トロント補習授業校はカナダで唯一、文部科学省から教員2名(校長職、教頭職)の派遣を受けている在外教育施設。その派遣に当たり、カナダでの就労査証(ビサ)を取得する必要がある。
派遣教員の場合、その給与は文部科学省が負担するとなっており、通常の雇用形態とは異なる契約となることから、査証申請に非常に多くの書類を要する。雇用条件も日本の規定に沿ったものが要求され職務内容も定められていることから、そうした内容を全て申請した上で、査証取得となる。
カナダ移民局IRCCでは、査証発行後、その申請雇用条件が守られているかどうか、監査を行っている。特定企業に対するものと、ランダムに抽出されるケースがあり、今回、2023年4月に着任された教頭先生の査証監査が通知された。提出期限は1か月後の12月29日。担当官と直接話をし、派遣教員の雇用について概略を説明し、どんな書類が必要かを確認。メールでも求められる書類について、いくつか質問した上で準備を開始。
まずは、校長先生、教頭先生に必要書類を伝え、取り揃えていただく。当然、提出する書類は英語で書かれたものでなくてはならず、日本語で書かれたものは、認定翻訳士により翻訳されたものか、公証人が認証したものである必要がある。
求められる書類の中で派遣教員の待遇や職責については文部科学省が作成している派遣教員規定に定められている。派遣教員規定は680ページにも及ぶ日本語の書類であり、その全てを翻訳することはできないため、事前に該当部分のみ翻訳し提出することで了解を得た。また、文部科学省が派遣委嘱する制度のため、雇用契約はなく委嘱状の発行を持って、双方合意したものとみなすことも確認。
そうした一連の書類を早々、お世話になっている方に翻訳依頼した。年末も押し迫った時期ながら、提出期限が定められていることから、かなり急いで作業してもらうことに。翻訳後、公証人の認証まで行っていただき、最終翻訳書類を受け取ったのがクリスマス直前。クリスマス休暇後に、書類内容説明メールとともに、所定の書類転送方法で提出し完了した。 年が明け、2日に書類を受領し、IRCCが定める外国人雇用者の責務は満たされたとの返信を受領。後は、提出した書類に基いた審査が進められ、問題ないという結論が出るまで待つことに。こうした査証監査は今回で2回目。どのように対応するかは経験済だが、担当官によって求めるもの、監査のポイントが違うような気もするが、不正なことはしていないので、不備があれば正すだけのこと。とにかく担当官とコミュニケーションを密にとることが重要。