あの人は今・・・ トロントOB便り



From ハノイ
三井住友銀行 ベトナム総支配人兼ハノイ支店長
遠山 達也



ト ロント日本商工会、『とりりあむ』読者の皆様、ご無沙汰致しております。三井住友銀行の遠山でございます。3年間に渡るトロント在任中は、皆様に大変お世 話になりました。商工会会長を2年間、何とか無事に務めることが出来ましたのも皆様のお陰です。トロントを後にしたのは、まだ第一波によるロックダウンの 最中であり、皆様にきちんと御礼を申し上げることもままならず、この場をお借りして、改めまして厚く御礼申し上げます。

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さて、2020年5月半ばにトロントから一旦日本に戻り、14日間の隔離期間の後、ハノイ着任の準備を進め、6月半ばにハノイ入りし、再び14日間の隔離措置を経て、7月より弊行のベトナム総支配人兼ハノイ支店長の任に就きました。

まず、一番身体に堪えたのは、気温と湿度の高さでした。かつて6年間を過ごした南国シンガポールの気候とも異なり、ハノイの夏は体感45度を超える日もあり、そして何よりも、トロントとは全く異なる湿度の異常な高さに結構苦しみました。

前 任との引継ぎが終了した7月下旬にベトナムでも新型コロナ第二波が発生、9月初旬までは、お客さまとのご面談やご会食も出来ない状態が続きました。然しな がら、共産党の支配するベトナムの危機管理は恐ろしく統制が取れており、第一波も、第二波も、短期間のうちに収束することとなりました。

ベトナムのロックダウンは、極めて強烈です。例えば、感染者の足取りの徹底的追跡 を通じて、感染者が勤務するオフィスや居住するコンドを丸ごと封鎖、監視カメラのチェックにより、感染者とエレベーターで乗り合わせただけで自宅隔離、感 染の疑いのある者と接触した者は全て、保健当局から指示があるまで自宅待機等、市中感染の封じ込めのために徹底的な措置を取ります。

というようなことを申し上げると、ギスギスしたイメージしか浮かばないかもしれま せんが、ベトナムの人々は、カナダの人々と同様、非常に優しくて親切です。平均年齢も30代前半と若く、教育にも熱心で、国としての勢いを感じます。ま た、女性の社会進出も進んでおり、弊行ベトナム拠点も職員の略8割が女性です。

新型コロナの影響下でもプラスの経済成長を維持し、IMFも2020年はベトナムが名目GDPでシンガポールやマレーシアを抜き、ASEAN第4位になると予想しています。

oysters日 系企業の進出も多く、日本商工会の会員数も、ハノイが約780社、ホーチミンが約1000社、ダナンが約130社と、ベトナム全体では1900社を超えて います。昨年10月、菅首相が、首相として初の外訪先としてベトナムを選ばれたのは、まだ記憶に新しいところかと思います。

日系企業の進出数が多いせいでしょうか、ベトナムは、和食のレストランが充実して います。特にハノイは、日本人オーナーシェフ系の居酒屋や割烹も多く、質はもちろんのこと、コストパフォーマンスも優れています。お店で働くベトナム人も 日本語が上手で、外国にいることを忘れるほどです。

もちろん、定番のフォー(ライスヌードル)や、ブンチャ(つけ麺)、バインミー(サンドイッチ)といったベトナムのローカルフードも美味しいのですが、和食がこれだけ安くて美味しいと、ついつい和食レストランに足が向いてしまいます。


beerそ して、食べ物といえば、やはり、お酒がつきものです。2018年の調査結果ですが、ベトナムは、ビールの消費量で世界9位にランクされており、330ml のベトナム産缶ビールが一缶50~60円程度で売られています。飲みやすい味で、暑い気候と相俟って、ついつい摂取量が増えてしまうのが難点です。


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ま た、ホーチミンの北約300Kmの高原地帯にあるダラットという街では、ワインの生産も行われています。シャトー・ダラットは、2017年にベトナムで開 催されたAPECの晩餐会にワインを供したワイナリーで、いろいろな種類がありますが、相変わらず自宅で料理をしつつ、一本1300円くらいのものを愛飲 しております。

世界中どこでも、お酒があって、料理さえ出来れば幸せに暮らしていけるというのは特技かもしれませんが、それ以上にベトナムは大きなポテンシャルを感じさせてくれる国であり、どこまで成長できるのか、これからの10年が本当に楽しみです。

日 本や韓国を初めとするアジアはもちろんのこと、欧米の大企業や投資家からの注目度も上がっています。一つの国家の成長過程をその只中で体感できるというの は、大いにエキサイティングであるとともに大変貴重な経験であり、日本の金融機関の一員として、この国のために、また、お客様のために、できることを一生 懸命やっていきたいと考える今日この頃です。

新型コロナは我々の生活を本当に大きく変えてしまい、各地とも大変な日々が続きますが、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げております。









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