専務理事のばたばた日記

第169回
5月入国規制日 入国条件がコロコロ変わる
商工会事務局 伊東 義員

Mr Ito

コロナ・パンデミックとなり、1年以上経過した。昨年の4月は、第一波でほぼパニック状態であったが、6月に入ると収束期待が高まり、一部緩和の動きが見られた。年末年始の第二波ではさらにピークが大きい波となったが、すでにワクチンの目途が立っていたためか、第一波ほどのパニック状態ではなかった気がする。

しかし、その間イギリスで変異ウィルスが見つかり、続いて南アフリカ、ブラジル、インドと続々と変異ウィルスが見つかっている。感染力が高い、重症化率が高い、と心配されているが、実態はよくわかっていないようだ。遺伝子レベルの検査を特別にしなくては特定できないことから、実際には報告件数以上に蔓延している可能性が高いといわれている。

カナダも、いわゆる水際対策を強めており、米国との国境閉鎖はすでに15か月月になろうとしている。最近では、インドでの変異ウィルス拡大を受け、インド、パキスタン周辺からの入国を制限した。

カナダでは、入国にあたっての条件として、空路入国の場合、搭乗時刻前72時間内のPCR検査(陰性証明)、到着時PCR検査、3日間の政府指定ホテルでの強制隔離(自己負担)、隔離10日目(8日目に変更)のPCR検査、合計14日間の隔離などが義務つけられている。陸路入国の場合には、陰性証明や検査条件が異なり、3日間の強制隔離義務がない。

しかし、この条件の違いを利用して、あえて米国に入国し陸路でカナダに来る人もいるようで、5月末からは、陸路で入国する場合には、米国内での検査を別途受けなくてはいけないことになったようだ。日本への帰国(入国)においても、搭乗72時間前検査による陰性証明、オンタリオ州からの入国者には3日間の強制隔離義務と合計14日間の自主隔離、スマホ必須化、誓約書や追跡アプリの設定など、条件がますます厳しく煩雑になっており、その条件も頻繁に変更になっている。導入すべきアプリが突如変更になっていたり、陰性証明の様式運用が変わっていたり。

特に混乱しているのが、72時間前検査の証明書。政府指定様式が示されているが、政府広報によると、その他の様式でも指定要件が記載されていれば可となっている。導入当初は、若干の混乱は仕方ないとして、お目こぼしもあったようだが、4月下旬から一層厳しくなり、新聞報道によると日本国籍者でも、様式不備で強制帰国措置になった人がいるとか。

商工会への問い合わせでも、一番多かったのが日本の所定様式で陰性証明を発行してくれる検査機関について。日本に帰国された方にお願いして日本入国レポートをいただいているが、どうも検査機関やそのオフィス毎に対応がまちまちだったりするようだ。

また、検査方法も限定されている場合が多く、日本政府が認めている唾液検査などはやっていない場合がほとんど。それぞれの国が独自に入国条件や陰性証明基準・検査方法を決めているために、世界共通というのは難しいのであろうが、今後はワクチンパスポートなど世界共通の証明が出てくると期待したい。

(上記記述は、筆者の個人的意見、判断で書かれているもので、商工会の意見・意向を反映しているものではありません。また、個別内容について、誤解、理解不足等があるかもしれませんが、それらは全て筆者の責任によるものです。)