新代表者紹介インタビュー Mitsubishi Motor Sales of Canada 川路健市氏

2026年8月31日

Mitsubishi Motor Sales of Canada, Inc. 
President & CEO 川路健市氏

A man with Logo of  the Mitsubishi motors

Mitsubishi Motor Sales of Canada, Inc. President & CEO 川路健市氏にお話を伺いました。三菱自動車のカナダ販売会社として、車両の輸入・供給にとどまらず、価格設定やマーケティング、販売戦略、ディーラーネットワークの強化まで幅広く担う同社。なかでもアウトランダーPHEVは、カナダ国内のプラグインハイブリッド車(PHEV)市場において3年連続で販売台数トップを記録しており、電動化技術と四輪制御技術を強みに存在感を高めています。

高校時代を米国メイン州で過ごし、大学時代にはバンクーバーでワーキングホリデーも経験された川路氏、カナダとのご縁もあり今回の赴任となりました。今回は長年にわたり海外営業の第一線で活躍してこられた経験、趣味のスノーボードのお話なども聞かせていただきました。今年の商工会新年懇親会では文化部長として運営を担っていただきました。

-御社の事業内容の紹介をお願いいたします。
三菱自動車のカナダにおける販売会社として、三菱自動車本社と現地ディーラーの間をつなぐ役割を担っています。車両の輸入や各ディーラーへの供給に加え、価格設定やマーケティング戦略、販売戦略、さらにはディーラーネットワークの強化・拡充まで、販売を支える幅広い業務を担っています。また、本社とディーラーの調整役として、商品展開や販売計画の推進にも取り組んでいます。

-御社の強みについてお聞かせ下さい。
当社の強みは、長年培ってきた電動化技術と四輪制御技術にあります。 カナダでは環境対応車への関心が高い一方で、厳しい冬の気候や広大な国土に対応できる実用性も求められています。そうした市場ニーズに対して、当社の技術や商品は高い親和性があると考えています。

Outlander

その代表的なモデルがアウトランダーPHEVです。日常の移動では電気を活用して環境負荷を抑えながら、長距離移動にも対応できる利便性が評価されており、カナダでは2023年、2024年、2025年の各暦年でPHEV販売台数トップを記録しています。
また、当社の四輪制御技術「S-AWC」も大きな強みです。世界最高峰のラリー競技である世界ラリー選手権で活躍したランサーエボリューションで培われた技術を発展させたもので、カナダの厳しい冬道においても高い走行安定性と安心感を実現しています。

-今後の目標や展望についてお聞かせください。
カナダでは、2002年の事業開始以来、23年にわたりおおむね2万台規模の販売を維持してきました。そこから大きな転機となったのが、2023年の新型アウトランダーおよび新型アウトランダーPHEVの投入です。これを機に販売は大きく拡大し、PHEVに限らず他モデルも含めて、現在は4万台近い水準まで伸びています。この成長は、アウトランダーの成功に加え、ディーラーネットワークの強化が実を結んだ結果だと考えています。

今後は、三菱自動車として新型車を継続的にカナダ市場へ投入していく計画です。その機会を生かしながら、ディーラーネットワークのさらなる強化と販売拡大を進め、販売台数5万台を次の目標として掲げ、さらなる成長を実現していくことが私のミッションです。今後もこの成長を止めることなく事業の拡大を続けていきたいと考えています。

-特筆すべきニュース、新事業、新製品の紹介をお願いいたします。
この夏には、新型電気自動車「エクリプス スポーツバック」の発売を予定しています。 さらには2027年には、アウトランダーの三菱らしさをさらに高めた特別仕様車の投入も計画しています。新車攻勢をかけていく中、先ほど申し上げましたように、ディーラーのネットワーク強化を含めて、販売台数を拡大していくという明るいニュースがカナダ、さらには三菱自動車にとって続くので、それに合わせて事業を強化していきたいと考えています。

-ご自身についてですが、ご出身から今までのご経歴についてお聞かせ下さい。
鹿児島生まれで、大阪で育ちました。高校時代はアメリカ・メイン州で過ごし、その後日本に戻って大学へ進学しました。大学在学中には1年間休学し、長野オリンピックの年にバンクーバーへ滞在しました。約10か月のワーキングホリデーでは、スノーボードに打ち込みながらホテルで働いた経験もあります。

卒業後は三菱自動車に入社し、中東、ASEAN、欧州などで海外営業に携わってきました。もともとカナダには愛着があり、今回こうして再びカナダで仕事ができていることをうれしく思っています。

-ワーキングホリデーでカナダに滞在していた当時、トロントを訪れる機会はありましたか?
バンクーバーを拠点に過ごし、ビクトリアなどには足を運びましたが、旅行をする余裕はあまりありませんでした。今回初めてトロントに赴任して感じたのは、想像以上の寒さです。温暖なバンクーバーとは気候が大きく異なり、その違いに驚きました。

