とりりあむ特別企画



ワーホリ・留学生に聞く パンデミック中のカナダ生活

今 回はとりりあむ特別企画として、パンデミックの中、カナダで頑張っていらっしゃるワーキングホリデー・留学生の方々5名にオンラインにてお集まりいただ き、生活や学校、仕事について取材をしました。これからの時代を担い夢を持って日本からカナダへ来た皆さん、このような苦境の中でも物事をポジティブに考 える姿勢は、とてもたくましく見えました。

インタビュー:伊東 義員

※このインタビューは2020年12月に実施したものです。

<取材協力>

mikamisan見上 真由子さん
神奈川県出身。今年の8月下旬に学生としてでカナダへ。現在はセネカカレッジで幼児教育を専攻。日本食レストランのサーバーとしてアルバイトをしている。



fujitasan藤田 早希さん
大阪府出身。今年の1月半ばにワーキングホリデーとしてカナダへ。8月に語学学校を卒業した後、現在は日本食レストランのサーバーとしてアルバイト。ビザ満了に伴い、2021年1月帰国予定。



isonosan磯野 淑美さん
神奈川県出身。今年の1月にワーキングホリデーとしてトロントへ。最初の3ヵ月は語学学校へ行き、7月頃から今の仕事、コンテンツレビューアナリストとしてフルタイム勤務。ロックダウンは以降、在宅勤務。


yoshimurasan吉本 くるみさん
大阪府出身。4年前にワーキングホリデーでカナダへ。その後、学生ビザに切り替え、現在はコンテンポラリーダンスの専門3年生。来夏卒業予定。ワーホリ時代から続けているカフェで現在もアルバイトを続けている。


yoshimurasan吉村 美香さん
2018年4月にカナダへ。語学学校などを経て現在はジョージブラウンでリベラルアーツを専攻。日本食レストランでアルバイトをしている。



-皆さん、本日はお集まりいただきましてありがとうございます。今日は、皆さんが今年希望を持ってカナダへ来られている中、パンデミックとなってしまい、どんな苦労をされているのか、また商工会として何か出来る事はないかということでお声かけをしました。

お そらく、横の繋がりもなかなかとれない中、ちょっと話をしてみたいなとか、ワイワイしてみたいなという気分もあるのではないか?ということで、前半で色々 お話を伺った後、後半は今日参加されてる方々へ聞いてみたいことなどあれば、雑談で構いませんので、ネットワーク作りにもなればと思っています。今日は気 楽に話をして下さいね。

(一同)よろしくお願いします。

-数年前からいっらしゃる方、今年いらっ しゃった方それぞれですが、今年の3月からいきなりパンデミックとなり、私の知る限りでは多くのワーホリの方や留学生の方が日本へ帰られました。特に4月 5月は総領事館からも極力帰国をするよう通知がでたこともありました。その環境で、皆さんがカナダへ残ると決めた背景や理由、また、決めた理由が今まで ちゃんと出来ているかということについて、お聞かせ下さい。

吉村)実は私は3月のパンデミック直後 に、日本へ一時帰国をしました。その時は既にカレッジに在学をしていたので、荷物もカナダへ置いてある状態でした。学校もオンラインに移行されたので、日 本から受講することも可能でしたが、時差が問題でした。アルバイト先も7月から再開されるということだったので、もう一回トロントへ戻ろうと思い、戻って きました。

-トロントへ戻ってきたのは夏ごろですか?

吉村)そうですね。日本もカナダもどちらも大変な状況ですけど、カナダでも色々な人と出会ったり、アルバイトなどで自分で稼ぐということもしていたので、戻ってきて良かったと思っています。

見上)私はパンデミックが始まった3月はまだ日本にいました。本来なら今年の5月 に入学予定でしたが、9月に延長しました。私の意思として、5月に来たいというのはありましたが、送り出してくれる親や親族のことを考えると、ロックダウ ンと言われているところへわざわざ行くということは、自分だけの責任だけではないというのがありましたね。なので延長を決めました。8月下旬にチケットも 取れたので、そのタイミングでカナダへ来ました。

-8月下旬に入国する際、何かトラブルなどはありませんでしたか?

見上)ありました。当時は成田から1日1本の便しかなく、カレッジの授業はオンラ インでも受けられる状況だったので、チェックイン時に「今カナダへ行くことが必要なのか」ということでひっかかり、カナダの領事館へ私の学生ビザは大丈夫 なのか?と確認をさせられました。その時は、ひやひやでしたね。

-9月から学校が始まってみてどうですか、思った通りですか?

