「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

Nissin Travel Service Canada Inc. 
Manager 此木 功氏

A Man standing

今回はNissin Travel Service Canada Inc.  此木功氏へお話を伺いました。

同社は、業務渡航や赴任・帰任・一時帰国、MICE(Meeting/Incentive/Conference/Exhibition)・グループ旅行の手配をはじめ、個人旅行ではカナダ国内やアメリカ、中南米、日本行きのカスタムメイド旅行を提供しています。また、駐在者の家族や友人の来加に合わせたカナダ国内旅行のプランニングも手掛けるほか、旅行関連サービスとしてカナダ特産品のお土産販売も展開。カナダ支店では NISSIN TRANSPORT との連携を強みとし、帰任者の渡航準備から引越しまでをNISSINグループ全体でサポート、人とモノの移動を総合的にプロデュースします。前職では航空会社に勤務されていた此木氏は、航空運輸サービス・旅行業にて培った知識と経験を活かし、2024年1月に着任されました。

事業内容の紹介をお願いいたします。

日新航空サービス(株)の在外支社として1987年にアメリカ法人が設立され、その後2007年にカナダに現地法人が開設されました。現在アメリカ法人としてはコロンバス、ロサンゼルス、インディアナポリス、ポートランド、そしてカナダ法人はトロントの計5拠点で事業展開をしております。弊社は旅行業として法人旅行、教育旅行、観光旅行などを手配、販売致しております。教育旅行というカテゴリーはあまり馴染みがないかもしれませんが、いわゆる留学、語学研修、ホームステイ、修学旅行、ボランティア活動などの手配、ご提案となります。

旅行業は平和産業とも言われ有事があると大きくビジネスに影響を受けます。コロナ禍で人の動きが激減した際には事業自体が大打撃を受ける大変な状況となりましたが一番に回復傾向を示したのが法人旅行であり、また教育旅行も比較的打撃の少ないマーケットとして堅調に動いております。

現在私共カナダ支店での取り扱いの多くは日系企業様の業務渡航(出張)、赴任・帰任・一時帰国、MICE・グループ旅行の手配、提案、販売となっておりますが、個人旅行やご駐在者様の観光旅行などの取り扱いも多くあります。個人のお客様の観光旅行としてカナダ国内はもとよりカナダからアメリカや中南米、更には日本行きのお問い合わせも増えておりパッケージツアーではなくそれぞれのご要望に合ったご旅行をCustom-madeして参ります。またご駐在者様のご家族やご友人の来加にあわせてのカナダ国内旅行のご提案も多数ございます。

また旅行の関連商品としてカナダ特産品のお土産の取扱いもしております。帰任や一時帰国の際にはお荷物も多く、またなかなかお土産を買って廻る時間もないというお話を伺いますが私共の商品はカタログからお選び頂いたカナダ特産品を日本のご指定先住所に直送致しますので大変多くのお客様にご愛用頂いております。

日新トラベルサービスの強みについてお聞かせください。

業務渡航手配における豊富な知識と経験に基づき各ご渡航者様、企業様のビジネスニーズに合ったご提案を迅速にご提供している点が弊社の強みの一つだと自負しております。仕事でご出張をされる場合でも、個人的に自費でご旅行される場合でも旅行費用は当然のことながら出来る限りリーズナブルにと考えられると思います。

そのうえで料金優先で旅程を設定するのか、仕事のご都合に合わせたスケジュール優先なのか、はたまたご家族帯同で一時帰国をするので利便性を最優先されるのかなどなど、同じお客様からのご渡航手配依頼でもそのシチュエーションによってニーズが変わってきます。状況にあった旅程を私共から再提案するなどオンラインの旅行検索ではなかなか手の届き難い部分のサポートが充実している点も評価頂いている点だと思います。

当然ながら日本語・英語でのバイリンガル対応をしておりますのでご駐在者様、ご家族様またカナダローカルスタッフの皆様からの様々なお問い合わせにもコミュニケーションのストレスなく対応致します。

またアメリカ国内各支店や日本本社との連携をすることでカナダ、アメリカ、中南米からのMICE参加者への緻密な対応も可能です。

カナダ支店においてはNISSIN TRANSPORTとの連携により帰任者様のご渡航準備と共に引越しなどもNISSINグループとして展開しており、人とモノの移動を総合的にプロデュースすることが出来るのは大きな強みです。人が動けばモノも動く、またモノが動けば人も動くということが殆どでグループ会社のシナジーが大きく発揮されております。

