リレー随筆

不思議な縁のカナダ
FUJIFILM Canada Inc. 立石 惇

CAPILANO
大学時代、バンクーバーキャピラノ渓谷にて

初の海外赴任でカナダに来てから早いもので3年が経とうとしており、そろそろ次の国への赴任、もしくは日本への帰国命令が言い渡されるのではとそわそわしながら過ごしています。

いざカナダを離れることが現実味を帯びてくると、改めて素晴らしい国に赴任できたことを幸せに感じるとともに、ふと日常の中での何でもない風景を眺めながら寂しい気持ちになったりします。

カナダは私にとって不思議な縁のある国です。中学2年の夏休みに地元の町の育成プログラムの下でバンクーバーに同級生20名程とホームステイにやってきたのが最初で、九州の田舎町で育った私にとって海外へ行くこと自体初めての経験でした。

英語の授業で学んだ数えられるほどの少ないボキャブラリーで語学学校の先生らとコミュニケーションをとり、まがりなりにも意思疎通が図れた時、その後の人生を決定づける100万ボルトの衝撃(宇宙人のような存在だった遠く離れた外国の人となにやら通信ができていることへの驚き、感動、喜び)を受けました。

帰国後もその先生らと文通を続け、これをきっかけに英語を趣味のように学ぶようになりました。同時に、生涯を通じてこの未知に溢れた広い世界を飛び回り様々な人と触れ合いたいと思うようになり、中学3年時の文集で将来の夢を「国際的に仕事をする人間になる」と書いたことを記憶しています。

この経験が私の人生の方向性を半分決めたようなもので、その後外国語大学へ進学、英語のみならず他言語や地域への好奇心を貪り続けました。時間のある大学時代に自分の原点でもあるカナダへ何としても、もう一度行きたいと大学を休学し資金を貯め、半年間バンクーバーへ留学をしました。この時は良い所だけでなく様々な観点からカナダを知る機会になりました。それでもやはり日本では見られない壮麗な自然や多様性に魅せられ、カナダ愛が更に深まりました。

14年後、海外マーケの部署でカナダ担当に。それだけでも嬉しかったのですが、カナダにとある事業を立ち上げる事になりその流れで赴任することになった訳です。近々海外赴任となることはおおよそ決まっていたのですが、まさかそれがカナダになるとは。(一方的にですが)、この国には運命を感じています。
つらつらと書いていたら個人的な思い出話だけでいつの間にか文字数制限に近づいてしまいました。

最後にコロナ禍でも楽しめる、カナダにいるうちに是非オススメのレジャーを一つご紹介して終わりにしたいと思います。オンタリオはアルゴンキン周辺含めて綺麗な自然に囲まれたキャンプ場がたくさんありますが、ぜひ巨大なキャンピングカーをレンタルして行ってみて下さい。

まず日本ではこのサイズの車を普通免許で運転できないと思いますし、バス・トイレ・キッチン、ベッドを備えた車内の秘密要塞感は至高、就寝時の熊への心配も要りません。巨大トレーラーを運転する緊張感とハンドルの重さで運転手さんは肩こり必至、湿布を持っていかれることをお勧めします(笑)。