私の○○

カナダと日本をビジネスで繋ぐ
Invest in Canada (カナダ投資庁) 阿部 宏輔

皆さま、初めまして。Invest in Canada (カナダ投資庁) で勤務しております阿部宏輔と申します。7月まで在トロント日本総領事館で勤務をされていた伊藤尚峰さん、ご紹介ありがとうございます。

はじめに少し自己紹介をさせていただきます。私は 1998 年にワーキング ホリデーでオタワ市に来ました。就労ビザ取得を経て、2000 年に移民権を得てからは様々な職を経験し、最近ではオタワ市にあるソフトウェア系の企業に 15 年間勤務していました。2018 年、新しく設立されたカナダ連邦政府の投資誘致機関である Invest in Canada (IiC) に入庁し、それ以来、日系企業のカナダ進出のお手伝いをしています。

伊藤さんがトロント総領事館にいた際は、トロント周辺に進出されている日系企業の活動の様子やお困りの点について定期的にお話を伺っていました。特にコロナ禍が始まってからは企業のコロナ対策の状況、従業員のカナダ入国時の問題などについてご意見をいただき、逆にこちらからは、カナダへの投資の傾向や各種プログラム、イベント情報などをお伝えしていました。また、コロナ前には、お互いがオタワやトロントに出向いた際に、食事をしながら情報交換するなど楽しい時間を一緒に過ごしておりました。

さて、今回このような貴重な場をいただきましたので IiC について簡単にご説明させていただきます。

IiC は、カナダへの外国直接投資を誘致する機関です。主に世界 8 つの国と地域からの投資に力を入れており、貿易面でも文化面でカナダと長く強いつながりを持つ日本も対象国の一つとなっています。

seminar
IT投資・イノベーションセミナー 2019年6月

私はオタワの本部にいながら日系企業への政府関連のプログラムのご紹介、調査に基づいた情報提供、現地視察支援などのサービスを提供しています。また業種ではテクノロジー、先端製造、天然資源、娯楽系、食料関連、クリーンテック、生命科学、電気自動車関連の投資に注目していますが、もちろん上記以外の業種からのお問い合わせにもお答えしています。

企業名は伏せさせていただきますが、少し具体例を挙げてご説明します。

日系企業 A 社が業務拡大にあたり北米に営業所開設を検討し、カナダ国内の数都市を候補として挙げておられました。IiCは現地視察のお手伝いをさせていただきました。A 社は最終的に一都市に絞り、IiC は該当都市の投資誘致機関にお繋ぎして、現地法人の設立方法、弁護士、税理士、仮オフィス スペース等のアドバイスを受けられるようにご案内しました。

Collision
北米最大のテックイベント「Collision」2019年4月

また、すでにアメリカで事業展開をされているB 社は、カナダへも進出したいとのことで、各州の特徴や人材に関する情報、インセンティブについての最新情報をまとめたパッケージをご用意してお送りしました。

『とりりあむ』の読者の皆さまは、日系企業にお勤めか日系企業と関連のあるお仕事に従事されていることかと思います。現地工場や営業所の設立のためなど、日系企業がカナダに進出される理由は様々ですが、カナダのことをご存じない方にとっては不安があるかと思います。実際に投資を決定され、ある州で無事に事業を開始された後でも、他州への拡大、新たに導入されたインセンティブなど、日々刻々と変わるビジネスに不可欠な情報が必要かと思います。

IiC は州レベル、市レベルの投資誘致機関や連邦政府の省庁と連携して、企業のカナダ進出前、中、後のお手伝いをする、いわば「カナダ投資の窓口」的な存在とお考えいただければよろしいかと思います。

窓口と言ってもご存知の通り、投資先としてカナダを選び、実際に業務を進めるまですべてを IiC でお手伝いすることはできません。東京にはカナダ大使館が、日本の各都市にもカナダ総領事館があり、そこで勤務する商務官が日系企業のカナダ進出のお手伝いをしております。またオタワにはグローバル連携省、天然資源省などの本部があり、産業に精通した方々もたくさんいます。

各州、各都市には、投資誘致機関があり、現地の最新情報を持っています。そういった方々や機関と協力しながら、Iicは企業に役立つ情報を提供しています。また JETRO とは 2019 年に覚書を結び、日系企業への支援面やイベント開催などでご協力をいただいています。

最後に宣伝になってしまいますが、今後予定されているイベントに関してお話します。今年秋にはトロント総領事館のご協力の下、オンタリオ州北部の鉱山案件を広く日系企業にご紹介するオンライン セミナーを企画しています。ご興味がありましたら是非ご連絡ください。どうぞよろしくお願い致します。