特別寄稿

トロント補習授業校 令和6年度「卒園卒業式」
トロント補習授業校 校長 近藤仁巳

graduation ceremony

令和7年3月15日㈯には幼稚部33人、小学部36人、中学部17人、そして高等部5人の、合わせて91人が本校から巣立ちました。式には在トロント日本総領事館から首席領事、川上盛徳様をお招きしました。また、学校運営委員長、難波仁様はじめ運営委員の皆さまにもご臨席いただきました。

川上首席領事様からは、「語学力、コミュニケーション能力、『違い』を受け入れて尊重できるという豊かな国際感覚は皆さんの強みです。自信をもって、力強く、将来を切り拓いていってください」とご祝辞をいただきました。温かいねぎらい、応援するお気持ちが子どもたちの胸に届いたことと思います。在校生代表の5年生児童からは、「年長さんから高校生までが同じ校歌を歌ったことを忘れません。『明日の夢を広げよう、伝えよう』の歌詞とともに皆さんの夢がかなうこと応援しています」という言葉が贈られました。

年長卒園児からは、思いを込めた替え歌で「思い出のアルバム」の披露がありました。小学部卒業児童からは、現地校、補習校、習い事の両立に悩んだ時期に五輪選手から直接励ましを受け前に進むことができ、「私たち一人一人これからも、自分のことを信じて大きな夢を描いていってほしいです」と仲間への思いを言葉に表しました。

中学部卒業生徒からは、協力体制をつくる困難と、支えてくれた仲間への感謝を胸に「今は辛くても、卒業の日になれば頑張ってきた甲斐があったと実感することは確かです。これからも前向きに頑張っていきましょう」と晴れやかな気持ちを言葉にしました。

高等部卒業生からは、「補習校は(様々な背景をもつ)生徒にとって、自分を知り、自分を保つ『救いの場所』です。この場で育った者たちこそ、今の日本、そして今の世界に必要な人材だと心から信じています」と補習校で育ったことへの誇りと自信を答辞の言葉に込めました。また、「14年間毎朝早く起きてお弁当を作り、文句を言い暴れる自分をベッドから引きずり出してでも補習校へ送ってくれた両親。本当にありがとう」と親御様への心からの感謝の言葉も添えられました。多くの卒業生の気持ちを代弁しているように思われ、保護者の皆様のお子様への深い愛情と、補習校へのご支援に胸が熱くなりました。

4月からまた補習校に通い続ける子、帰国して故郷の学校へ戻る子、他国へ引っ越し新たな環境で学びを続ける子など様々です。トロント補習授業校で一緒に学んだことを胸に、それぞれの場所でも笑顔で、健やかに育っていってほしいと願っています。