トロント日本映画祭(TJFF)2025年6/12~6/26 上映作品発表!
Momo Films 代表 高畠 晶
日系文化会館主催の第14回トロント日本映画祭(TJFF)の期間中(6/12~6/26)、JCCCの小林ホールで24作品が上映されます。今年のゲストは『はたらく細胞』の武内英樹監督、『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』の大九明子監督、『光る川』の金子雅和監督を予定しています。ドキュメンタリー『ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに』からは、サーロー節子さんとプロデューサーの竹内道さん、また『Between Pictures: The Lens of Tamio Wakayama』では日系カナダ人監督のシンディ・モチヅキさんの参加が予定されています。そして7月特別上映の『陽が落ちる』では、柿崎ゆうじ監督と出演の竹島由夏さん、出合正幸さん、藤澤恵麻さんも登壇予定です!
これらの上映時には、ゲストによる舞台挨拶や上映後の質疑応答があります。監督やキャストのお話を直接伺える貴重な機会を、どうぞお見逃しなく!
【オープニング・クロージング】


6月12日のオープニング作品は、大人気漫画を実写化した『はたらく細胞』です。体内の細胞を擬人化し、その働きを「体内史上最大の戦い」を通してコミカルに描いています。武内英樹監督の登壇が予定されており、上映前にはオープニングレセプションも行われます。
6月26日のクロージング作品は『サンセット・サンライズ』。脚本は宮藤官九郎。パンデミック下の三陸の港町に“お試し移住” でやってきた釣り好きの晋作が、思いがけない人生の転機に直面します。主演は菅田将暉と井上真央。個性豊かな俳優陣が映画を盛り上げます。上映後にはクロージングレセプションおよび審査員賞など各賞の発表も予定されています。
【時代劇】




『八犬伝』山田風太郎の小説を映画化した作品。里見家の呪いを解くために集った8人の剣士たちの物語と、作者・滝沢馬琴の創作の背景を描く二重構造が特徴です。滝沢馬琴を役所広司、葛飾北斎を内野聖陽、伏姫を土屋太鳳が演じています。
『室町無頼』直木賞受賞作を原作にした戦国アクション。1461年、応仁の乱前夜の京都では、大飢饉と疫病で社会は荒廃。無能な権力者たちの下、初めて武士階級として一揆を起こした蓮田兵衛(大泉洋)と仲間たちの戦いが描かれます。
『碁盤切り』は、『虎狼の血』『凶悪』の白石和彌監督による初の時代劇。主演の草彅剛が演じる柳田格之進は、冤罪により妻を失い、娘と江戸の長屋で暮らす浪人。ある日、冤罪の真相を知らされ、復讐を決意します。
『陽が落ちる』蟄居を命じられた夫と共に過ごす日々を通して、夫婦の絆と武士の妻としての覚悟を描く物語。ロンドン国際映画祭とエディンバラ国際映画祭で外国語部門最優秀監督賞を受賞。今年7月にJCCC特別上映され、柿崎ゆうじ監督と出演者の登壇が予定されています。
【老いるという事 等身大俳優による名演】


『九十歳。何がめでたい』作家・佐藤愛子のエッセイを映画化。90歳の草笛光子が、等身大の佐藤愛子をエネルギッシュかつチャーミングに演じています。
『敵』吉田大八監督の最新作。筒井康隆の同名小説を原作に、長塚京三演じる老境の元大学教授の前に、ある日“敵”が現れ、現実と虚構の狭間で壊れていく様をモノクロで描いています。第37回東京国際映画祭で3冠受賞。
【様々な形の愛】



『35年目のラブレター』過酷な幼少時代のために読み書きができないまま大人になった保と、それを支え続けた妻・皎子の実話を元にした物語。保は夜間中学で文字を学び、妻への感謝を込めたラブレターを書く決意を描きます。イチから文字を学んだ保の感動的なエピソードは各メディアで取り上げられ、創作落語になるほどの広がりを見せました。
『レイブンズ』クレイジーで寂しがり屋な天才写真家・深瀬昌久とその妻・洋子の波乱に満ちた50年の愛を、実話とフィクションを織り交ぜて描いたダークファンタジー。深瀬役を「SHOGUN」でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した浅野忠信が演じています。
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』ろう者の両親を持つコーダの青年(吉沢亮)が、聞こえる世界と聞こえない世界を行き来しつつ、自身の居場所を見出していく。両親役をろう者俳優として活躍する今井彰人と忍足亜希子が演じており、第34回日本映画批評家大賞にて、作品賞、主演男優賞、助演女優賞、編集賞の4冠を受賞。



『花まんま』両親を早く亡くし妹と二人になった兄は、死んだ父との約束を胸に、妹を守り続けてきました。鈴木亮平と有村架純が兄妹を演じ、二人の不思議な体験を通して、人の哀しみや暖かさを描いています。
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』コント職人ジャルジャルの福徳秀介が小説家デビューを果たした珠玉の恋愛小説の実写化です。さえない毎日を送る大学生が、お団子頭の女性と出会い、ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せるようになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲います。大九明子監督の登壇も予定されています。
『アイミタガイ』親友を失った黒木華演じる主人公を中心に思いがけない出会いが連鎖していくヒューマンストーリーです。心の傷や苦しみを抱えた人々が、互いを支え合うようにやさしさを紡いでいく様子を描いています。
【監督で観る】


