することになり、これが初めての海外駐在となります。大学卒業後、最初に入社した小さな会社にいた頃から、「海外駐在」は目標の一つでしたので、今回それが実現できたことに大きな喜びと、日々自分の役割の重さを感じています。

-今までで一番印象に残っているプロジェクトについてお聞かせください。
私がカナダ駐在前に担当していたベネズエラでの大型商談が特に印象に残っています。ベネズエラは長年、米国の経済制裁対象国であり、日本からの医療機器の輸出にも厳しい制限がかかっていました。そのため、当社から約20年近く製品の輸出がありませんでしたが、現地代理店の熱意に動かされ、何度も現地を訪問しました。

結果として、現地代理店が病院と良好な関係を築き、優秀な営業マンが活躍してくれたこともあり、受注に至りました。このプロジェクトで特に印象深かったのは、当社がコンプライアンスを非常に重視するため、製品出荷の社内承認を得るのに多くの手間と時間がかかったことです。

米国のOFAC規制への対応として、米ドルや米国企業を商流から排除し、支払い条件やエンドユーザーにベネズエラの政府関係者が含まれない事など、細かい調査や対応が必要でした。第三者調査機関にも協力を依頼し、半年以上かけて社内承認を取得してようやく輸出が実現しました。実際にベネズエラを訪問し、現地の困難を目の当たりにして、現地の方々や協力してくれた社内外の方々と力を合わせてプロジェクトを進められたことは、今でも強く印象に残っています。

-お仕事を進める上で大切にしていることについて、お聞かせください。
カナダに来てまず驚いたのは、さまざまなバックグラウンドを持つ方がいることです。マーカムオフィスには約50名が在籍しており、一人ひとりが異なる価値観を持っています。その中で、目標達成に向けて全員が一丸となることの難しさを日々実感しています。私はCEOのような組織のまとめ役ではありませんが、現地CEOがマネジメントに悩みながら人を動かす姿を間近で見て、改めてリーダーシップの大切さを学んでいます。

私の主な役割は、日本との営業やサービス、ファイナンスに関する調整です。その中で心がけているのは、現地のメンバーの意見を尊重し、重要な決定はメールだけでなく、必ず直接顔を合わせて相談すること。そして、その結果についても必ずフィードバックを直接伝えることです。リモートワークが多い環境ですが、重要な場面では時間を作って対面で話すことを大切にしています。基本的なことですが、コミュニケーションの質を意識しています。

-プライベートについて少しお伺いします。お好きなスポーツや趣味は何ですか。
私は子供が4人おり、仕事以外は専ら子供の習い事に付き添ったり勉強を見たり、一緒に遊んでいる事が多いです。子供たちが一生懸命に運動したり何かに夢中になっている姿を見るのが好きです。

私自身はサッカーが好きなので、毎週日曜朝8時から1時間、ノースヨークサッカー&バスケ部(NYSC)の活動に参加させていただいております。主にカナダ永住・駐在の方々を中心に毎週開催しています。大変光栄なことに今年3月から部長をさせていただいておりますので、参加ご希望または活動にご興味がありましたら、お気軽にご連絡いただけたらと思います。不定期ですが参加自由の飲み会もあります。tomoki1.hirata@medical.canon

kids ice skate

-今後カナダ駐在中に挑戦したいことについてお聞かせください。
プライベートでは、家族にカナダならではの体験をしてもらいたいと考えています。昨年から子供たちはホッケーを楽しんでいます。最近では、Bruce’s Millで開催されたメープルシロップ祭りに家族で参加し、実際の収穫の実演を見学したり、カエデの木に手動ドリルで穴を開けてバケツに蜜を集める体験をしました。これから気持ちのいい季節になるので、家族みんなでカナダらしい野外アクティビティにどんどん挑戦し、思い出を作っていきたいと考えています。

-最後になりますが、商工会会員の皆様へメッセージをお願いします。
カナダに赴任して最初の一年は、周囲がカナダ人ばかりで日本語を話す機会がほとんどありませんでした。補習校やサッカー活動を通じて少しずつ交流の場が増えましたが、もし駐在して間もない方や、サッカーはしないけれど日本語を話す機会や交流の場を求めている方がいらっしゃれば、ぜひ気軽にご連絡いただければと思います。

-本日はお忙しい中ありがとうございます。これでインタビューを終わります。