私の○○

わたしのフラメンコ奮闘記
Yamaha Canada Music 松好 真奈美

フラメンコ

フラメンコを始めたのは8年前。子供の頃バレエを習っていて大人になってからも時折レッスンに通っていたものの、だんだんレオタード姿にビール腹が目立つようになり(笑)、何かこの先じっくり付き合い長く続けられる、年齢を重ねるほど味が出るような踊りはないかと探し出会ったのがフラメンコでした。

私自身それまで一度も生でフラメンコを見たことがなく知らなかったのですが、実は日本は本場スペインに次いでフラメンコ人口の多い国!教室もとても多く、いくつか見学に行き、踊りのスタイルや教え方が好きな先生の元へ通い始めました。

情熱的な人々の多いスペインと日本では正反対のように思いますが、習い始めて感じたのは、ノリながら楽しむダンスではなく、内に秘めた感情が滲み出るように、時に激しく表現する舞踏であるということ。普段感情を表に出すことの少ない日本人にとっては新鮮で、自分でも気づかなかった自身の一面が垣間見えたり、自分の殻を破るような感覚があったりして、ハマる人が多いのかもしれません。

フラメンコで面白いのは、曲の振り付けを習って練習しても、本番ではその通りに踊ることが出来ないこと。フラメンコには正確な「曲」指定がなく、曲の種類(拍子や曲調)は決まっていても、歌の長さや歌詞、どこで小休止を取るかは歌い手さんのその時の気分で変わってしまいます。

集合写真

多くの場合はリハーサルで打ち合わせをして曲構成の希望を伝え、どんな歌を歌うのか確認しますが、特にスペイン人はパッションが溢れているがゆえ、本番ではリハーサルと全く違うことをするケースが多々(内心「リハーサルと違うやん!」と突っ込みながら、そのイライラさえもエネルギーに変えて踊るべし)。

でもこれがフラメンコの醍醐味。生のセッションでのその場限りの音楽と踊り。相手の歌に耳を傾け、呼吸を感じながら、お互いのエネルギーを受け止めながら高みに上っていけた時、自分ひとりでは到達できないような新境地へ行けたような気持ちになれる。フラメンコに限らず様々なジャンルの音楽や芸術、スポーツにも通じると思いますが、一度この感覚を味わってしまうともう止められません!(とはいえ本当にフラメンコの呼吸や間が身に付くにはまだまだ何年もかかりそうですが…。)

私がトロントに来たのは2020年パンデミックの最中。トロントにも複数フラメンコ教室がありますが、レッスンを開催している日、時間の関係でRitmo Framencoという教室に通い始めました。最初はオンラインレッスンのみ、初めてスタジオでの対面レッスンに行けたのは2022年3月に入ってから。

その頃先生から、5月にパンデミック以降初めて観客を入れての発表会開催を予定していると聞き、慌てて本腰を入れて練習。無事トロント初ステージに立つことができました!場所、教室が変われば踊りのスタイルや雰囲気も変わりますが、そこでしか味わえない空気を楽しみ、技術を吸収し、私なりの表現を磨いていけるよう続けていきたいと思っています!

舞台