見上)オンラインで受けることが初めてだったので、難しさはありました。始めのほ うは、生徒が一人もカメラをオンにしてませんでした(笑)。それも徐々に解消され、今はカメラをオンにする生徒も増えてきています。セメスターが半分くら い終わったところで、ようやく「授業を受けている」という実感がわいてきましたね。

吉本)私は4年前にトロントに来ました。始めはワーホリでしたが、学生に切り替えました。実はパンデミックがなかったら、求職活動をして他の国へ行こうかと思っていました。でもそれが出来なくなってしまった。

日本へ戻るかカナダへ残るかとなった時に、飛行機のチケットを見ていたら、$400位でしたの で絶対日本へ帰ろう!と思いつつ、もう一日待ってみようと。それで次の日に確認したら、金額が倍以上になっていました(泣)。これはもう、カナダに残れっ てことなんだなと思って、残ることを決めましたね。私はダンスの専門学校なので、オンライン移行時に辞める子も沢山いました。

-授業はいつから再開しましたか?

吉本)普段は9月からですが、10月後半くらいでした。

藤田)私はパンデミックが始まった頃、語学学校で仲の良かった子達を含め、友達はほとんど帰ってしまいました。加えて母から帰ってきてほしいと懇願され、飛行機のチケットも安かったので、帰国すると腹をくくっていました。

でも、就職してからの5年間、ずっと母親に海外に行きたいと言い続けてやっと叶ったということ、カナダへ来てからまだ2ヵ月しか経っていなかったというこ と、さらには日本へ帰ってもやることが一緒ならどっちへ動いても正解、不正解がわからないと友人に後押しされ、ひとまず学校のオンライン授業が終わる7月 まではカナダへ残る、ということを母親に説得しました。

-お母さん、泣いてませんでした?

藤田)毎日のようにコロナにはかかってないか?と連絡がありました。外に出れない状況なので、安心して欲しいと毎日言い続けました(笑)。

磯野)私の場合は3月末にちょうど語学学校が終わって働くぞ!というタイミングでロックダウンになってしまいました。友達もみんな帰りましたが、私はなぜ か大丈夫だろうと思っていて。というのも、最初で最後のワーホリと決めてきたのでなかなか後に引けなかったのと、ポジティブに考えた時に、日本人が減った 分、少し落ち着いた時に求人なんかもあるんじゃないかと。様子見という感じで残りましたね。


-思っていた通りになりましたか?

磯野)そうですね。今の仕事はどっちかといえばオフィス系ですが、当時はまさかオフィス系の仕事ができるとは思っていなく、予想外の仕事ができたので結果的には良かったです。

-皆さんそれぞれの状況で、残ってよかったなと思われているので安心し ました。次に学校についてお聞きします。今までオンライン授業というのは日本でもカナダでもそれほどポピュラーではありませんでした。そのような中いきな り移行となり、実際どのような感じで授業を受けているのか状況をお聞かせ下さい。現在学校に通っているのは吉本さん、見上さん、吉村さんの3名ですね。

吉本さんのダンスのコースは、オンラインでどのようにやっていますか?

吉本)私は3年生なので、机上はほとんどなく完全に身体を動かす授業です。リビングで家具を全部どけて踊ってます(笑)。色々なタイプのクラスを朝10時 くらいから夜6時くらいまで昼休憩を除いて、ずっと踊っている感じです。クラシックやコンテンポラリーのテクニック、また今までステージで行っていたパ フォーマンスも全てオンラインでやっていますね。

カリキュラムも少し変わり、フィルムの編集の勉強なんかもしています。3年生の卒業制作として、個人の振付作品を作ってステージで発表するというのが一番 の大きな課題としてあります。それが全てオンラインになったので「編集」というダンスとは別の技術が必要とされるようになって、今はそれを学んでいます。


-教える先生方も大変でしょうね。オンラインで教えてもらうのと、対面で教えてもらうのとではどうですか?

吉本)全然違います。でも、だからこそ学べることや発見もありますね。例えば画面だと集中できないなど、メンタルの研究をみんなでしたり。クラスサイズも 10人程なので、先生が一人一人とコミュニケーションを取ったり、気持ち的に下がらないように学生どうしでもコミュニケーションを取り、学んだことについ てコンスタントに喋ったりと、できるだけポジティブにオンラインクラスを続けられるようにというのは、すごい感じます。

interview

見 上)私の専攻は幼児教育なので、現場実習で実際に幼稚園やデイケアに行くというのがありましたが、全部なくなりました。代わりに、カレッジ付属の園がある ので、先生が撮影してきたビデオをもとに、観察実習ノートを書くカリキュラムになりました。変更したところはそれくらいで、卒業要件などの変更はないと思 います。

-いわゆる教育実習などの実地部分をそのようなカリキュラムに変更して補えるということになるんですね。

見上)卒業間近の生徒はおそらくそうなるかと思います。でも授業のアウトラインを見てみると、出席を評価のポイントにしている先生もまだいて。実際オンラ インでの出席はどのように判断するのか分からない部分もあります。中にはカメラをオフにしたり、回線の不安定なことを理由に参加しない生徒もいますから。 どのように私達の評価をしているのか、対面授業の時より見えづらくなったと感じています。

-オンラインプラットフォームは何を使用していますか?

