Sekisui Canada Modular Solutions Inc.
CEO 木藤昌俊氏

今回は積水カナダモジュラーソリューションズ(Sekisui Canada Modular Solutions Inc.)の木藤昌俊社長にお話を伺いました。
オンタリオ州バーリントンの工場を拠点に、積水化学が日本で培ってきたモジュール式住宅の技術と品質をカナダへ、鉄骨による3Dモジュール建築の事業展開を進めています。カナダでの事業の特徴をはじめ、前任地であるタイでのお話しなども伺いました。同社は2026年3月に商工会へ入会しました。
―御社の事業内容について教えてください。
当社はカナダ・バーリントンに工場を構え、鉄骨によるモジュール式住宅を製造しています。モジュールを建設業者の方へ販売することもありますし、当社が現地まで運び、組み立てまで行うこともあり、案件ごとに柔軟に対応していく方針です。
―モジュールとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
工場の中で鉄骨の柱や梁を使い、住宅を3Dの箱型のモジュールとして組み立てます。外壁、窓、ドアなどもすべて工場内で取り付け、その完成した箱型モジュールを現地へ運ぶという工法です。幅は狭い方でも3メートルを超え、長さは12メートルほどの箱まで製造できるようになっています。それをトラックに載せて現地へ運びます。
―御社の強みについてお聞かせください。
当社は積水化学の出資により子会社として立ち上がりました。積水化学は50年以上にわたり、日本でモジュール式住宅を販売してきた実績があります。その経験と、いわゆる「ジャパンクオリティ」と呼ばれる日本製品ならではの品質の高さを、カナダでアピールできることが一番の強みだと考えています。

―今後、特に力を入れていきたいことや目標について教えてください。
会社が設立されたのは昨年11月で、まだできたばかりです。カナダでは住宅不足が課題となっていますが、まずは公共建築物に取り組んでいきたいと考えています。たとえば、ポータブル式の学校教室の入札案件などがありますので、そうした案件を確実に獲得していきたいです。また、防衛関連施設や警察関連施設など、公共施設に関する問い合わせもありますので、まずはそうした分野で実績を積んでいきたいと考えています。
もう一つ注目しているのが賃貸住宅です。カナダでは冬の気候の影響で建築現場の工事が遅れたり、人件費が高騰したりする課題があります。工場で建物を製造することで、そうした課題を解消し、品質の良い建物をより多く提供していきたいです。カナダで一番評判の良い会社を目指すということを、社員と話しています。
当面の目標は、まず実績をつくることです。まだ実際に建てた建物がありませんので、まずは一棟でも早く建てることが短期的な第一歩だと考えています。
―カナダ以外の海外展開についてはいかがでしょうか。
モジュール式住宅は、工場で家をつくるという特殊な建て方ですので、海外展開は簡単ではありません。ただ、積水化学としては15〜16年ほど前にタイへ進出し、現地でモジュラー式住宅の事業を行っています。私自身もカナダに来る前は、タイで6年半ほど責任者を務めていました。
―特筆すべきニュースや新事業・新製品などがあれば教えてください。
工場で家をつくる事業を行うには、さまざまな許認可が必要です。そのうち事業に不可欠な3つ目の認可を今月取得できました。これにより、お客様に対して、当社がモジュール建築を行う資格を備えていると胸を張ってお伝えできるようになりました。
―モジュール建築は、カナダでは一般的なのでしょうか。
鉄骨を使った3Dモジュールを手がけている会社は、カナダでは限られており、ほとんどありません。必要な場合には、アメリカから輸入して建てているケースもあります。
一方で、木質パネルを工場で製造し、現場で組み立てるタイプのモジュール建築を行う会社はいくつかあります。当社のように箱型にして運ぶ工法とは異なりますが、それもモジュールと呼ばれています。公共施設では、納期を守りやすいという特徴から、モジュール限定の入札案件もありますので、カナダでは一定の需要がある業界だと思います。
―木藤社長ご自身について伺います。まず、ご出身からこれまでのご経歴を教えてください。
出身は大阪で、大学まで大阪で過ごしました。積水化学は本社が大阪でしたので、大阪にいられると思って入社したのですが、入社後はすぐに東京勤務となり、そこから長く東京で働くことになりました。東京では、最初に積水化学の住宅部門で住宅営業を8年半ほど担当しました。その後、本社に異動し、地域の販売会社を監督する立場として、営業を支える本社スタッフの仕事を20年近く務めました。
その後、タイに赴任しました。それまで営業の経験が中心でしたが、タイでは工場の責任者を任されることになり、6年半ほど工場運営に携わりました。そして、次の赴任地がカナダです。
―タイでのご経験はいかがでしたか。
私が赴任した当時、タイの事業はある程度進んでいましたが、赤字が続いていたため、黒字化が大きな課題でした。売上を大きく伸ばすというよりも、コストをいかに削減するかに注力しました。住宅の販売棟数をもっと増やしたいという思いもありましたが、そこはなかなか思うようにいかず、非常に苦労しました。それでも、最終的には黒字化できましたし、営業しか経験していなかった自分にとって、工場運営を学ぶ非常に良い経験になりました。
生活面では、バンコク市内に住んでいましたが、日本の文化やサービスもかなり根付いていて、日本とあまり変わらない生活ができました。年中、半袖や短パンで過ごせる気候も含めて、非常に暮らしやすかったですね。
―これまでで特に印象に残っているプロジェクトはありますか。
やはりタイでの経験が一番印象に残っています。限られた人数で効率よく運営し、お客様からの注文をできるだけ早く仕上げ、早く売上につなげることに力を入れていました。その取り組みが、特に印象深いですね。
―お仕事を進める上で大切にされていることや、経営方針について教えてください。
大切にしているのは、「良いところを探す」ということです。仕事においても、一緒に働くメンバーに対しても、美点を見つけることを意識しています。経営方針としては、とにかく「評判の良い会社」を目指したいと考えています。売上や利益は、お客様からの評価の結果としてついてくるものです。製品の品質はもちろん、スタッフの対応も含めて、評判の良さを大切にしていきたいです。

