ギリシアの家庭料理にこだわる老舗Athens Restaurant
フリーランスライター 三藤あゆみ

トロントは地中海料理のレストランも多く、肉や魚介類は本場の味付けに近いものが多いですよね。ギリシア料理のレストランだと、たいていスヴラキ(シシカバブ)ディナー、蛸、イカなどが中心で日本人の口に合いますが、何回か行くとつい同じものを注文してしまって感動があまりなくなりませんか?そこで今回は、グリークタウンにある本格的なギリシアの家庭料理やアテネの居酒屋で出てくるようなおつまみが楽しめる名店をご紹介します。
地下鉄Pape駅から歩いて5分ぐらい、Danforth Ave.沿いにあるAthens Restaurant(アセンズ・レストラン) は、1977年創業以来、長年この界隈でローカルやギリシア系カナディアンに愛され続けてきた店。数人でシェアできるサイドディッシュの数々や、何時間もかけて調理したポークやラム肉の煮込み料理、魚介類のオーブン料理など多彩なチョイスがあります。

人気メニューはお馴染みタコやイカのグリルやマリネをはじめ、小魚のフライ、ズッキーニのフライ、フェタチーズをトッピングして焼いたムール貝、家庭料理ではじっくりローストした田舎風ラム、ポークやビーフシチューなど。ギリシア風のミニハンバーグ(スズカキア)、オーブン料理では、鱈、パプリカやピーマンにライスを詰めて焼いたもの、ギリシア風ラザニアのムサカなどは特に「おふくろの味」なんだそうです。

わたしの好きなメニューは、avgolemonoソースをかけたポーク煮込、蛸のマリネ、ミニハンバーグ、スパナコピタ、ホルタなど。avgolemonoソースは、卵をチキンブロスなどのスープに溶いてレモン汁を加えクリーミーに仕上げた家庭料理で、肉料理やロールキャベツによく合います。スパナコピタは、ほうれん草とフェタチーズが少し入ったスピナッチパイのこと。この店のパイ生地はフィロと呼ばれる薄くてパリッとした本場の味。春巻きの皮のような食感です。ホルタは、緑の葉野菜のおひたしのようなもので、エンダイブまたはタンポポの葉と茎を茹で、オリーブオイルとレモンと塩で味をつけてあります。
ワインリストも充実しており、やはりギリシャワインがよく揃っています。ちょっと変わったものでは松脂で風味をつけた白ワイン、レッツイーナ(Retsina)があります。仁丹、柑橘、ローズマリーとアプリコットなどを感じるさっぱりした味で、煮込みや揚げ物、バターを塗ったパンなどによく合います。
一品料理でも二人で分けるとちょうどよいぐらいのボリューム満点な家庭料理は、友人や家族とシェアしながら食べるのにぴったりです。三世代にわたってファミリーで通ってくる常連客が何人もいるとオーナーが自慢する老舗、ぜひ一度訪ねてみてください。
Athens Restaurant
707 Danforth Ave., Toronto
https://www.athensdanforth.ca/