「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第
214回>


JETRO (Japan External Trade Organization) Toronto
ジェトロ(独立行政法人 日本貿易振興機構)トロント事務所 
斎藤 健史 所長


SAITOsan今 回はジェトロトロント事務所の斎藤健史所長にお話を伺いました。1956年の設立以来、60年以上もカナダで活動を続けるジェトロトロント事務所は、世界 4番目に設立されたジェトロの海外事務所です。コロナ禍の今、常に新しい情報を発信し、また、オンラインを駆使してのウェビナーや国を超えたビジネスマッ チングを実施されています。今後の活動についての貴重なお話もたっぷりお伺いしました。斎藤所長は8月に赴任、バンクーバ分室長も兼任されています。
(聞き手:酒井 智子)






-ジェトロの事業内容についてお聞かせ下さい。

斎藤)ジェトロは日本政府が設立した貿易投資促進機関で、現在海外55カ国に 76事務所、国内に48事務所を有しています。貿易促進機関というのは世界各国にありますが、国外だけでなく国内にもこれだけの事務所を有しているのは ジェトロだけです。各国において、その国と日本との貿易の促進、投資の促進に関わる事業を幅広く行っています。

ジェトロトロント事務所は、ジェトロの世界4番目の海外事務所として、1956年に設立されました。設立時の1956年は戦後11年後で、日本が復興のた めに海外への輸出を促進する中、カナダは非常に重要な市場と見られていたのではないでしょうか。それ以来、60年以上もカナダで活動しています。

カナダでは、トロントの他に、バンクーバーにも事務所を構えており、私が分室長を兼任しています。

最近のカナダでのジェトロの活動ですが、現在、カナダで活動する日本企業の最大の課題となっている新型コロナウィルス感染拡大の問題について、さまざまな取り組みをしています。

まず、コロナ問題に関する相談窓口を設置しました。コロナの感染拡大に対応し、カナダへ進出している日本企業のコロナに関連する労務や税務の問題への相談 窓口です。また、コロナに関するウェビナーを開催したり、各社の対応を把握するためのアンケートを実施し、結果をWebサイトで公開しています。
これに加え現在力をいれているのが、イノベーションの促進です。日本のスタートアップ企業がカナダに来て活動する、カナダのスタートアップ企業が日本で活 動する、あるいは日本企業とカナダのスタートアップ企業をマッチングをして、技術移転や出資、資本参加に結び付ける、といったことを促進する活動です。

最近、海外の技術をもったスタートアップ企業を探している日本企業が増えています。カナダは特にAI分野において、いい会社が多いという評判が日本でも広がっていて、私達がカナダの良い企業を日本企業に紹介するという活動もしています。

-具体的にどのようなことをされていますか。

斎藤)Collision(コリジョン)というWeb関連の技術をもった企業のカンファレンスがあるのですが、カナダ政府の誘致により、2019年よりトロントで開かれるようになりました。今年はリアルでの開催が難しいため2020年6月にバーチャルで行われました。

ジェトロでは、日本のスタートアップ企業によるミッションをCollisionに派遣する予定でしたが、できなくなったため、オンラインでの参加を支援し ました。実際に出張するより気軽に参加できるため、当初予定より多い10社の日本企業に参加いただき、カナダ企業とのオンライン商談をアレンジしました。

私は2018年まで、ジェトロの国内事務所であるジェトロ福岡に勤務していましたが、福岡はスタートアップ企業が多く、その中には海外を志向する企業もありました。そのような日本のスタートアップ企業がカナダに来るきっかけを作ることができればと思います。

また、日本企業がカナダのスタートアップ企業に対して、ほしい技術をプレゼンする というイベント、「Generating Innovation with Japan (GIJ)」と題したセミナーを2018年からやっています。こちらも2020年3月以降はリアルでの開催ができず、2020年11月よりオンライン上で 実施しています。

在カナダの日系企業、または日本本社等の方にプレゼンをして頂き、11月にはオンタリオ州と、12月にはノバスコシア州と協力をして各州のスタートアップ企業を紹介していただいて実施しました。

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一方、スタートアップ企業側の日本企業へのプレゼンを目的としたイベントとして、 カナダのライフサイエンス分野のスタートアップ企業が、神奈川県にあるライフサイエンスパークの日本企業に対してオンラインでピッチをする Discover Life scienceというイベントをシリーズで開催しています。時差の関係でカナダ側が夜、日本側が朝といった時間帯で行われます。

-まさにオンラインだからこそできる活動ですね。

斎藤)そうですね。もしオンラインでなければ、カナダのスタートアップ企業は時間とコストをかけて日本に渡航しなければならず、小規模な企業には参加が難しいのではないかと思います。

これに加えて、日本とカナダの地域間の技術交流を促進する活動も行っています。現 在は、オンタリオ州と相模原市のロボット分野の交流を推進しています。相模原市とオンタリオ州はロボット分野の企業が多いということで、2年前より始まり ました。昨年度には、相模原市の企業がトロントへ来て商談を実施しました。今年はオンラインでの実施を予定しています。

