「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー

<第253回>IKO Thompson Bearings Canada, Inc. 
President 春元 慎太郎

IKO

IKO トムソン カナダの春元慎太郎氏へお話を伺って参りました。ベアリングは機械の回転運動や直線運動部を支える部品として産業や日常生活に欠かせないものです。普段の生活で直接目にすることはなかなかありませんが、重要な役割を果たしている部品を開発、製造されている日本トムソン株式会社さん。2016年にカナダへ進出、主にテクニカルサポートとお客様のサポートをメインに展開しています。代表である春元氏は、2022年に着任されました。初の海外駐在であるタイでの事務所立ち上げのご経験や、アメリカ・ミネソタ州、ニュージャージー州での話をお聞かせいただきました。(聞き手:酒井 智子)

事業内容のご紹介をお願いいたします。

本社である日本トムソン株式会社は、ベアリングを開発・製造する会社として1950年に 設立され70年以上の歴史があります。機械の回転運動を支持する部品として産業や日常生活に欠かせないベアリングの開発・製造をしており、国内で初めてニードルベアリングという製品の自社開発に成功した会社です。

ベアリングというと普通ボールが入っているものを皆さん想像されますが、弊社のベアリングはローラーが入っており、回転運動だけでなく直線運動をするベアリングや、他の部品と組み合わせた複合部品を主に日本で作っております。私たちの生活の中で見る事はありませんが、製造現場の自動化や、医療機器、ロボットなどに多く採用して頂いています。

カナダに製造部門はありませんが、主にユーザー様や代理店様等のお客様へのテクニカルサポートをメインに展開しております。カタログ品だけでなく、お客様が必要としているカスタマイズ品の提案型営業も行っています。

御社の強みについてお聞かせ下さい。

高品質・高精度が、お客様がIKOブランドを選んでくださる大きな理由です。製品自体でいいますと、Cルーブ・メンテナンスフリーといった特徴のある製品もあり、メンテナンスの手間を省き、環境負荷の低減にも貢献できます。また、北米(カナダ・米国)に豊富にある在庫を活用し、お客様からの技術相談に対応できるローカル技術者の存在も強みです。特殊環境に対応したカスタマイズも承っております。

今後力を入れていきたいことについて、お聞かせ下さい。

弊社は2016年に設立した比較的新しい会社ですので、弊社の製品を知ってもらうためのPR活動や、新規顧客開拓に力を入れていきたいです。また、カナダのお客様のニーズにマッチした商品の開発などもしてみたいですね。

新事業や、新製品のご紹介をお願いいたします。

リニアモーター位置決めテーブルという複合部品がございます。弊社が作るリニアモーターはとても薄く、高さでいいますと11mmとなっており、“どれだけ正確に狙ったところに到達するか”という精度がプラスマイナス0.1ミクロンという製品を扱っています。高精度でとてもコンパクトですので、半導体の関連の装置や医療関連、電子部品の製造工程といった精度が求められ、かつコンパクトで置く場所が限られてる、そういったところで人気の商品となっております。

日本の市場と、カナダの市場に違いは感じますか?

日本は先端作業が多いので、圧倒的に市場が大きいですが、カナダではオンタリオ州とケベック州を中心に製造拠点がありますので、アメリカよりもだいぶ小さいながらも、拠点を置くだけの市場はあると見ています。

ご出身から今までのご経歴についてお聞かせ下さい。

大阪で生まれ、小学校三年生の時に横浜市緑区という新横浜よりさらに北の方へ引っ越しをしました。当時は田んぼだらけで茅葺屋根の家があり、ボンネット付の工事用のダンプカーが走っている田舎でした。大学卒業後、日本トムソンへ入社し、5年間は東京勤務をし、主に韓国向けの営業をしておりました。

その後、2003年から2009年までタイの事務所の設立に携わり、その後東京へ戻り、2011年から2015年までアメリカの拠点の一つであるニュージャージーへ赴任しました。そして2015年にミネソタの新しい事務所の設立に携わり、7年間赴任し、2年前の2022年にカナダに着任しました。

北米には長くいらっしゃるのですね。

そうですね、トータルで13年程になります。その前の東京は2年間もいませんでしたね。当時は、新部署で 日本の会社が海外に進出する時に、弊社製品の調達をスムーズに移管するサポート業務に携わっておりました。

初めての駐在であるタイはいかがでしたか。

初めての駐在というのと、まだ20代でしたので「思いっきりやってくれ!」と言われたので、すごい張り切っていましたね(笑)振り返ると辛かったけど楽しかったですね。

一番印象に残っているプロジェクトについて、お聞かせ下さい。

やはり一番初めに海外赴任したタイでの右往左往しながらの立ち上げです。GoogleMapsも無い、タイ語も喋れない、そんな環境で自分で運転して、新規開拓をした経験が印象的です。家で晩御飯を食べ終わった直後に倒れるように寝ていました。その当時から今まで、家の事は何もしないで家族に迷惑をかけっぱなしです。振り返るともう一回同じことやれって言ったらできないぐらいのことはできたと思っています。いまだに青春時代ですね(笑)。

仕事以外では、週末はゴルフ三昧で、数ヶ月先まで週末の予定が埋まっていましたね。あとはソフトボールをやってました。日本人ばっかりのソフトボールのリーグがあって、所属していました。スポーツ三昧でした。

お仕事を進める上で大事にされていることはどんなことでしょう。

仲間こそ財産です。ホントに皆さんに励まされて、助けられて、これまで何とかかんとかやってきましたので、その人達に感謝しています。

お好きなやスポーツと趣味は何ですか。

運動はここ十年ぐらいしていませんが、ニュージャージーにいた時までは野球をやっていました。素人で野球経験がありませんでしたので、素人草野球をやっていましたが、ミネソタでの駐在中に子供達がちょうど 小中高の時期でしたので、二人のスポーツを見るのが趣味でしたね。

野球、ソフトボール、バスケットボールに加えて、娘がラグビーをカナダに来て始めました。友人に誘われたのがきっかけで、ドハマりしたようです。元々はソフトボールとバスケットをやっていて、キャッチャーがすごく上手でしたので、そっちに行くのかと思いきや、今年からやめちゃって。ラグビーとバスケットに専念したいと、近所のクラブチームに入りました。週末はそんな感じで子供たちのスポーツを見て過ごしています。

自分のスポーツとしては、カナダの草野球リーグに参加させていただき、続けられたらいいと思ってます。やっと十年ぶりに体動かそうかと思っています。

カナダ駐在中に挑戦したいことについてお聞かせ下さい。

野球を頑張りますってことかな?体を動かすことをちょっとまた再開したいですね。近所の川で釣りもしたいですね。

商工会員の皆様へメッセージをお願いします。

あっという間にカナダ赴任してから2年が過ぎましたが、まだまだわからない事だらけで、皆さんに助けて頂いて感謝です。今後とも、よろしくお願いいたします。

げn

本日はお忙しい中ありがとうございます。これでインタビューを終わります。