商工会サービスは、会員に向けた情報提供と会員ネットワークに重点を置いている。情報提供は、ビジネス向けと駐在員生活向けの二本立てで、セミナーやメール配信が中心。
セミナーについては、コロナ以前は会場と定員を設定、簡単な飲み物やスナックなども準備していたことからある程度の費用がかかっていた。開催場所がダウンタウンやトロント市・ミシサガ市となることから、遠方の会員企業さんからの参加もなかなか難しく、ビデオ録画をして後日YOUTUBEでの提供も行っていた。
しかし、コロナで集まることができなくなり、ZOOMなどオンライン会議環境が一気に改善したことと、こちら側もそれに慣れてきたことで、セミナー開催については、オンラインを中心に行うことになった。オンラインセミナーの良さは、やはり遠方からでも参加できる点。そして講師の方もトロントにいる方に限定せず、お願いできる点。11月に開催予定のセミナーでは欧州の専門家にも登壇いただく予定。
一方で対面セミナーの良さは、やはりセミナー後の個別質問のし易さと参加者同士のネットワーク。今後は商工会事務所での対面機会も合わせたハイブリッド形式のセミナーを取り入れていくことを考えている。
このように、オンラインで多くのことができるようになったが、満足できない面もある。オンラインで会った方の印象が残らない。シニアとなった身としては年齢のせいというあきらめもあるが、やはりオンラインで初めてお会いする方は記憶が薄い。そして、お喋りのタイミングがなかなか難しい。
コロナ前には、トロント周辺で開催するセミナーなどに参加が難しい会員さんを数年に一度の割合で訪問していた。特に代表者が変わったタイミングを見計らって、ご挨拶と商工会のサービスの説明、そして商工会への要望や期待を伺っていた。しかし、コロナになり人との接触や訪問が制限されたことで、会員企業訪問ができなかった。
コロナの2年半の間に着任された代表者の方もかなりおられ、このとりりあむの代表者インタビューではオンラインでお話しさせていただいた方も多いが、まだまだご挨拶ができていない方もたくさんおられる。
今年の夏以降、コロナ感染も収束の兆しを見せており、各種規制もほぼ撤廃。会員企業さんに伺うと訪問なども受け入れられるようになったということで、9月より会員企業訪問を再開することにした。
天候が悪くなる冬の到来前にできるだけ遠方の企業さんへの訪問アポイントをお願いしている。9月には4社訪問させていただき、10月は7社のアポイントをいただけた。5~6年ぶりの訪問となる会員企業さんがほとんどでコロナ禍でのご苦労などを伺うことができた。やはり直接お会いするとお話ししているときの光景が焼き付き、記憶に残るので大変ありがたい。