リレー随筆



ポッパイ Louisiana Kitchen

NGK INSULATOURS OF CANADA, LTD.   岡野 祐也


カナダに来て良かったことは、ポッパイと出会えたことである。

ポッパイとはアメリカを代表するフライドチキンチェーンである。トータルでの店舗数こそKFCには及ばないが、ことトロント周辺に関してはその集積密度たるや凄まじく、地下鉄に乗って出かけると、だいたい行きか帰りのどちらか、もしくはその両方で見かけることができる。

正式名称Popeye’s Louisiana Kitchen。名前の通りニューオーリンズ発祥だが、その遍在性ゆえに、トロントフライドチキン界のTim Hortonsと言って差し支えないだろう。表記上Pは重なっていないが、私に「ポッパイ」を教えてくれた友人に敬意を表し、促音を入れて皆様に紹介した い。

ポッパイは人々の心を惹き付けてやまない。2019年11月には、期間限定販売のチキンサンドウィッチを求める客同士の口論を発端とした殺人事件までアメ リカで起きている。日本には横須賀米軍基地内に一店舗あるのみだが、年に数回の開放日を心待ちにしている邦人も多いと聞く。

ポッパイをその他のフライドチキンから差異化せしめているものは、味だろう。ひとことで言えば、美味しいのである。KFCと比べると、衣が非常にサクッと していて香りも良い。ファミチキとの比較で言えば、圧倒的な肉々しさと満足感が売りだ。きっと、厳選された素材を用い、客が来るタイミングを計算して、新 鮮な油で揚げた、出来立ての品を提供するようにマニュアルがあるに違いない。

衣の味付けについて、スパイシーかマイルドか選べるようになっているが、マイルドを注文してありったけのホットソースをかけて食べるのが、通の食べ方であ る。脚および腰肉なら、迸る肉汁がホットソース・肉・衣の織り成す複雑な甘みと辛みを増幅させ、これが途轍もなくウマい。

しかしながら、いくつかの店舗のフライドチキンを食べてみて、微妙に味が異なることに気付いた。揚げるのは人の手である以上、作り手のコンディションが影 響するだろうし、購入するタイミングにもよるのだろうが、皆様にポッパイを紹介する為に筆を執った以上、各店舗の味のブレまで検証する必要があると考える に至った。よって、最後に、目下のロックダウン下で手に入った3つの店舗のフライドチキンを比較してみる。

まずはミシサガのDixie x Eglintonで購入したこちら。業務引継ぎの為オフィスに行った際に店頭で購入した。トロントにいた4年間で最も足繁く通ったポッパイである。上記で紹介した通りの、自分の中の平均的ポッパイ。

chicken1
(1月17日 チキン単品5pcsとホットソース)

次にRunnymede x Bloor。油がやや酸化しているのか、ミシサガほど香りがよくない。昨年オープンしたばかりで、マーケットの情報がまだつかみ切れていないのかもしれない。

chicken2
(1月18日 チキン4pcsコンボ)

最後に Dufferin x Bloor。3店舗の中では最もGoogle評価が高く、Runnymedeの店よりも美味しいが、衣がやや固い。
chicken3
(1月19日 チキン3pcsコンボ)

纏めると、ミシサガのポッパイが最も衣の食感・香り・味すべてにおいてダウンタウンの店舗に勝るという結果になった。都心部では激戦区の為、決まった時間の固定客が少なく、在庫が出やすいということもあるだろう。

しかしながら、人によっては油の少ないヘルシーなものや、味付けの好みもあるだろう。是非あなたのお気に入りのポッパイを見つけて欲しい。






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