特別寄稿

新年のご挨拶 [令和4年元旦]
駐カナダ特命全権大使 川村 泰久

川村大使

明けましておめでとうございます。

昨年は、引き続き世界が、新型コロナウイルスに立ち向かう1年となりました。ワクチンの接種拡大が進む一方で、新たな変種ウイルスの出現など、未だ先が見通せない中ではありますが、トロント在住の皆様方におかれましては、2022年をどのような一年にしようかといろいろとお考えのことと思います。

日本では昨年、カナダを始めとする多くの国々の参加と協力を得て、東京オリンピック・パラリンピックが成功裏に開催されました。両大会が、新型コロナウイルスに立ち向かう団結の象徴として、世界中の多くの人々に勇気を与えるものとなったことを喜びたいと思います。

日本とカナダはワクチン接種を積極的に進め、国内の接種率はG7においてトップとなり、また途上国のワクチン普及への支援も精力的に行っていることは特筆すべきことと思います。日本とカナダは引き続き、協力しながら、世界の感染症対策に貢献していきたいと思います。

昨年秋、日本では岸田新内閣が発足し、カナダでは総選挙後、トルドー内閣が再始動し、今後の両国関係の更なる強化が期待されています。

コロナ禍にあって昨年行われた日加外相会談では、両国が共に掲げるビジョンである「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた6つの分野の協力の具体化を進めることで一致しました。2022年も、日本は戦略的パートナーシップの一層の強化に向けてカナダと共に努力していきたいと思います。

経済に関しては、CPTPPやWTOを始めとする自由貿易体制の強化とともに、2050年までのカーボンニュートラルとグリーン成長戦略の下で、エネルギーやイノベーションなどの分野での一層の発展のため、カナダとの協力を進めていく所存です。

 

本年は寅年です。「寅」の元となった字は、春が来て草木が生ずる状態を表しているとされています。その意味のとおり、今年こそ新型コロナとの闘いに打ち勝って仕事や平穏な日常生活が戻ってくるよう切に願いたいと思います。

オミクロン株の脅威に直面しているカナダでも、引き続き予断を許さない状況が続いており、トロントの皆様におかれましては、落ち着かない状況かと存じますが、本年も日本大使館及びトロント総領事館は皆様の安全と安心のため力を尽くしてまいる所存です。何かお困りのことがありましたら、いつでも大使館、トロント総領事館にご相談下さい。

新型コロナウイルス感染症の早期の終息と皆様の御多幸を願い、本年が皆様にとって明るい1年となることを心よりお祈り申し上げます。

令和四年元旦