「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

<第262回>Canon Canada Inc.
President & CEO 高木 幹雄

showroom
カナダトロントのショールームにて

今回はCanon Canada Inc. 高木幹雄氏にお話を伺いました。
「デジタルイメージング」の世界において幅広い商品群と最適なソリューションを提供されている同社は、1973年にキヤノンカナダ創立以来、カナダ全国に9つの支店をもち、販売とサービスオペレーションで700人余りの要員を抱えてカナダ全国のお客様をサポートしているそうです。2024年12月には、Bramptonにある大型ショールームをリニューアル、プリントショップを新たにオープンし、深くデジタルイメージングの世界を展開されています。長年の海外でのご経験をはじめ、中国での新会社立ち上げなど、興味深いお話をたっぷりお聞かせいただきました。プライベートでは、多趣味で様々なことに挑戦される高木氏。今年度商工会理事を務めていただいております。

-事業内容のご紹介をお願いいたします。
当社は、キヤノンの製品を中心に幅広い商品を取り扱う販売会社です。主な取扱商品として、家庭用プリンターをはじめ、ミラーレスカメラ、テレビ局用カメラ、オフィス機器やそのワークフローを支えるソフトウェアー、各種用途のスキャナー、さらに特化分野としてポスターや大型バナー用のプリンター、本などの制作を可能にする超大型高速プリンターなど、専門的な用途に対応した機器も取り揃えております。「デジタルイメージング」技術分野の幅広い商品ラインアップとソリューションで、お客様の多様なご要望にお応えしています。

-今後の展望や目標などをお聞かせください。
私たちは、商品そのものの提供に留まらず、社会との関わりを深めながらお客様からの信頼と評価を築いていくことを目指しています。
特に力を入れている分野として、「デジタルイメージング」の社会、文化、芸術、教育への貢献があります。これらを通じて我々の技術の可能性を広げるとともに、オフィス内での多様なワークフローを支援するソリューションの提供に取り組んでいきたいと考えております。

-特筆すべきニュースはございますか。
これまでのショールームを一新し、写真やムービーの「イメージワンダーランド」の世界と、オフィス向けの提案をする「オフィスソリューション」の世界に分けた新しいコンセプトの展示を開始しました。是非お越し頂きたいと思います。

また、その「イメージワンダーランド」ショールームでは、12月よりプリントサービスも開始しました。ここではプロのカメラマンの為の高品質プリントから、携帯で撮影した写真のプリントまで様々なサイズのプリントアウトを提供できるようになっています。更に、フレームを付けてご自宅に写真を飾って頂いたり、アルバム作成してお子様の成長や楽しかったご旅行を記録に残したりと写真をもっと身近に楽しんでもらうサービスを進めています。

新製品としては、ミラーレス一眼レフのラインアップを強化しており、EOS R1, EOS R5 Mark IIというプロフェッショナル向け商品が登場しました。ミラーレスカメラの最高位機種としてプロフェッショナルに応える性能の商品であり、カナダでも上々の売出しになっています。

また、インクジェットプリンターでは「メガタンク」シリーズを展開。このラインアップは、1回のプリンターの購入で何千枚ものプリントが可能で、プリントボリュームが多い小さなオフィスやホームオフィス、家庭で宿題提出の多いお子様などに適した製品です。特に、これまでインク消耗品のコストを懸念されていた方々にも好評いただける製品となっています。更に、携帯からの写真プリントに適した小型プリンターのラインアップも充実しており、これは若い方からも大変好評を頂いています。

camera
Canon EOS R5 Mark II
printer
Canon MeegaTank model G3270
ivy
小型プリンター  Canon IVY

一方、オフィス向け事業では、従来のプリンティングやスキャンサービスに加え、ワークフロー改善やお客様のネットワーク環境におけるセキュリティ問題へのサポートを強化しています。これにより、より高度なソリューションを通じてお客様の業務効率向上と安心できる環境作りに貢献しております。

-ご出身、今までのご経歴などについてお聞かせください。
東京都大田区出身で、入社後35年が経ち、10年間を日本で、25年間を海外で勤務してきました。これまで駐在した海外の都市は順番に、大連、香港、北京、上海、ニューヨーク、メキシコシティー、そしてトロントと多地域に渡ります。キャリアの中で、最初の5年間は生産関連業務に従事し、その後の30年間は販売関連業務に携わってきました。

