専務理事のばたばた日記

第195回
9月2学期日 長年のお付き合いは大切
商工会事務局 伊東 義員

Itosan

商工会が運営するトロント補習授業校は、1973年に開校し、今年50周年を迎える。10月には50周年記念集会を行い、長い歴史を振り返り、祝うことになった。

50年の歴史の中で、現在、校舎を借用している2つの現地校には約40年お世話になっている。歴代の現地校校長先生や事務の方には大変お世話になっており、特別の便宜も図っていただいている。2010年くらいまでは、借用校校舎の中に3つの教室を常設でリースさせていただき、職員室、校長室、そして図書室として利用させていただいた。特に図書室には、2万冊の本を所蔵するために、補習校の費用で床の補強工事まで行った。

その後、借用校が特別支援学校に指定され、より多くの教室が必要になったことから、補習校で借用していた3教室は明け渡すことになった。図書室が別のビルに移ることになり、子どもたちの利用が減ることが懸念されたが、借用校校長先生の計らいで、地下のスペースを常時利用できるようにしていただき、土曜日には、図書スペースとして活用させていただいている。

借用校内に3教室をもっていた時には、現地校の先生方とも常に顔を合わせる環境だったことから、土曜日の授業で借用教室の備品紛失・破損や黒板利用などにまつわるトラブルが発生しても、すぐに対応できた。現在も大きな問題になることはないが、やはり日頃から話ができるとコミュニケーションがとりやすいのは事実。

また、毎年、現地校の先生を招待した交流会も開催していた。土曜日の授業後、近隣のホテルなどの会場で、補習校教員と借用校教員の交流を深める食事会を開催し、日ごろの感謝を伝えるとともに、商工会会員企業から提供された粗品などを差し上げていた。しかし、土曜日の夜にわざわざ足を運ぶことから、だんだんと借用校からの参加者が減り、継続するかどうかを検討していた最中、トロント教育委員会で補習授業校のように施設借用している利害関係者からの供応接待を禁止するとの通達が出され、実施ができなくなった。しかし、その後も借用校校長先生による特別な計らいは頂いている。

現地校は9月が年度開始。8月の末から現地校の先生方は新年度の準備を始め、自分が担当する教室の配置や備品の整理などを開校日後も引き続き行う。そのため、補習授業校の2学期初日となるレイバーデー後の最初の土曜日9月9日は、トロント教育委員会の学校全校で校舎借用ができない日となっていた。しかし、トロント補習授業校の場合は、40年にもわたるお付き合いがあり、借用校2校の校長先生の理解が深いことから、特別に借用許可をいただくことができ、9月9日も対面での授業再開となった。大変ありがたい計らいであった。感謝。