専務理事のばたばた日記

第190回
3月日 年度末で大わらわ
商工会事務局 伊東 義員

Itosan

商工会と補習校、2つの非営利団体はともにオンタリオ州の非営利法人として登記している。法律に沿い年度末の処理が必要で、会計士による決算監査と会員総会が義務付けられている。商工会の会計年度は、暦年となっており、12月31日が決算。年明け早々から決算処理が始まる。この時期は新年懇親会の準備と重なることから、一年でもっとも忙しい時期となる。

新年懇親会準備はアシスタントの方に取り纏めをお願いし、決算処理は、主に自分が行いアウトソースしているアカウンタントと処理を進めながら、監査に対応していく。監査については、このコロナの3年間、オンラインで対応してきたが、今回から事務所に数日来ていただくことにしていただいた。

オンラインでも処理はできていたが、支払い書類など提出するべき原本が事務所にあるため自宅へ持ち帰るのも大変で、それを電子ファイルにしメールで送るのも手間がかかり、結果、膨大な時間がかかる。事務所に来ていただき原本を見ていただくことで、短時間で確認し、その場で説明することができるので、効率的に進めることができた。

この時期、並行して行うことに、新理事候補の方への就任打診がある。事前に会長と調整し、理事会で候補者承認を得た上で、候補者の方に打診をしていくのだが、任期や社内の事情で難しいという方も当然おられる。候補になっていただく方は、普通法人会員の登録会員の方に限られており、通常は日本人駐在員で最高位の方が多いが、そうしたポジションの方の任期はあってないようなもの。

2月、3月になって突然異動になることも想定しておかなくてはならない。10年くらい前には、会長に選出され、その数日後に異動となった方も。今年も様々な事情で辞退された方がおられたが、次の候補の方が決まり次年度の体制が整った。そして2月理事会で候補者承認を経て、3月会員総会で承認いただき、4月1日以降の新体制が決まった。

補習校の場合はちょっと事情が違う。学校の年度に会計年度を合わせていることから、4月から翌年3月が決算年度となっている。決算処理は新年度が始まった後となるが、補習校の場合には、新年度の予算編成、政府援助申請、そして授業料等改定審議などがあり、2月から非常に詳細な予算作りが必要になっている。そのため1月から2月に行う在学希望調査、新入学申し込みを経て、翌年度の園児児童生徒数を確定することがもっとも重要な作業となる。

コロナによりオンライン授業を余儀なくされた結果、園児児童生徒が大幅に減り、その回復が学校全体の運営、特に財政面では大きく影響することから、慎重な見通しが必要。新入学が期待できるのは、幼稚部と小学部1年。昨年末より、入学説明会を数度開催し、1月には初の幼稚部体験入学会を行うなどした結果、年間を通じて全校で約30名ほどの園児児童生徒数増となる見通しとなった。

これをベースに予算を作成し、長時間にわたる予算検討会を経て予算案、授業料値上げ案を作成し3月の運営委員会で決定、3月18日の昨年度最終日に発表した。財政的には、赤字予算となったが、この夏以降に入学を希望する方もすでに20名程度おり、9月転入希望の方も毎年一定数いるので、財政的には改善の向かうのではないかと感じている。

ただ、問題は教員不足。突然退職を申し出た教員がおり、新年度直前でその対応に追われた。教員は常に募集しており、登録していただく制度になっているが、そのリストに載っている人がほとんどいない状況。皆さんのお知り合いで臨時代行ならできるという方がおられれば、是非応募していただきたい。

卒業式も対面で行うことができた。そして、2019年以来できなかった会員総会も併せて行った。補習校の会員は設立時の商工会理事会者8社となっており、本来であれば会員総会を毎年開催することが義務付けられているが、卒業式と合わせて行ってきたことから対面の機会がなく、3年間開催できなかった。その3年分を今回まとめて開催し、承認を得ることができた。その後処理はまだ残っているが、とりあえずコロナ前の形の戻していく段階まで来たことができ、ほっとしている。