新代表者紹介インタビュー Nitta Corporation of Canada Inc. 橋本直仁氏

Nitta Corporation of Canada Inc.
Vice President 橋本 直仁

今回はNitta Corporation of Canada Inc. 橋本直仁氏にお話しを伺いました。

搬送用ベルトにユニークな加工を施すことを得意とするNitta Corporation of Canada Inc.は、表面へシリコン塗布やゴムを貼り付け加工したベルトの販売を中心に事業を展開し、製造ラインの作業効率向上に貢献しています。特にカナダではおむつの製造ライン・段ボールの製造ライン・自動車向け製品の製造ラインなど、私たちの生活を支える重要な役割を担っています。

2025年1月に従来の「Connect Conveyor Belting Inc.」から「Nitta Corporation of Canada Inc.」へ社名変更を行い、今後はオンタリオ州に限らず、カルガリーやバンクーバーを含むカナダ全土への事業拡大を目指しています。2024年にカナダへ着任された橋本氏から社名変更時のエピソードなど、貴重なお話をお聞かせいただきました。

御社の事業内容のご紹介をお願いいたします。

当社は搬送用ベルトに特殊な加工を施すことを得意としている会社で、北米での加工・販売拠点として位置づけられております。カナダの拠点では、ベルトそのものを製造するのではなく、そのベルトに特殊なシリコンを塗布したり、穴を開けたり、ゴムを貼り付けたりといった加工を専門とし、カナダ国内や海外の関連会社への販売を行っております。カナダの拠点はトロントのみで、カルガリーには営業担当の従業員が1名おります。

御社の強みについてお聞かせください。

カナダ拠点では、特にシリコン加工を得意としています。ベルトの表面にシリコンを塗布することができる加工業者は多くはなく、当社の強みのひとつとなっています。

このようなシリコン加工を施す理由としては、たとえば搬送ラインで接着剤がベルトに付着する場合、シリコン加工をしておくと接着剤が剥がれやすく、作業効率が向上するためです。こうしたニーズがある現場では、当社のシリコン加工が非常に有効です。

また、ベルトの表面に厚いゴムを貼り付ける加工も行っており、一般的には接着剤で取り付ける方法が多く使われています。しかし、当社ではさらに強固な接着を実現するために、「加硫釜(かりゅうがま)」と呼ばれる、圧力と熱を加える設備を保有しています。

この加硫釜を使うことで、生ゴム(まだ化学反応していないゴム)をベルトに直接貼り付け、釜の中で圧力と熱を加えることで化学的に接着します。その結果、接着剤による方法に比べて格段に強い接着力と高い耐久性が実現でき、これも当社の大きな強みです。

今後、特に力を入れていきたいことについて、お聞かせください。

もともとConnect Conveyor Beltingは、北米(カナダ)市場における販売会社という位置づけで設立され、オンタリオ州を中心に製品の拡販を続けてきました。これまでは限定的なエリアでの展開でしたが、今後はカルガリー、バンクーバー、ブリティッシュコロンビア州など、カナダ全土への販売拡大を目指しています。

ただ、現状ではConnect Conveyor Beltingの社名はオンタリオ州内ではある程度知られているものの、他の地域ではまだ認知度が十分ではありません。そのような背景もあり、当社では買収から7~8年が経過したタイミングで社名を統一することにしました。これに伴い、2025年1月より、社名を「Connect Conveyor Belting」から「Nitta Corporation of Canada Inc.」へ変更いたしました。

社名を変更したことで、日本でお取引のあった企業様にも気づいていただけるようになり、これまで築いてきた信頼関係を北米でもより強化していけると考えております。

ご出身はどちらですか。また、今までのご経歴をお聞かせください。

奈良県の葛城山のふもとにある自然豊かな町で生まれ育ちました。大学を卒業するまで奈良で過ごし、2008年にニッタ株式会社へ入社しました。

入社後の1年間は奈良での研修を経て、東京に配属され、2014年頃まで首都圏での業務に従事しました。その後、大阪へ異動となり、2016年まで国内営業を担当しておりました。2016年には、シンガポールでの語学研修プログラムに参加し、3か月の語学研修と現地勤務を含め、半年間をシンガポールで過ごしました。

帰国後は海外事業部に配属され、2016年から2019年まで海外営業を担当。そして2019年末から2022年末まで、約3年間シンガポールに駐在しました。2023年に一度日本へ帰国した後、翌2024年にカナダへ赴任し、現在に至ります。

今までで一番印象に残っているプロジェクトについてお聞かせください。

やはり社名変更というのは、なかなか経験する機会がないことで、私自身にとっても初めてのことでした。周囲の同僚にも、実際に経験したことのある人はほとんどおらず、何から手をつけるべきか、誰がどこまで決めるのか、略称はどうするのか─そういった“ルール”のようなものも全くない中で、一つひとつ手探りで進めていきました。

大変ではありましたが、通常業務では得られないような貴重な経験を積むことができたと感じています。

仕事を進める上で大切にされていることについてお聞かせください。

私はワークライフバランスを非常に大切にしています。当社の本社は、厚生労働省から「ホワイト500(健康経営優良法人)」の認定を受けており、働きやすい職場づくりに積極的に取り組んでいます。

海外での業務では、国ごとに時差があるため、たとえば会議の時間設定ひとつとっても調整が必要になります。日本人は比較的柔軟に対応することが多いですが、現地スタッフにとっては勤務時間外の対応に抵抗を感じることもあり、そうした点には常に配慮が求められます。日本と現地の考え方のバランスを取りながら、双方が気持ちよく働ける環境づくりを意識しています。

また、カナダの職場環境は多民族・多宗教の社会であり、価値観も多様です。だからこそ、一人ひとりの思想や背景を尊重し、全員が主体性をもって働ける組織を目指していきたいと考えています。

-プライベートについても少しお聞きします。お好きなスポーツや趣味は何ですか。

シンガポール滞在中、タイへ旅行

あまりスポーツはしないのですが、学生時代にはバスケットボールとサッカーをやっていました。飲み会でたまたまバスケットをしている方と知り合い、そのご縁で週に一度、バスケットに参加しています。久しぶりなので体力的にはきついですが、やはりプレーするのは楽しいですね。それから、お酒が好きで、お酒を楽しむことも趣味のひとつです。

また、旅行も好きで、今月の末にはニューファンドランド島への旅行を予定しています。本来は昨年行く予定だったのですが、フライトがキャンセルになってしまい行けなかったため、今回はそのリベンジ旅行になります。今からとても楽しみにしています。

今後カナダ駐在中に挑戦したいことは何ですか。

滅多に行くことがないカナダの地域に行ってみたいですね。トロント、バンクーバー、モントリオールといった有名どころ以外にも素敵な場所は色々あると思うので、いろいろ行ってみたいです。

最後になりますが、商工会員の皆様へメッセージをお願いいたします。

ベルト関係で何かお困りのことがあれば、ぜひお声かけください。また、どこかでお会いする機会がございましたら、是非仲良くしてください。

本日はお忙しい中ありがとうございました。これでインタビューを終わります。