美食大国ニッポンでもなかなか手に(口に)入らないもの。それは生肉メニューではないでしょうか。
日本では2011年に発生した広域集団食中毒事件を受けて食用食肉の規格基準が改正され、飲食店のメニューから生肉が一斉に姿を消しました。ユッケや牛肉のカルパッチョが食べられなくなり、寂しい思いをされた生肉フリークも多いはず。
しかし、ここトロントでは違います。小じゃれたレストランのメニューには必ずと言っていいほどWAGYU BEEFのカルパッチョやタルタルが。WAGYUがSUSHI並みに英語化し市民権を得ているのを知って、何だか誇らしい気分になりました。
というわけで、当地でおいしかった生肉メニューベスト3をご紹介します。
- Don Alfonso 1890のIL CARPACCIO
ONTARIO WAGYU BEEFの名称に一瞬「ん?」と思うものの、バルサミコビネガーがほんのり効いた、とろけるような舌ざわり。初めて食した14歳の息子は、こんなうまいものがこの世にあったのか!とすっかりやみつきになりました。
ミシュラン1つ星のイタリアンですが、星つきの中では比較的リーズナブルです。
A LA CARTE(単品ではなくそういう名のコース。$140)を頼むと、「デザートは別」と書いてありながら、お品書きにはないプチフールがついてくるので注文し過ぎないよう要注意。これにも素敵な演出がなされています。
記念日などのスペシャルオケージョンに。トイレから見る(!)夜景も一見の価値あり。
https://www.donalfonsotoronto.com/
- Black+BlueのBeef Carpaccio
周囲を軽くローストしてタタキ風に仕上げられた大きめのスライス肉に、シメジの組み合わせが日本人好み。ホースラディッシュのクリームソースとパルミジャーノチーズのスライスを散らして、さすがステーキハウスのボリュームとクオリティーです。
通常ならワインセラーの定位置であろう店内奥のガラスケースは、よく見ると熟成肉の貯蔵庫。色々な形状のお肉がズラリと並ぶ様は壮観です。
もちろん、生肉だけでなく加熱肉(ステーキ)も絶品。ついでに言うならシーフードも。金融街にあるのでビジネスディナーにも好適です。
https://blackandbluesteakhouse.ca/toronto-home/
- Byblosのbeef tartar
ちょっと毛色の変わった食事を楽しみたいときに。こちらは中東料理のレストランです。それほどクセは強くありませんが、メニューの説明書きに必ず1語は読めない単語が入っています(pickled kohlrabi とかbaharat spiceとか)。自動翻訳にかけても意味不明なため、そのわからなさを楽しむのもまた一興。
無類のトリュフ好きでもある私、こちらのトリュフ尽くしコース“A truffle Journey” ($99)を目当てに訪れました。当然、beef tartarにもトリュフが散りばめられています。
こちらの写真は、奥がトリュフと洋梨のサラダ、中央がトリュフ尽くしコースのビーフタルタル、手前がスタンダードのビーフタルタル。トリュフ尽くしコースでも遠くでかすかに中東風スパイスが香ります。お店はダウンタウンにもありますが、トリュフ尽くしコースの提供はエグリントン店だけのようです。