「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

JETRO (Japan External Trade Organization) Toronto
Executive Director 幡野 裕一

jETRO

今回はJETRO (Japan External Trade Organization) Toronto幡野裕一氏へお話を伺いました。日本政府系の貿易投資機関として、日本への投資誘致、農産品や食品の輸出支援、中堅・中小企業の輸出促進、政治・経済状況の調査発信を行う同所は、海外56カ国76事務所、国内全都道府県に事務所を持つネットワークが強みです。日本企業と海外スタートアップの連携を支援し、北米の経済政策にも注視、タイムリーな情報提供にも注力されています。トロントの他にバンクーバーにも事務所を構えており、分室長を務める幡野氏は、2024年8月に着任されました。

事業内容のご紹介をお願いいたします。

JETROは日本政府系の組織で、貿易投資機関としての役割を担っています。現在、ジェトロの主な取り組みは4つあります。まず一つ目は、イノベーションの促進を目的とした日本への投資誘致です。二つ目は、日本の農産品や食品の輸出支援です。三つ目は、日本の中堅・中小企業の輸出促進です。そして最後に、カナダをはじめとした政治や経済状況の調査・発信を行うことです。この4本の柱で活動しています。

御社の強みは何でしょうか。

我々の強みは、現在海外56カ国に76事務所を構え、国内には全都道府県に事務所を有していることです。この広範なネットワークを最大限に活用して活動している点が、我々の強みだと考えています。貿易投資機関はどの国にもありますが、国内外にこれだけの事務所を持っているのはジェトロだけだと自負しています。

各国の事務所では、日本国内の事務所などと連携しながら、その国と日本との貿易や投資促進に関わる幅広い事業を展開しています。カナダでは、トロントに加えてバンクーバーにも事務所を構えており、私はバンクーバー分室長も兼ねています。

新規事業についてお聞かせください。

これまでもイノベーションの促進には力を入れて取り組んできました。日本のスタートアップ企業がカナダで活動することや、カナダのスタートアップ企業が日本で活動すること、または日本の企業とカナダのスタートアップの協業連携を推進する活動を行っています。

最近は、日本企業が海外のスタートアップを探すケースが増えています。トロント周辺ではAI分野に優れた企業が多いと認識しており、これらの企業などを日本企業に紹介する活動を今後も続けていきたいと考えています。

一方、北米でビジネスを行っている企業にとって、影響の大きい出来事が立て続けに発生しています。アメリカ新政権による政策の発表などです。こうした情報をタイムリーに皆様にお届けすることが重要だと考えており、これまで以上に力を入れていくべきだと思っています。

現在、米国の関税措置に関する日本企業への相談窓口を国内外の事務所に設置し、さらには、新政権の政策に対するクイックアンケートを実施し、その結果を公表しています。また、ウェブサイトでは「第二次トランプ政権の動向」に関する特集ページを立ち上げて、関連情報もすべて掲載していますので、ぜひご覧いただければと思います。

ご出身はどちらですか?今までのご経歴についてもお聞かせください。

生まれも育ちも横浜市です。今回は3度目の海外生活になりますが、それ以外はずっと横浜の日吉で過ごしてきました。小学校6年生から中学校3年生まで、親の仕事の関係でアメリカのメリーランド州、ワシントンDCの郊外に住んでいました。当時、英語は全くできなかったのですが、帰国する頃には友人たちと普通に英語で会話できるようになっていました。

いわゆる帰国子女として、高校、大学と日本で過ごし、JETROに入構しました。1度目の駐在は2007年から4年間、ニューヨークの事務所に駐在し、総務、人事、経理などのバックオフィス系の業務を主に担当しました。その後日本に戻り、今回は2回目の駐在でトロントに来ています。

北米に何かご縁があったのですね。幼少期を過ごしたアメリカでのご経験はいかがでしたか?

私にとっては、すべてが新しい経験でした。子供ながらに大変なことも多かった記憶がありますが、それでも自分の幅を広げてくれたという印象があります。普通では経験できないようなことを経験できたと感じますし、「当たり前」が当たり前でない環境を経験できたことで、その貴重さに気づかされました。今となっては、とても貴重な経験をさせてもらったことに感謝しています。

トロントに着任されて半年程ということですが、カナダはいかがですか。

非常に楽しく過ごさせていただいています。ニューヨークにいた時、トロントを含めカナダには何度も訪れていて、とても良いイメージを持ってこちらに来ました。特にトロントは、ニューヨークの街並みや雰囲気に似ている一方で、圧倒的にきれいで、街を歩いている人々の雰囲気から優しさが伝わってきて、すごく良い街だという印象を持っていました。実際に住んでみて、その時の印象の通りだと感じています。

お仕事を進める上で大切にされていることについてお聞かせください。

私たちのような組織では、毎年同じようなことを繰り返したり、うまくいったことを継続することが優先事項になりがちですが、常に「何のためにしているのか」という目的を見失わないように仕事に取り組んでいます。また、職員同士がしっかりと協力し合い、チームとして対応していくことを重視しています。一丸となって、皆様のお役に立てるような活動を続けていけるよう心掛けています。

SKI

休日は何をして過ごされますか。

スポーツ全般を見るのがとても好きです。高校時代は野球をしていたので、日本にいるときもよく野球を観ていましたし、こちらに来てからもよくテレビで野球を見ています。それ以外では、歩き回るのが好きなので、週末にはよく街中を散歩しています。数時間があっという間に過ぎてしまいます。

コロナ禍の時に運動不足を感じ、ランニングを始めました。最近は週末に1時間から1時間半、ジムで走っています。ようやく暖かくなってきたので、外でも走りたいと思っています。また、スキーは昔からずっとやっており、毎年滑りに行っています。以前は毎週末、滑りに行っていましたが、最近は回数も減ってしまいました。トロントでも今年は1回行けましたので、来年はもっと滑りたいと思っています。

カナダ駐在中に挑戦したいことについてお聞かせください。

今の話にも繋がりますが、せっかくカナダに来たので、有名なスキー場を巡ったり、カナダ国内をいろいろ旅したいと思っています。また、ランニングもしているので、1回大会にも出てみたいとも考えています。いろいろ思うことはありますが、億劫な性格なので(笑)、まずはそこを変えて、何か一つでも取り組んでいければと思っています。

最後になりますが、商工会会員の皆様へメッセージをお願いいたします。

ビジネスマッチングやビジネス情報のご提供、ウェビナー等も定期的に開催してまいります。少しでも皆さまのお役に立てればと考えておりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

本日はお忙しい中ありがとうございます。これでインタビューを終わります。