Career-Tasu CANADA, Inc.
Managing Director 鈴木伸也氏

今回はキャリタスCANADAの鈴木伸也氏へお話を伺いました。Managing Directorとして、北米における日英バイリンガル人材と日系企業をつなぐ採用支援に携わっている同社。主に採用・就職イベント「キャリアフォーラム」の運営、バイリンガル人材向け就職サイト「CFN」を展開しています。
日本で大学を卒業後、社会人を経験してから渡米し、米国の大学院で学んだ後、日本語講師として活躍していた鈴木氏。自身も求職者として利用していたCFNとの出会いを機に、2011年に現職の前身企業へ入社。以来、キャリアフォーラムの運営や企業の採用支援を通じ、グローバル人材の活躍の場づくりに取り組んでいます。
―事業内容のご紹介をお願いいたします。
弊社キャリタスは、企業の採用支援を専門としています。特に日英バイリンガル人材の採用支援に強みがあり、北米で学ぶ日本人留学生と、グローバル人材を求める企業をつなぐサービスを提供しています。具体的には、採用・就職イベント「キャリアフォーラム」の運営と、バイリンガル人材向け就職サイト「CFN」の展開を行っています。
―御社の強みについてお聞かせください。
長年にわたりバイリンガル向け就職イベント「キャリアフォーラム」を運営してきた実績と信頼が強みです。特にボストンキャリアフォーラムは今年10月の開催で40回目を迎え、毎年およそ200社が参加する大規模イベントです。北米の留学生の間では、日本企業で働きたい人にとって欠かせないサービスとして広く認知されています。また、ニューヨークの拠点と日本本社が連携し、企業ニーズと留学生の声の双方を把握しながら、よりよいマッチングを支援できる体制も強みです。

―利用する留学生の方は、こうしたサービスに登録しておくのですか。
留学生の方はまず「CFN」に登録し、参加したいイベントがあれば個別に参加登録を行います。北米ではボストンとロサンゼルスで開催しており、トロントでも商工会の皆様のご支援をいただきながら、昨年・一昨年と実施してきました。ヨーロッパではロンドン、日本では東京と大阪でもイベントを開催しています。
―今後特に力を入れていきたいことや、目標・展望について教えてください。
近年、企業が求める人材像には変化が出てきています。これまでは日英バイリンガル人材へのニーズが高く、日本語と英語の両方を高いレベルで使える人材を求める企業が多く見られました。一方で、特にトロントなどの現地日系企業では、日本語が必須ではなく、英語を中心に業務ができ、日本企業のカルチャーを理解して馴染める人材を採用したいという声も増えています。今後は、日本語力を前提としない企業に対しても支援の幅を広げ、日系企業で働くことに関心を持つ現地人材とのマッチングにも力を入れていきたいです。
―新しい取り組みやイベントについて教えてください。
現在、10月4日にノースヨークのノボテルホテルで、日系企業を中心とした就職イベント「Career Connect in Toronto 2026」の開催を予定しています。

