リレー随筆

カナダで 「ととのう」
AUTEC Canada Inc. 足立 一平

sauna

最近、日本ではサウナーと呼ばれるサウナ愛好家が増えている。

すでにご存知の方もいると思いますが、多くのビジネスパーソンが生産性を上げる為に、サウナでリフレッシュを図っている。ひと昔前は「サウナ好きなんて、おじさん」というイメージだったのが、今や、時代の先端を走っている人と思われ、チヤホヤされるかもしれません。

私は昔からサウナが大好きで、近所の銭湯やサウナ付きスポーツジムによく通っていた。カナダに来てからも、自宅マンションの共有スペースに設置されている小さなサウナに毎日のように通っていた。しかし、今はコロナの影響で利用できない。そこで、自宅のお風呂でサウナの代用ができないかと考えた。

一般的に、サウナの効果を最大化する方法は、サウナ(温)→水風呂(冷)を休憩をはさみながら、交互に3セット程を繰り返す(温冷交代浴と言うらしい)。そして最後に、座ってゆっくりと外気を浴びる。そのリラックスしている状態を「ととのう」と言ったりする。

我が家の浴室は、トイレとバスルームが一体となっているユニットバス式だが、バスタブがある。お湯を溜め、お風呂に入って、身体を温めて汗を出し、そのあと水のシャワーを浴びるという方法で試してみた。その際、お風呂のお湯の温度や、水のシャワーの時間など細かい設定は、あえて決める必要はないと思っている。人それぞれ熱いと感じる温度であったり、我慢できる時間が違うからである。

sauna japan

オススメは、まず自分が適温と思う温度でお風呂につかり、追いだきをして徐々に温度を上げていき、汗を出す。我が家には自動の追いだき給湯器など無いので、蛇口をひねってマックス熱いお湯を、ちょろちょろと出しお湯の温度を上げる。そして温度が下がれば再度お湯を足す。

そして、全身から目いっぱい汗が出たら、バスタブのお湯を流し、水のシャワーを浴びる。シャワーも、心地良いと感じる少し冷たい温度から始め、徐々に温度を下げていく。そして最後に、座って外気を浴びながら 「ととのう」。

効果ですが、肩こりや慢性疲労の解消、冷え性対策などのフィジカル面だけではなく、メンタル面においても、汗をかく事でストレス発散となり、気分がすっきりする。寝つきも良く、睡眠全体の質が向上する。なにより心地よい夜風を浴びて 「ととのう」ことによる幸福感。

実際、「ととのう」という状態は主観によるものなので、言語化するのが難しい。私自身、ととのっているのか、のぼせているだけなのか、いまいち区別ができていない。だが、この際どっちでも良い、気持ちいいと感じれば、それはととのっている状態であり、明日もまた、ととのいたいと思う。

中毒性はあるが、健康的な習慣であれば問題はないだろう。ととのいながらビールを飲んだ日なんてもう、優勝です。ぜひ皆さんにも一度試して頂きたい。

しかし、血圧、血管には大きな負担がかかりますし、脱水症状になって倒れる危険もありますので、体調の変化には充分に気をつけて下さい。適宜、水分を取り、自分の身体と相談しながら、無理なく進めて頂きたいと思います。