「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第223回>
ヒタチアステモ・カナダ
Hitachi Astemo Canada, Inc. President 高橋 博之

今回の新代表者インタビューは、2021年1月に日立オートモーティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ、日信工業株式会社の4社が統合され、新たに生まれ変わった日立Astemo株式会社のカナダ現地法人Hitachi Astemo Canada Incの社長、高橋博之氏へお話を伺いました。社名である「Astemo」の由来についてもお話頂きました。プライベートでは愛犬家である高橋氏、2021年4月にカナダへ赴任されました。
(聞き手:酒井 智子)

-御社の事業内容のご紹介をお願いいたします。
Hitachi Astemo Canadaは四輪車用プロペラシャフトの生産・販売、EPS(電動パワーステアリング)の販売をしております。主要なお客様はHondaさんやNissanさん、製品の納入先としては、カナダ、アメリカ、メキシコ、中国となります。

プロペラシャフトは主に4WDの車に使用され、エンジンの駆動力を後輪に伝えるという製品となっております。車のモデルチェンジに合わせてお客様の要求も変化するため、毎年新しいモデルの量産立ち上げを実施しています。 EPSについても同様で、モデルチェンジに合わせた量産立ち上げをし生産を続けております。

-前回のインタビューが2015年となりますが、それ以降に大きな変化はありましたか?
2021年1月に日立オートモティブシステムズ株式会社、株式会社ケーヒン、株式会社ショーワ、日信工業株式会社の4社が経営統合をして「日立Astemo株式会社」という会社が誕生しました。4つの会社が1つになりましたので、会社規模が大きくなり、グローバルの従業員数は約9万人、生産拠点も100拠点を超えております。

日立Astemoは、システムサプライヤーとして、パワートレイン、シャシー、ADASの商品開発に力を入れ、電動化や自動運転を支えるシステムを開発、さらに次世代モビリティを支えるコネクテッドカーのシステムソリューションの提供を目指しています。そのために、これらの技術を持った4社が今回統合いたしました。

社名のAstemo(アステモ)について由来をお聞かせ下さい。
「Advanced Sustainable Technology for Mobility:先進的かつ持続可能な社会に貢献する技術を通じて、安全・快適で持続可能なモビリティライフを提供する」ということで、頭文字を繋げてAstemo(アステモ)としました。

-御社の強みはどちらにあるとお考えですか。
大きく分けて二つございます。一つは、生産効率や、コストダウンを目的とした生産ラインの自動化を積極的に進めていることです。加工ラインや組立てラインに関しては、ここ4年間で8つの工程自動化を実施しております。 これにより、生産効率アップやキャパシティアップという効果がでております。
 
二つ目は、「スマートファクトリー」です。昨今、カーボンニュートラルの対応やアイオーティー(IoT)によるデジタル管理など、生産工場も進化を求められています。私たちは、数年前からスマートファクトリーのプロジェクトをスタートし、省エネ対応に取組んでいます。ここに、IoTデジタル管理を加えて生産設備のモニタリングを行い、品質データとのリンクや予防保全に繋げたいと思っています。(IoT=Internet Of Thing:様々なものをインターネットにつなぐ)
 
-まさに次世代ですね。今後注力してきたいことについて、お聞かせ下さい。

やはり今お話した「スマートファクトリー」に力を入れていきたいと思っております。IoTで社内の情報をデジタル化し、関連情報との対比・分析でSQDC(安全・品質・デリバリー・コスト)の向上を目指していきたいと考えています。

安全領域では、事前に設備の異常検出が出来れば設備故障や事故未然防止ができます。品質領域では、加工条件と品質データをリンクさせることで傾向をつかみ品質維持・向上に繋げることができます。また、トレサビリティーの強化も目指します。デリバリー領域ですが、もの造りとは、いくつもの工程を通っていきます。工程間のデーターをリンクさせることによって、最適な生産計画の立案や、その先の出荷や在庫管理にも繋げていきます。