昨年はトロント大学で開催し盛況でしたが、学生以外の方にとってはやや参加しづらい面もあったと感じています。そこで今年は学生だけでなく、中途採用を希望する方や現地就職を目指す方も来場しやすいようホテルでの開催を決めました。ノースヨークは日系企業関係者も多い地域と聞いており、より多くの企業と求職者の方に集まっていただければと思っています。
これまでは11月開催のボストンキャリアフォーラムにつなげる形で、10月にトロントで開催する位置づけが中心でした。ただ、トロント近郊にお住いの方にとってはボストンまで行くのは大変ですし、今後はトロント独自の就職イベントとしてより気軽に参加できる場に育てていきたいと考えています。将来的には春と秋の年2回程度の開催も視野に入れています。また、バンクーバーでも大学生の日本人留学生会が中心となる就職イベントを支援しており、カナダ国内での展開にも引き続き挑戦していきたいと思っています。
―ご自身について伺います。ご出身からこれまでのご経歴まで、お聞かせください。
出身は東京都大田区です。大学卒業後は制作関連の仕事に就きたいと考え、テレビ制作に携わる会社で働いていました。しかし、以前からアメリカに行きたいという思いがあり、資金を貯めて留学を決意しました。限られた予算の中での留学だったため、最初はアイダホ州の大学の語学学校で英語を学び、その後、奨学金制度が充実していたコロラド州の大学院へ進学しました。
大学院では言語学や第二言語習得を学び、卒業後は教授から日本語講師の仕事を紹介いただき、アメリカの大学で働く道を選びました。マサチューセッツ大学アマースト校、ミシガン大学アナーバー校で勤務した後、転職を考える中で、求職者として利用していた「CFN」と出会い、当時のディスコインターナショナル(現 キャリタス USA)に2011年に入社しました。
私自身はアメリカでの現地採用としてキャリアを築いてきたため、駐在経験はありません。弊社においては、以前は日本本社からの駐在員がニューヨークオフィスに在籍していましたが、現在は帰任しており、現地採用のメンバーだけで運営しています。ニューヨークオフィスは現在7名体制です。
―これまでで特に印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
最も印象に残っているのは、コロナ禍で就職イベントを全面的にオンライン化した経験です。ロックダウンや在宅勤務の広がりにより、対面イベントが一切実施できなくなり、すべてをオンラインで行うという大きな転換を迫られました。
イベント開催にあたっては、東京の代官山にスタジオを借り、企業の人事担当者によるオンラインセミナーを配信しました。著名な登壇者にも協力いただき、キャリアに関するさまざまなセミナーを実施しました。試行錯誤の連続でしたが、この経験は現在のサービスづくりにも生きています。
―お仕事を進めるうえで、大切にしていることを教えてください。
私たちが最も大切にしているのは、北米で学ぶ留学生や日系企業で働くことに関心のある現地人材がグローバルな舞台で活躍する機会を提供することです。同時に、北米に進出する日系企業が現地で本当に力になる人材を採用できるよう支援することも重要だと考えています。求職者の方々と真摯に向き合い、どのようなキャリアを築きたいのかを丁寧に聞くことを大切にしています。
また、企業側が求める人物像も時代とともに変化しています。AIの登場など環境変化も踏まえながら、今後も本当に必要とされるサービスを提供していきたいと思っています。

―好きなスポーツや趣味、休日の過ごし方を教えてください。
学生時代からサッカーをしていて、以前はニューヨークでもフットサルを楽しんでいました。テニスも好きですが、子どもが2人できてからはなかなか時間が取れません。妻もフルタイムで働いているため、家事や育児を分担しながら過ごしています。今は子どもと遊んだり一緒に体を動かしたりすることが、自然と日々のエクササイズにもなっています。
もう一つの趣味は写真撮影です。以前はニューヨークの街を歩きながらよく風景写真を撮っていましたが、最近は子どもの写真や、子どもの友人の誕生日会で写真を撮る機会が増えています。撮った写真をほかのご家族に送ると喜んでもらえるので、今はそうした形で写真を楽しんでいます。
―これから挑戦したいこと、あるいは今後ぜひ実現したいことはありますか。
カナダがとても好きなので、いろいろな場所を訪れてみたいと思っています。特に行ってみたいのがケベックで、紅葉の時期に訪れたいですね。ただ、ちょうど9月から10月は私たちのイベントシーズンと重なるため、なかなか予定が合いません。いつか必ず行きたい場所の一つです。 また、ブルージェイズの試合もぜひ観に行きたいと思っています。
― 最後に、商工会会員の皆様へメッセージをお願いします。
トロントで開催するイベントを通じて、これまで多くの方と出会う機会に恵まれました。商工会の皆様には新しいことに前向きに挑戦される方が多く、いつも大きな刺激をいただいています。今回トロントでイベントを始めるきっかけをいただいたのも地域の皆様とのつながりでした。その後も多くの方にご協力いただきながらイベントを開催しており、本当に感謝しています。今後も商工会のイベントなどにできるだけ参加し、交流を深めていければと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。