今後特に力をいれていきたいことは何ですか。

大きく分けて3つの項目に今後注力していく予定です。

先ず1点目としては、昨今航空会社やホテル、レンタカーなど各社が様々な新しいサービスや料金体系、期間限定商品などを展開しており、これ自体は利用者にとって歓迎すべきところでもありますが、一方であまりにも多種多様で煩雑化しており比較も難しくなってきているのが現状です。弊社ではアメリカの各支店と共にデジタル化の強化を進めており、お客様に複数ある選択肢の中からベストチョイスを分かり易く、そして迅速に提供していくことをさらに推し進めて参ります。

デジタル化の強化では作業効率の改善もさることながら、それ以上に各航空会社が導入を始めている新たな予約プラットフォームとのリンケージや独自のリスク管理への対応などお客様の利便性を高めて参ります。

また2点目としてご出張やご旅行を計画されるお客様のニーズも多様化していることを踏まえ、単なる航空券やホテルの手配に留まらずより付加価値のある商品造成をして参りますので是非今後の展開にご注目下さい。新たなサービスや商品造成にあたっては手前みそにならないように努めておりますが皆様からのお困りごとについてのご意見や、このようなサービスを求めているというようなことがあれば是非ご相談下さい。皆様からのご意見、ご要望をなるべく反映させたサービスや商品の造成をして参ります。

最後に、コロナ禍で一旦催行が見送りとなっていたMICE特に企業様のMeeting参加、Incentive Tour催行、Convention参加、Exhibition & Event参加が昨今着実に増加傾向にあり日本・アジアへのご渡航やカナダ・アメリカへのご渡航の手配、ツアーのご提案に今後益々注力して参ります。

特筆すべきニュースやお知らせはございますか。

カナダ国外へのご旅行を計画される際に必要なパスポートですが、既報のとおり2025年3月24日以降に日本国パスポートの更新を日本国外で申請する場合はこれまでよりも長い一ヶ月程度の日数を要するようになるとのことですので、パスポートの残存期間や更新手続きにはご留意下さい。

此木さんご自身についてですが、ご出身から今までの経歴についてお聞かせ下さい。

出身地は東京都文京区で大学入学までこの地で生活をしておりました。実家は曾祖父の時代から長く居を構えていた古屋でしたが、私の苗字の此木という名前は東京都内でも珍しく数名しかいないと聞いており、曾祖父より昔の先祖は石川県に所縁があると聞いています。

大学は関西圏にある大学に入学し4年間は兵庫県で学生生活を送りました。親元を離れ親戚や知人も居ないなかでの生活でしたが多くの友人、先輩後輩にも恵まれ充実した学生生活を送ることが出来たと思っています。

卒業後は今はなきノースウエスト航空会社に入社し成田空港の旅客部に配属となりました。入社後約9年間ほど成田空港の旅客サービスおよびオペレーションに従事しておりましたが途中2年半の間はグローバルのカスタマーサービス・トレーニングプログラムにトレーナーとして取り組んでおりました。

入社後3年目でのアサインメントでしたのでトレーニングをする対象は殆どが先輩方やベテランの方々ばかりで色々と苦労はしましたが空港地上職員や予約部職員そして客室乗務員を対象に横断的にサービス向上プログラムに従事できたことは大変良い思い出です。

その後営業部に異動し代理店営業部、ホールセール営業部、リテール営業部、法人営業部で営業経験を積み重ねることになりますが、ノースウエスト航空自体は2008年にデルタ航空と合併し最終的にはデルタ航空の看板を背負って都合18年以上を営業部にて勤務しておりました。

2016年に縁あって長年勤めたNW/DLからアメリカン航空へ転職をしアライアンス・パートナーの日本航空と共に法人営業に従事しました。大学卒業後から外資系航空会社での仕事しか経験がなかった私にとって日本航空の方々と机を並べての協働は新鮮且つ色々と勉強になるものでした。色々な意味で外資系の仕事の進め方や考え方と日系企業のそれらは同じ業界でもこれほど違うものかと日々驚かされた記憶があります。

father and son
息子と共に夏のカナダを楽しむ

Nissin Travel Service Canadaには2023年12月に入社し2024年1月より現職を務めております。会社は違えど航空運輸サービス・旅行業にて培った知識と経験を活かしながら、よりお客様に求められる旅行会社となるよう奮闘しております。

カナダ駐在前のご経験をお聞かせ下さい。

海外出張や6ヶ月以内の短期在外勤務は多かったものの、駐在の経験は今回が初めてとなります。NW/DL時代に日本地区と共にミクロネシア地区(グアム、サイパン、パラオ)での現地ローカルセールスも統括していた関係で特にミクロネシアへの出張は頻繁でした。

