専務理事のばたばた日記

第209回 11月補習校日 皆さんのご支援ご協力が必要
商工会事務局 伊東 義員

Itosan

コロナとなり、様々な理由で補習校を退校された園児児童生徒さんが多数おられた。コロナが明け、対面授業を再開した後は入校希望者が増えてきているものの、コロナ前の約600名規模には程遠いのが実情。

退校されたお子さんたちは、2年以上、補習校カリキュラムから離れていたことから、再度入校するケースは少なく、今後園児児童生徒を増やしていくには幼稚部小学部の入校者を増やしていく必要がある。そのためには教員の確保がもっとも必要となるが、近年は長年勤めていただける方の応募が少なく、ワーキングホリデーの方の応募が増えている。

ワーキングホリデーの方は、日本で教員として働かれた経験を持つ方も多く、また大学で教員資格を取得した新卒者も多数見受けられる。こうした方は、即戦力として臨時講師などでお願いすることができて大変ありがたい。しかし、ワーキングホリデーという在留資格のため1年に限定されることから、担任などをお願いするのが難しい。駐在員帯同家族で就労資格を取得されている方、永住された方など1年以上勤務できる方の応募を強く望んでいる。

令和七年度園児児童生徒の入校受付に先立ち、オンラインによる入園入学説明会を開催している。12月、1月、2月と入校申込期限まで毎月行う予定。初めてお子さんを補習校に通わせるご家庭の幼稚部年中組入園希望者には、体験授業・入園説明会を開催する。所在地、校舎、教室の確認をしていただく機会にもなっている。

また、入校を検討する保護者の方に魅力ある補習校を発信するため、補習校ホームページの改定も進めている。約15年振りのデザイン変更となるが、学校の様子が分かり、通わせたいと思う補習校をアピールしたい。現在、作成中で2025年4月のオープンを予定している。

11月医療情報日                医療制度セミナー

日本と大きく違うオンタリオ州の医療制度。日本の医療制度はオープンアクセスと言われ、患者が医者、病院を自由に選ぶことができる自由診療制度。カナダの公的医療制度では、ファミリードクター制度と言われ、かかりつけ医となるファミリードクターの診断から治療が始まる。

商工会では、2012年からオンタリオ州医療制度セミナーを開催している。日本人の先生と、現役でファミリードクターをされているカナディアンの先生をお招きして、アップデートを含め、オンタリオ州医療制度OHIPの説明と質問にお答えするもの。開始当初は、会場を準備し、70名くらいの参加者者が集まるセミナーだったが、コロナ以降は、オンラインでの開催としている。また、ビデオもYOUTUBEで公開しており、参加できなかった方も見ることができるようにしてある。

もともとは、商工会会員とその帯同家族にオンタリオ州の医療制度を知ってもらう目的だったが、永住されたご家族や国際結婚でこちらに来られた方なども知っておくべき内容であることから、商工会会員・家族に限定せず、どなたでも参加できるコミュニティーセミナーとして開催している。

今年は2年振りの開催となったが、オンライン参加は約40名、ビデオ視聴は150回となっており、関心の高さがうかがえる。オンタリオ州OHIP制度はコロナ以降頻繁に変更が行われており、若年者、高齢者、低所得家庭などへの救済プログラムも増えている。都度、アップデートした情報発信は必要と実感している。

こうした医療セミナーは、他の地区の商工会でも開催しており、11月にはヒューストン日本商工会が駐在員のメンタルヘルスに焦点を当てたオンラインセミナーを開催し、視聴した。医療制度と地域が違うため、オンタリオ州在住者にはあてはまらない内容もあったが、駐在員及びその家族がメンタルヘルスに苦しむ状況やその原因の分析には頷けるものが多くあった。

中でも気になったのは、孤独と孤立。個々人が感じる孤独と、社会的な見方の孤立は、意味合いが違うがともにメンタルヘルスを考える上で重要な視点。オンタリオ州でも、日系企業の所在地はGTA圏に限らず、日系コミュニティーのない遠方の場所に広がっている。そうした場所に住む駐在員にも繋がる機会を提供する必要性を感じた。