また、日本の企業のカナダ市場への進出の促進もしています。数年前より、海外の電 子商取引(EC)サイトに日本の製品を取り上げてもらうことを支援する活動をしています。カナダでは、日用品、雑貨専門のECサイトにJapan Mallというコーナーを作ってもらい、日本の製品を載せてもらうというキャンペーンを実施しています。

ジェトロが、商品を持っている日本の企業を紹介し、商談していただき、いいと思ったら扱っていただくという内容となっています。この事業は世界各国で行われいましたが、カナダでは今年から始めました。

また、日本酒の輸出の促進にも力を入れています。カナダには昔から日本食レストラ ンがありますが、日本酒については未だポテンシャリティがある市場と考えられています。昨年度はバンクーバーとモントリオールで商談会を開催しました。今 年はオンラインでのセミナーと商談会計画をしています。

-今後注力していきたいことについて、お聞かせ下さい。

斎藤)今年は世界中での対面での活動・商談がしづらくなっています。昨年までジェトロが出店していた国内外の展示会も、現在はほとんどがオンラインに切り 替わりました。ジェトロもそういった動きに対応していかなくてはならないので、ECサイトでの出品の促進ですとか、商談などをオンラインで行うということ ですね。

オンライン化にともない、いいこともあります。カナダもそうですが、国によっては日本からの出張にかなりのコストがかかる反面、それにみあう成果を出すの はなかなか難しいところです。しかしオンライン化によって、時差の問題などはありますが、出張費がかからない分、商談へ参加しやすくなったという面があり ます。

こういったメリットをうまく活用して、成果を出していかなければと思っています。コロナ終息後、以前のように出張や展示会ができるようになったとしても、 オンラインでのプラットフォームをうまく活用すれば、今までできなかった事ができるようになっていくのかと考えています。

saitosan-それではここで、斎藤所長ご自身についてお聞きかせください。ご出身はどちらですか。

斎藤)秋田県秋田市です。海外駐在は3回目で、1回目はドイツのデュッセルドルフに1992から1996年3年半程駐在、2回目は2006年から2009年にアメリカのアトランタにおりました。

-最初の駐在先のドイツでは、主にどのような仕事をされていましたか。

斎藤)東西ドイツが統一されたのが1990年で、私がドイツへ着任 した1992年にはまだ、東側と西側の格差があった時代でした。20年以上前の話ですので、現在は東西格差は少なくなっていると思いますが、当時はまだ西 側のようなホテルが少なく、ホテルへ泊まってもシャワーからお湯が出なかったり、夜あいているレストランがなかったりすることもありました。

そのような中、日本企業に旧東ドイツ地域の投資環境を紹介して、進 出を検討してもらうというようなことをしておりました。他の東ヨーロッパ諸国も同じ頃にに民主化され、経済をいかに立て直しするかをそれぞれ考えていたよ うな時代でした。そういった国から、日本企業に来てほしいという要望に応えるのが当時の最大の課題でした。

-ここでプライベートについても少しお聞きします。ご趣味は何ですか。

斎藤)映画鑑賞です。昔から映画が好きで、先日のトロント日本映画祭(TIFF)では5本観ました(笑)。本当はカナダの人向けのイベントなんでしょうけど、とても楽しませて頂きました。TJFFのようなイベントがたくさんあるといいですね。

あとは、歩くのが好きなので歩き回っています。知らない街を歩くのが好きで、旅行に行っても観光地巡りというより、歩いて街を散策しています。残念ながら、今は旅行もしにくい状況ですので、カナダへ来てからはまだどこにも行けていないですね。

以前の駐在地アトランタでは、車で移動することが前提となっていて、街中をあまり歩く機会がありませんでした。それに比べ、トロントは歩けるところが沢山あっていいですね。

-そうですね。トロントは路地裏に素敵なお店があったりしますね。歩いて散策すると、色々な発見があるので面白いですよね。カナダ駐在中にやりたいことはありますか。

斎藤)先程も申し上げましたが、旅行が好きですのでカナダ国内を旅行したいです ね。アメリカにいるときにトロントへは出張で2回くらい来て、ナイアガラの滝へ行きました。アトランタとトロントは規模的には同じくらいの都市だと思いま すが、その時思ったのはトロントは高層ビルが集中して多いということですね。

おそらくコンドミニアムに住んでいる割合がアトランタより多いので、街がコンパク トにまとまっている印象を受けました。アトランタは車で移動するのが前提となっていますが、トロントの場合、雪が降ると移動が大変なので、街が一か所にま とまり地下街も発達したのかと推測します。お酒を飲んだ後も歩いて帰れるので非常に便利ですね。(笑)

-それでは最後に、商工会会員の皆様へメッセージをお願い致します。

斎藤)相談窓口を開設していますので、何かありましたら是非ご利用下さい。ウェビナー等もやっており、日系企業様向けのものは商工会からもご案内を出していただいていますので、是非ご参加頂ければと思います。

-本日はお忙しい中、ありがとうございました。これでインタビューを終わります。

Jetro

 ジェトロ・トロント事務所 新型コロナウィルス関連相談窓口
https://www.jetro.go.jp/jetro/overseas/ca_toronto/info/20200403.html






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