今年6月に日系文化会館で開催されたトロント日本映画祭(Toronto Japanese Film Festival = TJFF)は、毎年多くの映画ファンを魅了するイベントとして定着しています。今年もまた、観客の期待を超える素晴らしい作品が多数上映されました。その中でも特に話題となったのは、「ライフ・イズ・クライミング!」と「大いなる不在」の2作品です。
観客賞を受賞した「ライフ・イズ・クライミング!」
全盲のクライマー、小林幸一郎さんが、視覚ガイドである鈴木直也さんと一緒にユタ州のフィッシャータワーズのてっぺんを目指す感動のドキュメンタリーが観客賞を受賞しました。映画祭には中原想吉監督、小林幸一郎氏、鈴木直也氏も登壇し、質疑応答やその後の観客との触れ合いも含めて、大いに盛り上がりました。
審査員賞に輝いた「大いなる不在」
一方、近浦啓監督の「大いなる不在」は審査員賞を受賞しました。本作は2023年のトロント国際映画祭でワールドプレミア上映され、その際に主演の藤竜也さん、原日出子さん、森山未來さんたちも登壇され、話題になった作品です。「大いなる不在」はサン・セバスチャン国際映画祭では藤竜也さんが最優秀俳優賞を受賞、サンフランシスコ国際映画祭ではグローバル・ビジョン・アワードを受賞するなど、世界中で高評価を得ている作品です。
また上記の作品以外に、青森を舞台に、津軽塗を目指す娘を描いた「バカ塗りの娘」の鶴岡慧子監督、マッチングアプリから起こる殺人事件を描いた「マッチング」の内田英治監督が今年のトロント日本映画祭で招待され、参加くださいました。「マッチング」はSnow Manの佐久間大介さんファンが沢山来てくれて、とても盛り上がりました。
トロント日本映画祭の意義
今年の映画祭を通じて、日本映画の多様性とその可能性を再認識することができました。TJFFは、日加文化交流の架け橋となり、日本映画の新たな魅力を発見する場を提供しています。この映画祭をきっかけに、より多くの人々が日本の映画文化に触れ、その深みを楽しむことを願っています。