ウルグアイ
南米、ウルグアイのモンテビデオ市中心

小学生時代に台湾で6年間を過ごし、そのうち2年間は現地の学校、4年間は日本人学校に通っており、中国語(マンダリン)が第1外国語になります。今でも中華料理店に行き中国語でオーダーをすると「あなたどこの中国人?」とお店の人に聞かれます(笑)。

ニューヨークでは6年半、メキシコでは5年を過ごし、合計11年間にわたりラテンアメリカ市場の販売推進を担当しました。ラテン市場は、多くの企業にとって開拓の優先順位が低いエリアとされており、この市場の特徴として「お金をなかなか払わない」という商売上の地域性があり、これを改善するための組みを進めてまいりました。その成果もあり、現在ではラテンアメリカは弊社にとって注目する市場となりつつあります。

また、出張先ではボリビア、パラグアイ、ウルグアイ、ジャマイカ、ガイアナ、スリナムといった一般的に訪問頻度が少ない国々にも足を運びました。ラテン地域では、危険と隣り合わせでもありますが、ここまで無事に生き延びてくることができました。

-今までで一番印象に残っているプロジェクトについてお聞かせください。
アジア駐在時代には、2001年の中国のWTO加盟という中国市場が開放されていくプロセスの中、キヤノン中国という新会社を立ち上げのプロジェクトに参加しました。それまで中国では生産された製品を全て輸出する必要がありましたが、WTO加盟以降国内で生産したものを国内市場で販売できるようになり、キヤノンにとって非常に大きな事業発展の機会をもたらしました。その立ち上げに深く関わり、中国市場の基盤作りに貢献しました。

また、ラテンアメリカでは、重点市場化への取り組みを進めました。お金を払わないという文化的課題に直面しながらもその改善に取り組みました。

2012年頃には大型プリンターを扱うOCE社を買収しプリンティングの商品ラインナップをラテンアメリカでも広げることができました。その統合プロセスはオーダープロセス、システム、価格、サービス、会社体制などなど非常に複雑多岐にわたり多くの困難を伴いましたが大変良い経験となりました。

-お仕事を進める上で大切にされていることは何ですか。
会社運営のためのアイディアや構想力、マーケティング力を発揮しつつ、サービスの徹底を図り、顧客現場や組織の強化に努めることです。特に、当社ではお客様の商売道具となる大型機器を扱うことも多いため、お客様がお仕事に困ることのないよう、迅速で確実なサービスを提供することが重要です。現場をしっかりとサポートする仕組みを作りこんでいくよう心掛けております。

また、仕事の進め方では、人が嫌がる手に付けたくない領域になるべく足を突っ込み、何とか打開策を考えアイディアを持ち寄りながら少しずつチームで成果を上げていくことを心がけています。

golf
メキシコ ロスカボスのQuivira Golf Club

-お休みの日はどんなことをして過ごされますか。お好きなスポーツ等ございますか。
好きなスポーツはゴルフとテニスです。特にテニスは学生時代から続けており、アメリカとメキシコにいた約10年間はほとんど毎週プレイしていました。メキシコでは高地のため、空気が薄く5分で体力の限界になってしまうこともありました(笑)。ゴルフはその点、ボールがよく飛ぶので楽しいですね。

趣味としてはカラオケやギター、語学、たまに地元の美術館めぐりもしています。カラオケでは、山下達郎やサザン、ロッド・スチュワートなどを若いことから歌っています。語学はラテンを担当していたので、現在でもスペイン語を学んでいるのですが、この年齢になるとなかなか覚えられず、2つ覚えて3つ忘れることが多いです(笑)。

-今後、カナダ駐在中に挑戦したいことはありますか。
バンフ地方に行ってみたいと思っています。バンフの美しい自然や山々をぜひ一度見て写真に収めてみたいですね。また、モントリオールなど東部カナダ地方に関心があります。何度か仕事で行っていますが、ハリファックスなど含めもう少し深く東部地方をみてみたいと思っています。

-商工会会員の皆様へメッセージをお願いします。
世界は、GDPという経済指標から、国連の掲げるSDGsの広がりに大きくシフトしていっていると思っています。その中で、趣味を持つことは豊かな将来を掴むのに非常に有意義だと考えています。デジタルイメージングの世界もますます広がっており、活動を通じて、芸術や文化、風土などを身近に感じ楽しんでいただける機会を提供していきたいと思っています。また、もしオフィス機器やワークフローでお困りのことがあればぜひご相談ください。

-本日はお忙しい中ありがとうございました。これでインタビューを終わります。