「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

<第246回>TMC Machinery Systems Canada, Inc. 
President & CEO 濵本 翔太

MC machinery

今回はMC Machinery Systems Canada, Inc. 濵本翔太氏へお話を伺って参りました。三菱商事の子会社としてシカゴを米州の本拠地とし、40年以上にわたり工作機械に関する事業をされているMC Machinery Systemsさんは、2004年にカナダ拠点となるMC Machinery Systems Canada社をリッチモンドヒルに設立しました。以降、カナダ三菱商事会社(Mitsubishi Canada Ltd.)のネットワークや事業ノウハウも活用しながら、お客様に寄り添ったサポートで業容を拡大しています。トロント日本商工会には2023年1月に入会されました。

事務所に併設されるショールームにはものづくりを支える重要な役割を担う多数の機械が展示されており、一つ一つ丁寧に説明いただきました。幼少期から野球を継続、休日は様々なスポーツをされる濵本氏。入社当時のエピソードなど沢山の話をお聞かせくださいました。(聞き手:酒井智子)

-御社の事業内容のご紹介をお願いいたします。
弊社はカナダで製造業をされているお客様に対して工作機械をはじめとした生産設備やその設備を安定稼働させるための部品・消耗品・アフターサービス・デジタルソリューションのご提案、設備ご購入時のファイナンスの提供などお客様のニーズに基づいてソリューションを提供しております。

1981年にカナダのお客様に工作機械を納入して以降、40年以上にわたってカナダで事業を行ってきました。事業開始当初は米国三菱商事やMC Machinery Systems(在シカゴ)を拠点として、カナダのお客様の事業ご支援を行っていましたが、業容拡大に伴い2004年に現地拠点となるMC Machinery Systems Canada社をリッチモンドヒルに設立、お蔭様でその後順調に業容を拡大して参りました。

従業員の大半がフィールドセールス(技術営業)とフィールドサービスエンジニア(機械を修理したりメンテナンスを行う)として活動しており、私も従業員と一緒にカナダ全土を駆け回り既存お客様のサポートや新規のお客様発掘に取り組んでおります。

showroom
ショールーム内観。放電加工機(EDM)やマシニングセンター、研削盤、レーザー加工機、プレスブレーキが展示されている。

-御社の強みについてお聞かせ下さい。
製品の高い品質と、きめ細かなアフターサービス・カスタマーサクセスの力です。品質については、設備が止まってしまうとお客様の生産が滞ってしまいますので、高品質であることは弊社が製品を取り扱う基準となる最も重要な要素の一つです。弊社自体は販売製品を生産するメーカー機能は有していませんが、お取り扱いさせて頂いている製品は三菱電機さんをはじめとして世界でも高い評価を得ているメーカーの製品に限定して取り揃えさせて頂いております。

アフターサービス・カスタマーサクセスは、設備やシステムを納入させて頂いた後、長いと数十年とご利用頂くことになりますので、その長期間お客様の生産を確りとサポートできるように設備の有効な使い方をアドバイスしたり、必要な部品や消耗品を短納期でお届けしたり、現場でのメンテナンスが必要となった場合は直ぐにフィールドサービスエンジニアが駆けつけるなど、お客様の成功の一助となれるよう、従業員の教育や研修、部品在庫の拡充など投資を続けています。

-今後の展望についてお聞かせください。
お客様からは、生産現場を担うスキルを持った熟練のエンジニアが減少傾向にあり困っているという声をよく聞くようになっております。これは当面止まらない流れだと我々は考えています。

一方ものづくりや製造業は世界を支える非常に重要な産業ですので、それをしっかりと受け継いでいっていただくべく、弊社としてもここ10年弱はお客様の生産現場を省人化・自動化するソリューション(ロボット等)の拡充を特に注力してきました。コロナによりこの潮流も不可逆的になってきていると考えていますので、今後より一層お客様の生産現場をサポートする省人化・自動化のソリューションの取り組みを進めていきたいと考えています。

-新たに始められた取り組みなどはございますか。
私が赴任してから、カナダの市場やお客様のニーズにフィットする製品として、自動車産業の製造現場でもよく利用される岡本工作機械製作所さんの研削盤のお取り扱いを開始いたしました。会員企業の皆様の中でも岡本工作機械製作所製の設備を利用されている方もいらっしゃるかと思いますのでメンテナンスや設備の入れ替えなどのご用命がありましたらお気軽にお声がけ頂ければと思います。

-濵本さんご自身についてですが、ご出身から今までのご経歴等お聞かせください。
出身は兵庫県の日本海側に位置する香住という海と山に囲まれた美しい田舎町です。地元の名産は松葉ガニです。ズワイガニと言ったり越前ガニと言ったりますが、香住では松葉ガニと言います。関西に住んだご経験がある方は神戸や大阪から冬の期間に臨時運航している「かにカニエクスプレス」で香住を訪問されたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

