第213回 3月ニュース日 振り回される
商工会事務局 伊東 義員

商工会は日系企業を会員とするビジネス支援団体であり、カナダでビジネスを行う上での支援を行うことを重要な活動目的の一つとしている。ビジネス環境では、米国でトランプ氏が二期目の大統領に選出され、その公約として打ち出していた関税がカナダのビジネス環境に大きな変化を起こしている。
カナダから米国に輸入されるものすべてに25%の関税をかけるという内容ながら、その発動は2月、3月と延期され、3月12日からは鉄鋼、アルミニウムへの関税が発動実施されたが、自動車関連については4月に延期された。自動車産業はオンタリオ州経済の柱の一つで、商工会会員企業も自動車産業に関連する企業が大変多く、商工会としても、支援をどのように行うか常に考えているが、まずはトランプ関税がどのような形になるのか見えないために行動がとれない。
こうした状況は会員企業でも同様だと思われる。カナダ政府からもトランプ関税に対抗する国策と同時にカナダ国内経済、企業への支援策を打ち出しているがそれもどのように行われるのかまったく見えない。トランプ関税が正式に発動された後も、いつまで続くのかもまったく読めない状況。個人的に新聞報道などからのニュースを日本語ブログで配信しているため、毎日新聞をチェックするが、連日トランプ関税のことばかり。あきれるやら、心配するやら、とにかく毎日振り回されている。
会員からも他の会員企業がどのようなことを検討しているか情報が欲しいという要望があり、さまざまな機会でお会いする方に聞いているが対応が定まっている企業はなくとにかく様子見。これが発行されるときにはどのような状況になっているか非常に不安である。(4月2日時点で執筆)
3月新形態日 初めてのハイブリッド年次会員総会
商工会の年次会員総会を開催した。昨年オンタリオ州NPO法人会社法改定による定款変更を行い、会員総会・理事会ともに電話・オンラインでの参加も有効とすることにした。
理事会においては昨年からオンラインとのハイブリッド理事会としており、遠方におられる理事も時間さえ都合がつけば出席してくださるようになり、理事出席率は大幅に向上した。時には出張でバンクーバー、米国、日本におられる理事も出席してくださり、大変感謝している。また、理事就任をお願いするときにも、これまではトロントから遠方にいる会員企業さんにお願いするのはためらわれたが、オンラインでの参加でも可としたことで引き受けてくださるようになった。
昨年8月の臨時会員総会でもオンラインとのハイブリッドで行ったが年次会員総会をハイブリッドで行うのは今回が初めて。インターネット接続が安定している会場が必要となるほか、オンライン参加される会員さんがどの程度いるのかもまったく予想がつかなかったものの、理事関係者20名、会場参加者20名 オンライン参加者10名と見込み、ホテルの会場をあたり、安定したインターネットサービスをオプションで提供できる適度な広さの会場を予約することができた。
年次会員総会に先立ち理事会を開催し、日本・州内遠方からオンライン出席の理事を含め、現理事、新理事全員が参加してくださった。会員総会の参加人数はほぼ想定通りで、通信トラブルもなく、無事に議事承認をいただくことができた。ただ、承認の時にオンライン参加の方の挙手のカウントが分かりにくかったので今後の改善課題としたい。また、参加できなかった普通会員企業さんからは総計80件以上の委任状提出をいただき総会成立要件を満たすことができた。改めて感謝申し上げたい。