見上)教授によってですが、ZoomかWebEXです。

-教授によって違うのですか?

見上)はい。学校がプロセスを作っているようなので、セキュリティー面では安全みたいです。

-なるほど。先生が使いやすい方を選べるんですね。吉村さんの学校はどうですか?

吉村)私の場合は、授業は基本アカデミックなので実技がなく、オンラインになることによる影響はそこまでありませんでした。クラスは50-~60人くらい生徒がいますので、先生が話をして、よくしゃべる生徒が喋ってというような感じですね。

-グループ学習などはありますか?

吉村)私のコースはブラックボードというプラットフォームを使用していて、先生がランダムに少人数グループへ分けられる機能があります。それを使ってグループ分けをし、また全体に戻してというようなことはやりますね。

-対面の方がいいなと思いますか?

吉村)クラスメートと会えるのというのは、やはりいいですね。一人で授業を受けるのは精神的にしんどいなと思う時もありますので。ただ、オンラインだと基 本レコーディングをするので、後で見返せるという点ではテスト前はとても役に立ちます。オンライン移行は全てが悪いわけではないと思いました。3時間の長 丁場の授業の時なんかも、レコードだと途中で止めることができるのでいいですね。

-オンラインには、そういったいい面もあるのですね。それではここで、お仕事についてお聞きしていきます。磯野さんはコンテンツアナリストということですが、どのように仕事が割り振られ、成果をあげていくのですか。

磯野)初めのトレーニングはZoomを使って、スライドを見ながら受けていました。今も会議などはZoomでやっています。仕事自体は、パソコンに向かっ てソーシャルメディアをチェックするので、在宅勤務になってもあまり影響はありませんでしたね。一日の目標チェック件数だけ与えられているので、それをク リアしたら自由時間です。

-もともとオンラインベースのお仕事なんですね。藤田さんはどうですか?

藤田)私は日本食レストランで8月からサーバーをしています。そもそも英語を中・高校でしかやってこなかったので、英語を話したいという目的でサーバーを 選びました。カナダで働いたこともなく、学校がオンラインに移行してからは自分の目標としていた英語力が伸びなかったのもあり、最初は働くことに躊躇しま した。今はロックダウンでお店もテイクアウトのみの営業なので、収入も減ってしまい、お客さんとの会話も定型文のみといった感じです。

-レストランの店内飲食が禁止となってしまったので、接客する機会も減ってしまいましたね。吉本さんはどんな仕事をされていますか。

吉本)私はワーホリの時からのカフェで働いています。最初のロックダウンから全てテイクアウトにしてお持ち帰りできる商品を全部並べ替え、ディスプレイも 替えました。1ヵ月くらいお店が閉まったりしましたが、カフェの商品は持ち帰りやすいんでしょうね、以前と変わらず忙しいです。

見上)私も日本食レストランでサーバーをしています。本当はカナダに来てすぐにでも仕事を見つけたかったのですが、なかなか見つからずで。Kijijiなんかの情報も全然更新されないので、レジュメを持って近所を歩いて回りましたよ。

-なかなか積極的ですね。パンデミックになり、人と話す機会など大幅に減ったかと思いますが、英語力を維持、向上するために何かしていることはありますか?

吉本)私は仕事や学校で英語を使っているので、そこまで機会が減ったとは感じていませんが、それに加えて、今Netflixのフレンズを観ています。机に向かって勉強ができないタイプなので、ドラマを最初から最後まで見返して楽しみながら勉強しています。

-ドラマを観るというのは、とてもいい勉強法ですね。他の皆さんはどうですか?

見上)私は英語を打つ機会は増えましたね。大人数でのオンライン授業だと、話すよりチャットで文字を打つほうが早いので。書くことも早くなったかなと思います。

interview
-なるほど。オンラインの飲み会がちょっと前に流行りましたが、みなさんは開催してますか?

見上)日本の友達とだと時差もあるので、なかなか難しいですね。

吉本)オンラインだと同時に話すことができないので、それがネックですね。飲んでると、みんな話したくなりますよね(笑)。

-友人とのコミュニケーションはどのように取っていますか?

見上)テキストかSNSで連絡を取ることが多いですね。パンデミックになってからは、みんな状況が変わったので、正直今は友達のスケジュールが分からないです。なので電話しようという感じにはならないですね。

-シェアハウスでの生活はどうですか?

