専務理事のばたばた日記 

第181回
6月参加型日 取り組み方針、変更
商工会事務局 伊東 義員

Itosan

商工会事務局にお世話になって今年で16年目となり、これまで貴重な経験をさせていただいた。当初は、商工会の活動を活性化させるためには資金が必要と訴え、会費の値上げを提案。そして、その会費に見合うサービスを提供すべく、いろいろな活動を増やしてきた。

商工会の活動は、会則に挙げている4つに集約される。まずは、日系企業ビジネス団体としてもっとも大切な会員企業支援。その支援には大きく2つがあり、ビジネス支援と駐在員支援。ビジネス支援としては、カナダの法制やビジネス情報などをセミナーやメール配信などで提供している。かつては、日本人駐在員向けに日本語での情報提供が求められたが、今ではそうした要望も減り、カナディアンスタッフも情報を得られるように、英語での情報提供が中心となっている。

形式は、従来の対面セミナーから、オンラインでのウェビナーに変わり、遠方の企業さんも参加できるようになった。会場費や昼食代などもかからず、費用効果はよい。日本人駐在員とその家族向けには、生活立ち上げ支援に力を入れている。昨年からは、毎月生活懇談会を開催し、医療、教育、治安交通法規、生活情報などを提供し、駐在前、帯同前で日本から参加される方も多い。

活動の2つ目として重要なのが会員のネットワークつくり。この2年間はコロナで対面での懇親会や昼食会が出来なかったが、コロナ規制が緩和され、早々再開した。しかしその開催でも変化がある。懇親会や昼食会にあたり、これまで会員特典として若干ではあるが、割引を適用してきた。昼食会では5ドル、懇親会では、全体費用の4割程度。

しかし、会員の方に伺うと、こうした割引はなくてもまったく問題ないとのこと。期待されているのは、こうした機会を提供してくれることで、実費を負担することは当然とのこと。そうした声を伺い、今年再開したイベントでは、実費負担とさせていただき、商工会活動費の支出削減に協力していただいている。こうした考え方は、新年会、ゴルフ大会にも当てはまり、原則として食事やゴルフプレイ代は、実費負担とさせていただき、支出を最小限にしている。

3つ目の活動は、地域貢献。チャリティー活動として、新年懇親会とゴルフ大会が会則上認められている。この2つについては、企業寄付分についてタックスレシートが発行できる慈善団体に寄付することになっている。今年、商工会では、補習校に通う園児児童生徒のために、スポーツイベントを開催することにした。

その実行にかかる費用について、協賛をお願いしたところ、タックスレシート対象ではないにも関わらず、会員企業さんから協賛をいただいた。こうした費用協賛はこれまで行ったことがなく、すべて商工会費用で行ってきたが、こうしたやり方、企業参加型もいいと考え始めた。そのスポーツイベントでは、運営委員会に設置された実行委員の方と保護者の方がとても積極的に準備を進めてくださっている。

こうした活動や協力は、4つ目の活動目的である日本の教育支援・補習校支援運営にもつながっている。秋には、コロナ以前まで補習校が行ってきた漢字検定も商工会で行うよう準備を進めており、会員サービスの商工会から広くコミュニティーに向けたサービスも視野に入れている。

その典型が、この度発足したToronto Japanese Women’s Club。10年以上続けてきた女性会員・帯同奥様のための茶話会を発展させたもので、会員に限定しないコミュニティー組織として再出発することになった。主体は商工会ではなく会の幹部に任せるが、商工会も会場提供や広報に協力する形となる。

コロナの2年間を経て、商工会活動への期待と参加意欲が少し変わってきたのかもしれないが、もしかしたら、もともとそうした期待があったことに、事務局が気づかなかったのかもしれないと反省している。今後は、会員参加型のイベントや企画を増やしていきたいと思う。