2020年3月にパンデミックが宣言され、丸二年。当初は、SARSのように、比較的短期間に自然収束するのではないか、夏になれば収まるのではないか、と楽観的な見方をしていたが、死亡者が急増し、これはちょっと違うぞと恐怖を覚え始めたのが、半年後。
秋口からワクチン開発への期待が高まったものの、接種が開始されたのは、パンデミックからほぼ1年後。その後、ワクチン効果についても時間とともに減衰することがわかり、接種間隔を狭めて、2回目、3回目と進んでいる。
次々とコロナの変異種が発見され、デルタ株ではその重症度リスクの高さが懸念され、ワクチン効果でなんとか持ちこたえた後は、今度はオミクロン株。感染力の強さが脅威で、爆発的な感染者数を出した。幸い、重症化率はデルタ株ほどではないということだが、油断はできない。現在は、その亜種BA.2が感染を広げているようだ。
オンタリオ州では、昨年末から年初にかけ、感染者ピークを過ぎ、その後は急激に感染者レベルが下がった。3月までの再開プランも前倒しとなり、昨年9月に導入されたワクチン証明制度も3月から、ほとんどの場所で必要なくなった。このように規制緩和が進んだことで、人と対面することができるようになった。
補習校では、対面授業は2月中旬から再開していたが、トロント教育委員会より、12歳以上の生徒の施設入場については、ワクチン接種証明を求められており、数名対面授業に参加できない生徒がいた。3月よりワクチン接種証明が不要となったことから、トロント教育委員会に対し再三ワクチン接種証明要件の解除を求めてきたところ、やっと3月14日よりワクチン接種証明不要となり、3月19日の卒業式には、ワクチン接種証明を求めることなく、対面での授業、卒業式を行うことができた。
商工会では、恒例の新年懇親会を対面で行う準備をしてきたが、1月の感染状況悪化と規制強化で急遽中止とし、3月の会員総会で懇親会を行うことにした。当時の見込み通り、2月から感染が収束に向かい、会員総会をホテル会場での対面で行うことができた。
総勢約100名の方が一堂に集まるのは、まさに同じ会場で行った2年前の会員総会以来。テーブルごとの着席人数制限やマスク着用など最低限の感染防止対策はとったものの、ワクチン証明を確認することもなく、目的通りの会を開催できた。会の後、参加者からのアンケートでも、よかったとの声を多く頂いた。
コロナとなり、テレワークが平常化し、ビデオ会議などが普通に使える環境が定着したことはひとつの変革だと思うが、そうした中でも、人の交流は対面で、という要望があることを強く実感した。今後、商工会のイベントなども、ビデオ会議の利便性・遠隔性を活かしながらも、対面での開催をバランスよく計画していきたい。