またこれまでも仕事やプライベートでカナダへの渡航経験は多く主な都市には殆ど訪問しています。その中でもチャーチルからハドソン湾へ向かいオーロラを鑑賞する研修旅行に帯同した際にはマイナス50℃を下回る気温で街中がShut Downしている中で犬ぞりをしたり、白熊を警戒しながらオーロラ鑑賞をしたことは今でも忘れられない貴重な経験です。是非カナダにご駐在中の皆様には冬のカナダも楽しんで頂きたいと思います。

いままでで印象に残っているプロジェクトは何ですか。

会社紹介でも触れましたがMICEの需要が近年増加しており2024年も複数のツアーのお手伝いをさせて頂きました。特に日本行きのIncentive Tourの場合、日本国内の訪日旅行客が激増していることもありホテルの手配や観光、バス手配が非常に難しくなってきていますが、弊社日本本社との連携によりオーガナイザー様のご要望に沿ったご提案ができ、ツアー後にもご満足頂けたとのフィードバックをお聞きする度に達成感があります。何事もハードルが上がれば苦労も増えますがチーム一丸となって成し遂げた成果はやはり何物にも代え難いと実感します。

仕事を進める上で大切にしていることは何ですか。

現在に至るまで様々な業務に就いてきましたが、思えば常にお客様に対峙する仕事を続けてきましたので、顧客ニーズを的確に理解し最適な対応をすることを大切にしています。

私達の仕事はサービス業とも言えますが、サービス業の中ではRed Rule 、Bule Ruleと称される考え方があります。「お客様のご要望に何とか沿いたい、しかしながら対応方法が法律などで制限されている場合”」と「ルール上は出来ない、しかしながら場合によっては対応可能なことがある」というものです。例えばタクシーが急病人のお客様を最寄りの病院へお連れする最中に一方通行を逆走すれば10分早く到着できたとしてもそれをすることはできません。

また一方で運転手の規定乗務時間が終わり帰社する最中に急病人のお客様がいた場合乗車をお断りするのではなく病院への乗車をお受けすることは社内規定には反しても対応は許される場合があります。

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アイスワインフェスティバルにて冬のカナダを楽しむ

最大限お客様のニーズに応える対応を模索しながらも中途半端な対応は避けどうしても対応できないことはしっかりとご説明のうえお断りする、代替案をご案内するということが最適な対応だと思います。

また常に心掛けている仕事への取組みとしてはAccountabilityとRespectを大切にするということです。個々人が課題や対応に当事者意識を持ち結果を出すために主体的に考え行動することでより仕事の質と生産性があがると思っているからです。どの様な仕事でも独りで完結できることは少なく多くの人がかかわって一つの事を成し遂げるわけですが常に皆が主体性をもって仕事をすることが大切だと思います。

また、考え方やBackgroundの違う人と接するなかで、それはお客様に限らず職場の仲間であっても、Respectがとても大切だと思っています。人と人とが集まる中では当たり前の事ですが切羽詰まって来ると忘れがちなことなので常に肝に銘じています。

好きなスポーツや趣味についてお聞かせ下さい。

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Rogers Centerにてスポーツ観戦

仕事柄やはり旅行は好きです。自分自身は仕事でも世界各地を訪れ様々な経験をさせてもらいましたが感動した景色や美味しかった食事などは家族と共に再訪し改めて共有できればと思います。また食べ歩きやドライブも好きですが、カナダ特にトロントでは世界各国の料理が色々と楽しめるのでこれからも休日を使って少し遠くまで足を延ばして美味しいものを探してみたいと思っています。スポーツも学生の頃はサッカーやヨット、ボードセーリング、ダイビングなどのマリンスポーツを続けていましたが最近は体力の限界を感じでおり専ら観戦ばかりです。2026年のサッカーワールドカップは是非“生”観戦したいです。

カナダ駐在中に今後挑戦したいことはありますか。

まだカナダに来る前に今後の趣味として小型船舶とドローンのライセンスを取っていたのですが是非カナダでもこの二つを利用して楽しみたいと思います。湖も多く豊かな大自然が身の回りに溢れていますのでボートを操縦したりドローンで絶景を撮影するには絶好のロケーションだろうと楽しみにしています。またカナダならではのアイスホッケー、スケート、カーリングなどのスポーツ観戦もルールをしっかりと理解してから行ってみたいと思います。出来れば詳しい方と一緒にワイワイ楽しめれば最高だと思います。

商工会会員へのメッセージをお願いいたします。

商工会会員の皆様とは公私に渡り接点を持たせて頂いており心より感謝申し上げます。恥ずかしながら昨年秋に少々体調を崩し商工会のイベントにも参加ができない時期がありましたが今年は出来るだけ参加をさせて頂くつもりでおりますので、どうぞ引き続き宜しくお願い申し上げます。