中学校3年生の途中まで香住で暮らし、その後高校進学を見据えてお隣の鳥取県に単身移住し、高校卒業までは鳥取市で下宿生活をしながら過ごしました。大学は兵庫県に戻りますが、今度は瀬戸内海側の神戸で4年間過ごし、大学卒業後に三菱商事に入社、東京での生活を開始しました。

-中学生から親元を離れて生活されていたのですね!
そうですね、実際は野球留学で単身移住しました。野球は親の影響もあり、物心ついた時から毎日野球をしており子供のころの写真はクローブとバットをもって写っているものばかり。野球に囲まれた環境で生まれ育ちましたね。逆に言うと、田舎ということもあり野球の選択肢しかないような感じでしたね(笑)。

フィールドオブドリーム
大好きな映画「フィールド・オブ・ドリームス」のロケ地にて。

-カナダ駐在前のご経験、他の海外駐在経験についてお聞かせ下さい。
入社当初は、空調機や冷熱機の国内販売を担当していましたが、2011年以降は現在の事業領域である工作機械の販売を中心としたソリューション事業に従事し始めました。本社からインドや米国、ブラジル地域を担当し時折現地へ出張し駐在員の先輩やローカル社員、お客様と会話をしながら、先方がどのようなニーズを持っていて自分に貢献できることは何だろうと日々考えながら自分なりに努力を重ねました。

2014年4月から1年間、この事業の米州全土を統括しているヘッドクォーター機能のある在シカゴMC Machinery Systems社に研修生として派遣されました。2015年に一旦東京に戻り2年間東京本社で勤務したのち、2017年から再度シカゴに駐在となりMC Machinery Systems社の経営企画業務と海外事業を担当、その頃からカナダ市場も担当しておりました。その後2022年6月にシカゴからトロントへ転任し、カナダ事業の成長を加速させるべく日々取り組んでいます。

-以前から担当されていたカナダへの駐在が決まった時はどのような思いでしたか?
率直に嬉しかったですね。シカゴから遠隔でサポートするよりも、実際に現場最前線に行きたいという思いをずっと持ってましたので、カナダ駐在が決まった時はすごく嬉しかったです。

-今まで一番印象に残っているプロジェクトについてお聞かせ下さい。
入社当初に担当した空調・冷熱機の販売事業が非常に印象に残っています。商社というと海外事業が多いイメージですが、私の最初の配属先は国内営業でした。当時の上司に同行し、パートナーである国内メーカーさんと力を合わせて、国内のお客様の設備導入担当の方のところへ足しげく訪問する毎日でした。上司は勿論のこと、メーカーさんやお客様に商売のイロハ、厳しさをご指導頂いたことが今日の土台になっており、大変感謝しております。

-お仕事を進める上で大切にされていることは何ですか。
色々なリーダーシップがあると思いますが、私は率先垂範を一番重要としております。幼少期から継続した野球を通して学んだところが大きいですが、リーダー自らが先頭に立ち誰にも負けない努力を積む、そういう姿を見せない限り従業員はついてこないと思っております。それがひいては、会社として成長し、事業を通じてカナダの製造業へ貢献していくと思っておりますので、率先垂範を意識して日々取り組んでいます。

野球コーチ
週末にはJAC(ジェイアスレチックスカナダ)野球アカデミーの少年野球クラスのコーチも

-プライベートについてお伺いいたします。お好きなスポーツや趣味は何ですか。
休日はスポーツをして過ごすことが多いですね。土曜日の午後はJAC(ジェイアスレチックスカナダ)が2023年夏に開設した少年野球クラスのコーチをはじめました。日曜日の朝は先日とりりあむでも取り上げられていたノースヨークサッカー・バスケ部の活動に参加しています。

そして日曜日の夕方は、季節の良い時期に限られますが、従業員とスローピッチ(ソフトボール)のリーグ戦に参加しています。これらは週例になっていますが、週末に家族と過ごす時間をもっと増やすべきだと反省もしています(笑)。

-週末はスポーツづくめですね。今後、カナダ駐在中に挑戦したいことはありますか?
先日久しぶりにハーフマラソンを走ったのですが、達成感と爽快感は最高だった一方、同時に体力の衰えを感じました…ハーフマラソンは十何年ぶりで、その時の感覚のまま正直甘くみて臨んでしまいました。今後継続的にランニングをして、来年はフルマラソンに挑戦したいと思っています。

-最後になりますが、商工会会員の皆様へメッセージをお願いいたします。
皆さんに商工会の活動を盛り上げていただき、すごく楽しませていただいてます。ありがとうございます。商工会の活動には今後も積極的に参加して参りますので、見かけましたら是非お声がけください。また、会員の皆様の中にも製造業に従事されている方が多くいらっしゃるかと思いますので、何かお困りのことがあればお気軽にご連絡頂ければとても嬉しいです。

-本日はお忙しい中ありがとうございました。これでインタビューを終わります。