また、バンクーバーは緑や海、山に囲まれた自然豊かな街という印象ですが、トロントはまた違った都市的な魅力があります。加えて、人の多様性という点でも印象は大きく異なり、バンクーバー以上にさまざまなルーツを持つ人々が暮らしていると感じています。

-カナダ駐在前のご経験、他の海外駐在経験についてお聞かせください。
カナダが初めての海外駐在です。もともと日本で働き続けたい気持ちが強く、海外赴任は長く見送ってきましたが、子どもも成長し、家族にとっても良い経験になると考えて、今回カナダ赴任を決めました。

これまでのキャリアでは一貫して海外営業に携わり、特に中東やインドネシアを担当してきました。いずれも三菱自動車の認知度やシェアが高い市場でしたが、現在のカナダは市場にはまださらなる成長の余地があると考えています。そうした環境の中で、どのように販売を伸ばしていくかを考えながら、少しずつ成長につなげていくことが今の私のミッションです。

着任当初には、全国97店舗のディーラーを1年以内に訪問するという目標を立てました。しかし、実際に動いてみると、カナダは想像以上に広く、トロントから6時間かかるディーラーもあるなど、その難しさを実感しています。それでも、私が何より大切にしているのは現場主義です。現場で何が起きているのかを自分の目で見て、直接声を聞くことが重要だと考えています。これまでに約40店を訪問しており、引き続き訪問を重ねながら、現場の声を事業運営に生かしていきたいと思っています。

-これまでで最も印象に残っているプロジェクトについてお聞かせください。
最も印象に残っているのは、欧州で初代アウトランダーPHEV(2013年発売)の導入に関わったプロジェクトです。当時はPHEVという技術自体の認知がまだ低く、欧州の幅広い市場でその価値をどう伝えるか大変苦労しました。一方で、走行性能やPHEV技術そのものへの評価は高く、販売は計画を上回る成果を上げました。ただ、価格帯に対して内外装の質感が期待に十分応えきれていないという反省もありました。

その経験を踏まえ、営業の立場から次世代モデルでは商品力をさらに高めるべきだと本社の開発部門に働きかけてきました。結果として、二代目の現行のアウトランダーPHEVではそうした点が大きく改善され、特にカナダや日本で高い評価につながっています。自分が関わった現場での気づきや提案が、次世代モデルの成功に結びついたことは、特に印象深い経験です。

-お仕事を進める上で大切にされていること、独自の経営方針についてお聞かせください。
先ほども少し申し上げましたが、現場で起きていることをいち早く把握し、現場の声を直接聞くことです。三菱自動車カナダでは、その考え方を「ディーラーファースト」という方針として重視しており、これは前任の原田社長から引き継いだ大切な考えでもあります。まずは私たちがディーラーを第一に考え、ディーラーにはその先のお客様を第一に考えていただく。その積み重ねによって、お客様の声を事業に反映し、より良いサービスや販売につなげていくことを大切にしています。

-お好きなスポーツや趣味、休日の過ごし方についてお聞かせください。
趣味はスノーボードです。日本ではなかなか時間がとれませんでしたが、カナダに来てからは何度か楽しむことができました。冬は家族でウィンタースポーツを楽しみ、週末には映画鑑賞やナイアガラへの小旅行などを通じて、カナダの豊かな自然や魅力を家族とともに満喫しています。

-スノーボードを始めたきっかけは何ですか?
スノーボードを始めたのは、高校時代を過ごしたアメリカ・メイン州です。冬が長く、11月頃から5月頃まで滑れる環境だったこともあり、当時は毎日のようにスノーボードをしていました。社会人になってからは、子どもが小さい時期もあって10年ほど離れていましたが、最近また再開しました。以前のようにジャンプやハーフパイプはしませんが、これからは子どもたちと一緒に楽しんでいきたいと思っています。

family photo at Niagara

-今後カナダ駐在中に挑戦したいことについてお聞かせください。
家族を連れてアメリカの母校を訪ねることです。30年以上ぶりになりますが、車で各地を旅しながら向かいたいと思っています。当時のクラスメイトとは今も1、2人と連絡を取っており、ニューヨークやロサンゼルスを訪れる機会があれば、久しぶりに再会できればと思っています。また、家族の希望でもあるディズニークルーズに行きたいですね。

-最後になりますが、商工会会員の皆様へメッセージをお願いいたします。
今年の新年会を皆さまに楽しんでいただけたかどうかを今も気にかけています。当日はプロジェクターの不具合もありましたが、手動でライトをつけたり消したりといった急なトラブルにも会場スタッフや若手メンバーと協力しながら対応し、皆さまに少しでも楽しんでいただけるよう工夫を重ねました。

今後も商工会の活動や補習校などを通じて、皆さまと交流できる機会を楽しみにしています。お会いした際にはぜひ気軽にお声掛けいただき、ご意見やご感想をお聞かせいただければ幸いです。

-本日お忙しい中、ありがとうございました。これでインタビュー終わりいたします。