―お好きなスポーツや趣味、休日の過ごし方について教えてください。
スポーツではゴルフをよくします。タイにいた頃は、年間80ラウンドほど回っていたと思います。カナダに来てからも、皆さんにお誘いいただいて何度か行きました。ただ、タイでかなりゴルフをしましたので、カナダでは少し控えめにしようと思い、こちらに来てすぐ自転車を買いました。休日は自転車で近場を走ることが、新しい過ごし方になっています。
あまり遠くまで行くと、体力が足りずに帰ってこられなくなるのが少し心配なので、今は近場を中心に走っています。湖のほとりをふらっと走るような感じですね。カナダは日本ほど暑くなく、爽やかでとても良い気候だと感じています。
―カナダでのゴルフ環境はいかがですか。
非常に気軽に行ける印象です。自分でセッティングして、あまり気を使わずに楽しめるところが良いですね。タイも気軽にできると思っていましたが、カナダはそれ以上に気楽にできるように感じています。
―カナダでの生活はいかがでしょうか。
特に困っていることはなく、充実しています。私は料理が好きなので、休日に料理をしたり普段も自分で作ったりすることが多いです。食材を用意する面でも特に困ることはなく、楽しく過ごしています。
―今後、カナダ駐在中に挑戦したいことはありますか。
まだ具体的に大きな挑戦があるわけではありませんが、自転車はもう少し本格的に楽しみたいと思っています。まだヘルメットも買っていないので、きちんと準備をして、ロードバイクと言えるくらいの遠出ができるようになりたいですね。
―最後に、商工会会員の皆さまへのメッセージをお願いいたします。
当社は昨年11月に設立され、私自身は今年2月中旬に赴任しました。赴任からそろそろ半年ほどになりますが、商工会の会合にも参加できる時には参加させていただき、皆さまとお話しする機会をいただいています。少しずつ顔を覚えてくださる方も増えてきましたが、まだまだ新参者ですので、ぜひ今後ともいろいろな形で交流させていただければと思います。
また、当社は住宅・建設に関わる事業を行っていますので、日系企業の皆さまと仕事の面でもさまざまなご縁があるのではないかと考えています。材料の品質やサプライヤーの皆さまとの連携など、多くの場面でお力添えをいただくこともあると思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
―本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。