トロントに住み始めて3年が経ちました。四季折々色々な楽しみを見つけましたが、私にとって最大の娯楽の一つがスポーツ観戦です。
ご存知のとおり、トロントでは北米4大スポーツのうち、MLB、NBA、NHLの3つを楽しむことができます。世界最高峰のそれらのリーグでは、壮絶な競争を勝ち抜いて1試合フィールドに立つだけでも物凄いことです。例えば野球だとトップのMLBに登録されている選手は40人x30チームで約1,200人、それに対して8軍まである下部組織でプレーする選手は8,000人以上。その他にも世界中にそこを目標としている選手が多くいます。
そんな選び抜かれた超人たちを気が向いた時に近くで応援するというのは、世界中でも限られた都市でしかできないことです。ということで、今回は今年現地観戦した試合についてレポートしたいと思います。
<8/2 (月) ブルージェイズvsインディアンズ>
今シーズン、それまでUS、バッファローでホームゲームを開催していたブルージェイズが今年7月30日、2019年秋以来、22か月ぶりにトロントに帰ってきました。
私はトロントでの3試合目を観戦しましたが、ロジャーズセンターは試合前の国歌斉唱から異様な盛り上がりでした。私も選手たちが守備位置に就いていき、プレーボールがかかる光景を見ながら、辛かったロックダウンを思い出し感慨に浸っていました。
パンデミック前、私がトロントに来た2019年はよく試合観戦に行きましたが、その頃のブルージェイズは弱く、観戦した試合ではだいたい負けていました(勝率1割ぐらい)。
その頃メジャーデビューしたのが、今シーズン大谷選手とMVPを争ったゲレーロJr.や、走攻守3拍子揃ったショートのビシェットです。私は彼らのことは当時から勝手にトロントの同期だと思っており、彼らの成長と共に我が家もトロントでの仕事や学校、生活に慣れて行っているような特別な気持ちで応援していました。
この試合は延長戦の末に惜しくも負けてしまいましたが、2年ぶりに間近で見る彼らはとてつもなく大きく、ゲレーロJr.のロケットのようなホームラン、ビシェットのハッスルプレーに震えました。
シーズンも惜しくもあと1勝でプレーオフを逃してしまいましたが、2年前になかなか勝てなかったブルージェイズが、同期の活躍でこれほど早く強いチームになるとは思っていませんでした。彼らの更なる活躍で来シーズンはプレーオフを観に行くことを楽しみにしています。
<12/5(日)ラプターズvsウィザーズ>
家でテレビゲームばかりやる息子達(6歳、8歳)にスポーツの楽しさを分かってもらいたいと、この秋から地域のバスケ教室に入れました。少し興味を持ってきたので、なんとか英才教育をと考えていた中、商工会の有難い企画により、こちらも2年ぶりの観戦が実現しました。
この試合はお目当ての渡邉雄太選手が7得点。美しい3ポイントシュートも決める活躍。チームも快勝でした。
試合後、コンコースで家族とお土産を物色していると、見上げるような大きな若者が通用口から出てきました。なんと渡邉選手でした。テンションの上がった私は思わず「渡邉さん!」と声をかけると、渡邉選手は振り返ってくれました。ドキッとしてとっさに出てきた言葉が、 私「ありがとうございます!」妻「かっこよかったです!」
もっと気の利いた事ことを言えばよかったとも思いますが、渡邉選手はにっこり爽やかな笑顔で、子供達に向けても何度も手を振ってくれました。
この十数秒の出来事により我が家はもう完全に渡邉選手の虜。子供達の目も、これまで見たことのない種類の輝きを見せたように見えました。この日の渡邉選手の姿を思い出しながら、子供達にはこれからもバスケを楽しんでもらいたいと思っています。