最後にコスト領域ですが、先程のカーボンニュートラルに絡みますが、工場内で使用する電気・ガス・水道の省エネ や 予防保全による設備トラブル防止でダウンタイム削減を考えています。ダウンタイムは生産設備が止まってしまう時間なので、この時間を極力少なくすることが生産効率UPに繋がります。

以上の様に、考えだすと色々広がっていきますので、ステップを踏みながら進めていきたいと思っております。

-高橋社長ご自身についてお伺いします。ご出身、今までのご経歴についてお聞かせ下さい。
生まれは1968年、出身は東京都です。幼少期に両親の都合で栃木県宇都宮へ引っ越した以降は、同地で育ちました。1996年に旧ショーワへ中途入社し、約21年間R&Dで駆動系商品の開発に携わりました。その後、事業企画部で約3年間、そして現在のカナダへ赴任しました。

-今回が初の海外赴任ということですね。
そうですね。ロックダウンから始まりましたので、最初は苦労もありましたが、ようやく規制も緩和されてきましたので、これからカナダを満喫できればと思っています。

-今までで一番印象に残っているプロジェクトについて、お聞かせ下さい。
先程4社統合のお話をしましたが、統合前に4社経営統合プロジェクトがあり、そちらに携さわりました。とても苦労し印象に残っておりますので、こちらのお話をさせて頂きます。

このプロジェクトでは4社統合後、新会社としての事業戦略やシナジー検討、そしてプロセス統合の検討を行いました。歴史や文化の異なる4つの会社が統合するので、方向性や意思決定に多くの時間がかかり苦労しました。

-高橋社長がお仕事をする上で、大切にされていることは何ですか。
会社としての方針ですが、SQDCのレベルアップ、シナジーの早期適用、拡販による継続的な事業進化の3つを挙げております。また人の行動としては、 「向上心」「責任感」「協調性」を常に部下へ指導しております。社会人として働くうえで、必要な3要素だと思っております。

-好きなスポーツや趣味は何ですか。
テニスとゴルフです。現在は会社の仲間と毎週末テニスを楽しんでいます。普段、会社ではデスクワークが多いので毎週のテニスが良い運動になっています。これからも続けていきたいと思いますがカナダの寒い冬期間はちょっと難しそうです。

-テニスは長い間されていますか?
はい、社会人になってからですが20年以上やっています。長く出来るスポーツなので、あと10年いや20年頑張ります(笑)。

趣味とは別にもう一つ楽しみがあります。現在カナダへは単身で来ておりますが、日本でトイプードルを飼っています。日本の家族から送られてくる愛犬の写真や動画を毎回楽しみにしています。我が家のトイプードルは外出する際、必ず洋服を着せています。例えば夏は浴衣、秋はハロウィン、クリスマスはサンタクロース、お正月は着物など季節に合わせて着せています。

-可愛いですね!衣装もちですね。
そうなんですよ(笑)。小さい頃から洋服を着せているので嫌がることはありません。洋服は妻と娘がいつも選んでいますが最近では帽子も被ります。愛犬の写真を見るのが、今の一番の癒しになっています。

-カナダ駐在中に挑戦したいことにについて、お聞かせ下さい。
せっかくカナダへきましたので、本場のアイスホッケーを観戦したいですね。また、お決まりですがイエローナイフでオーロラを見たいです。現在住んでいる町がオーロラという町なので、余計にリンクします(笑)。

-最後になりますが、商工会会員の皆さんへメッセージをお願いいたします。
2021年4月にカナダへ赴任しました。初めての海外赴任かつ、コロナ禍の中、こちらへ来ましたので、ホテル隔離や自宅隔離があり、息苦しい日々を送っておりました。そんな中、トロント商工会から色々な情報を頂き、大変助かりました。これかも参考にさせて頂きます。

また、最近では規制も緩和され通常の生活が戻りつつあります。よって、これからカナダ生活を満喫していきたいと思っております。しかしながら知見や情報が少ないので、会員の皆様からカナダのおススメ情報などあれば、是非教えていただきたいと思っております。各種イベント、セミナーなどで会員の皆様とお会いできる機会があるかと思いますので、楽しみにしております。

-本日はお忙しい中ありがとうございます。これでインタビューを終わります。