『光る川』国内外の映画祭で多くの賞を受賞した作品。CGを一切使わず、神秘的な自然の中で紡がれる伝承と解放の物語です。高度経済成長期に入ったばかりの1958年、日本の山間集落に暮らす少年ユウチャは、現実の出来事と古くから土地に伝わる物語との奇妙な符号を感じ取り、洪水を防ごうと行動を起こします。金子雅和監督の登壇が予定されています。
『クラウド』国際的に高い評価を受ける黒沢清監督の作品。2024年トロント国際映画祭で上映されました。菅田将暉が転売屋の主人公を演じ、憎悪の連鎖から生まれた集団狂気に狙われる男の恐怖を描いたサスペンススリラーです。古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝など、実力派俳優陣が脇を固めています。
【娯楽作品を楽しむ】




『カラオケ行こ!』変声期に悩む合唱部の男子中学生と、歌が上手くなりたいヤクザ(綾野剛)の交流をコミカルに描いた、人気コミックが原作の大ヒット実写映画。合唱部の聡実は、見知らぬヤクザの狂児にカラオケレッスンを頼まれ、X JAPANの「紅」を教えるうちに、二人の間に奇妙な友情が芽生えていきます。観たらきっとカラオケに行きたくなります!
『グランメゾン・パリ』木村拓哉主演の大ヒットドラマ『グランメゾン東京』の続編となる映画版。東京で三つ星を獲得した尾花夏樹と早見倫子が、フランス・パリに新店舗「グランメゾン・パリ」を開き、アジア人初のミシュラン三つ星獲得を目指して奮闘します。見た目にも美しい料理を監修するのは、実際にアジア人で初めてフランスの三つ星を獲得した[Restaurant KEI]の小林圭シェフ。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督作品。真面目な公務員(内野聖陽)と天才詐欺師(岡田将生)がタッグを組み、脱税王から10億円を奪い取るクライムドラマ。個性豊かな詐欺師集団「アングリースクワッド」が、壮大な税金徴収ミッションに挑みます。
『ラスト・マイル』は、ドラマ『アンナチュラル』『MIU404』の監督・塚原あゆ子と脚本家・野木亜紀子が再びタッグを組んだサスペンス。ブラックフライデー前夜、巨大ショッピングサイトから発送された箱が次々と爆発する事件が発生。満島ひかり、岡田将生に加え、『アンナチュラル』『MIU404』出演陣の石原さとみ、綾野剛、星野源も登場する、シェアード・ユニバース・ムービー。
【ドキュメンタリー映画】


『ヒロシマへの誓い サーロー節子とともに』13歳で被爆し、その後カナダで核兵器廃絶運動に生涯を捧げたサーロー節子と、広島出身で被爆二世の竹内道の出会いから生まれたドキュメンタリー。偶然にも二人は広島女学院の卒業生同士。原爆投下の朝に何が起き、どのように人生が変わっていったのかを、本作品のプロデューサーでありナレーターを務める道の視点から紐解いていきます。サーロー節子、竹内道、Susan Strickler監督登壇予定。
『Between Pictures: The Lens of Tamio Wakayama』日系カナダ人写真家・故若山民夫の壮大な旅を、実写とアニメーションで描くドキュメンタリー。民夫は1960年代アメリカ南部の公民権運動に関わりながら写真を学び、カナダに戻った後も、アートを通じて社会正義に焦点を当て続けた。シンディ・モチヅキ監督登壇予定。
『The Shapes in Between: Norman Takeuchi documentary』オタワ在住の日系カナダ人2世のアーティストで、ノーマン・タケウチ氏を描いた高畠晶による短編映画。戦時中の強制移住や戦後も人種差別に遭った経験から日系というアイデンティティを否定してきたタケウチ氏が絵を描くことにより、トラウマを乗り越えてきた人生を描いたドキュメンタリー映画。
【アニメ】


『忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』決闘に向かった後消息を絶った土井先生の捜索が始まる中、6年生の前に突如先生とそっくりだが冷徹なドクタケ忍者隊の軍師が現れる。乱太郎、きり丸、しんべヱたちは、土井先生を取り戻すことができるのか?
『がんばっていきまっしょい』『坊ちゃん文学賞』受賞作を原作にした青春アニメ。仲間とボートと出会い、全力で打ち込めるものを見つけた女子中学生たちの成長物語。
<映画祭情報>
トロント日本映画祭 (Toronto Japanese Film Festival)
開催期間:2025年6月12日〜26日
映画祭サイト:https://jccc.on.ca/ja/films/tjff
JCCC YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/c/JapaneseCanadianCulturalCentre
チケット発売開始日:2025年5月7日より
Ticketweb (www.ticketweb.ca) (https://jccc.on.ca/ja/films/tjff/tjff-ticketsからもアクセスできます)