トロント街角めぐり ネイバーフッドホッピング  

フリーランスライター 三藤あゆみ

トロント市内に点在するエスニックタウンやローカル色の濃い商店街を“ネイバーフッド”と呼びます。世界各国の料理が味わえ、輸入雑貨や食材があふれるエスニックタウンのほかに、アートコミュニティ、ファッションディストリクト、学生街、ゲイタウン、ビーチーズ地区など、商店街のビジネスオーナーたちのこだわりや住人のライフスタイルが反映されるネイバーフッドが30ヵ所近くあります。マルチカルチャーな都市ならでの醍醐味、週末を使ってそんな街角巡り、ネイバーフッドホッピングに出かけてみませんか。


第26回 リバティーヴィレッジLiberty Village
ビクトリア時代の工場跡で地ビールを



フリーランスライター 三藤あゆみ


リバティーヴィレッジ(Liberty Village)は、ビクトリア時代の工場跡やレンガ倉庫などを修復、改装して作ったロフトスタイルの住居や店舗、スタジオ、ギャラリーなどが集中するとても絵になる一角です。

トロントの西の端、King Street WestとGardiner Expresswayの間、東西はStrachan Avenue とDufferin Street に挟まれたエリア。この界隈は古く植民時代から開発されていたにもかかわらず、1970年代、80年代には廃墟のような寒々しい街並みと化していました。

世界大戦の時代には、軍の装備や兵器を製造する工場があったそうで、再開発をはじめる前に土壌汚染を処理し、古い建物を修復する作業が必要で、それも再興に時間がかかった理由のひとつと言われています。

今では、若い世代のメディア関係者、デザイナー、アーティスト、ハイテク関連のプロフェッショナルたちが好んで住み活動するコミュニティが形成され、30年ほど前の風景しか知らない人にとっては別世界です。

トレンディなパブやレストラン、カフェ等が集中するので、若い世代がトロントのダウンタウンで飲み会をしようというときには必ず候補にあがるネイバーフッドとなっています。

リバティビレッジには、カナダのさまざまな地ビールが飲めるパブやバーがいくつもあります。Local Public Eatery(171 East Liberty St)、Brazen Head Irish Pub(165 East Liberty St.)、Vespa Pizzeria (167 East Liberty St.)などは、ビールの種類が豊富なだけでなく、つまみや食事にも力を入れているので、お酒を飲まない人も楽しめます。

なかでもLocal Public Eateryというパブは、ブーツの形をした大き目のジョッキが名物で、ビールによく合うフィッシュタコスなどメキシカン系の料理がローカルに人気です。食材にも凝っていて、フリーレンジエッグ(放し飼いの鶏の卵)や、自家製の焼きたてのバンなどを使っているそうです。


リバティビレッジでビール以外に最近注目されているのが、夏季に駐車場で開かれるファーマーズマーケットと、旅行者や短期滞在向けのバケーションコンドです。

ファーマーズマーケットは、6月から10月終わりごろまでの日曜日に、Hanna Ave にあるGreen P(緑マークの駐車場)で開かれ、トロント周辺の農家が採れたての野菜や果物、ハーブ、自家製のフルーツパイなどを販売しています。

バケーションコンドは、ダウンタウン中心にあるホテルより安く、設備の整ったキッチンやバスルーム付きでアットホームな感じがするためか、トロントでも最近利用者が増えているそうです。リバティビレッジはまだ新しい建物が多いので設備がとてもきれいです。

さて、この一帯がリバティヴィレッジと呼ばれるようになったのは、20世紀初め頃にまで遡ります。現在のLiberty Street に沿って、19世紀終わりごろから、中央刑務所と女性対象の少年院がありました。刑期を終えて出所する人々が最初の一歩を踏み出す、刑務所のすぐ前の道が「自由の道」つまりLiberty Streetと名づけられたのだそうです。

これからビールの美味しい季節、リバティビレッジへ行く機会があったらぜひ様々なカナダの地ビールを試してみてください。この夏には、バンクーバーで人気のブリュワリーパブBig Rock Breweryもオープンするそうです。

リバティビレッジの飲食店については、コミュニティのウェブページhttp://www.libertyvillagetoronto.com/businesses/wpbdm-category/food-and-beverage にリストが掲載されています。











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