吉本)私の場合、パンデミック以前にみんな帰国してしまったので、数か月間は一軒家に一人暮らしでした。すごく寂しかったですね。その後一人二人と入居して、今は各階に住んでいます。

藤田)私はコンドに住んでいます。3人用の部屋に3人で住んでいるので、寂しくないですね。

磯野)私はオーナーさんと同居しています。入居は2名できますが、コロナで1人帰国してからは誰も入ってこないですね。やっぱり寂しいです。仕事も在宅なので一日中喋らない日もありますね。今日、久々に誰かと話せてすごい楽しいです(笑)

-今現在、困っていることなどはありますか?

藤田)実は引っ越し先を探している時に詐欺に遭いました。まだ入居日が決まっていないのにデポジットを支払うよう言われて何も疑わずに支払ってしまったのです。その後、また支払いの催促がきて。その時にようやく、これはおかしいと思い、領事館へ相談しました。

警察にいくように言われたので行きましたが、そもそも警察が開いてなくて…オンラ インで被害届を出しました。証拠もオンライン上にアップロードしなくてはならず、処理は時間がかかりながらも、なんとかできました。でも、終わった頃には 時間も経ってしまっていて。結局お金も返ってきませんでした。

磯野)私はSINナンバーが悪用されていると詐欺の電話がかかってきたことがありました。始めは怖くて信じてしまいましたが、銀行情報を聞かれた時点で、おかしいと思って切りました。皆さんも気を付けて下さい。

-留学生を狙った住居関係の詐欺は残念な がら毎年起きています。ネットでの金銭のやり取りは一番危険なので、特に住宅関係は信頼できる人を介してなど注意が必要です。また、役所関係は電話ではな く、必ず書面でするというのが原則なので注意してください。一人一人が気を付けなければいけませんね。

では次に、皆さんから私達商工会や、日系 企業の方々への要望などありますか?といいますのも、以前は商工会事務所で駐在員の方を呼んで、企業の話を聞くという機会を設けていました。残念ながら今 年の春以降はできずに、皆さんのような若い方とお話する機会が取れなくなってしまいました。これが聞きたい、これが知りたい、などありますか?

見上)今日みたいな場を作ってもらえるといいですね。私の一番の悩みは金銭面です が、それはメンタルにもつながるので、今日みたいに話して消化すると前向きに繋がります。あとは情報です。私達に入ってくる情報はワーホリの人達、イー メープルやKijijiなどのインターネット、カレッジ生は、カレッジからといったようにそれぞれレイヤーになっています。企業の皆さんの情報のレイヤー は特殊にあると思うので、それを知れる機会があるといいですね。

-具体的にどのような情報がほしいですか?以前は働く留学生の方々へ、カナダの労働法なんかを教えたりしていました。

見上)そういう基本的な情報は大事だと思います。知らない誰かがSNSで同じことをつぶやいているのと、商工会の方々が発信してくださるのとでは情報の見方や信頼性も違ってくると思います。

-なるほど、わかりました。それでは、その他に何か皆さんへ聞きたいことなどありますか?

吉村)仕事について皆さんに質問していいですか?私も日本食レストランで働いていますが、店内飲食が禁止されてからは社員さんのみが働いているという状態なんです。飲食店で働いている皆さんは、どれくらいの頻度で働いていますか?

見上)私は週2、3日くらいですね。今、ワーホリの人が帰ってしまたので、それなりに働けていると思います。

藤田)私の友達は週5日から週1日になったと言っていました。チップも殆どないの で大変ですよね。私自身は週3日ですけど、逆にいうと週4日は何もないんですよ。学校も終わっているので課題も何もないし、外にも出かけられないしで、暇 で気が滅入りそうになっています。退屈がすごい苦痛です。

吉村)私は今まだセメスターがあるので、課題やテストで忙しいですけど、冬休みになったら学校もないので、どうしようかと思っています。

見上)人とも合えないし、学校もないので、何をしようかって考えちゃいますよね。

藤田)やることがない、というのが本当に苦痛。カナダにいてそうなると、すごく閉鎖的になってしまいます。

吉本)今、オンラインが主流となってきている中で、ワークショップやクラスを開催しているところが多いので、何か探して参加してみてもいいかもしれないですね。

藤田)オンラインクラスの情報なんて全然知らなかったです。私、外国人の友達がみんな帰ってしまったので、あまりそういった情報が入ってこないんですよ。

-そうしたら、何か情報が交換できる場が皆さんに必要だということですね。

吉本)是非Zoom飲み会でも開催してください!今日みたいに集まれる場所を設けていただけると、とてもありがたいです。

-わかりました。近々このような機会をま た設けましょう。気軽におしゃべりできる場として、お友達にも知らせてあげれば皆さんで情報共有できますね。気付けば予定時間を30分も過ぎてしまいまし たね。話足りない人もいるかもしれませんが、また次回にとっておいて下さい。今日はご協力いただきまして、ありがとうございます。








戻る