「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー <第212回>
Sumitomo Mitsui Banking Corporation, Canada Branch
三井住友銀行 カナダ支店 茨木 寛 支店長

今
回は三井住友銀行カナダ支店 (Sumitomo Mitsui
Banking Corporation, Canada
Branch)の茨木寛支店長にお話を伺いました。日本やアジアを含めたグローバルネットワークを活かし、地元カナダの銀行にはないサービスと情報でお客
さまのお役に立ちたいというお気持ちを強く感じました。オンラインにてインタビューをしましたが、ダウンタウンオフィス14階からの眺めは、画面越しから
でもわかる程とても良い景色、和やかな雰囲気でのインタビューでした。休日はお子様とお料理を一緒にする子煩悩な茨木支店長、前任地大分を離れるに際し
「かぼす大使」に任命され、大分のPRも頑張りたいとの意気込みもお話し頂きました。
(聞き手 酒井智子)
- 御行の事業内容についてお聞かせ下さい。
茨
木)三井住友銀行カナダ支店ということで、オンタリオ・トロント近郊だけでなく、カナダ全域をカバーしています。地元カナダの大企業、また自動車関連を始
めとする日系企業のお客さまに対し、貸出や外国為替・送金・貿易といった一般的なホールセール銀行業務を行っております。また風力発電所やパイプライン建
設案件等プロジェクト・ファイナンスにも取り組んでいます。
-遠山前支店長にインタビューさせて頂いたのが2017年でしたが、この3年間で変化はありましたでしょうか。
茨
木)そうですね、ビジネスの規模は着実に成長を遂げておりますし、従業員数も僅かですが増えて現在73名です。SMBCグループとしては、SMBC
日興セキュリティーズ(カナダ)を設立し、証券業務も開始致しました。ですがそれ以上に、パンデミックの影響で相当数の従業員がWork
From Homeを続けており、仕事の仕方・コミュニケーションのあり方が変わらざるを得ないことの方が、より大きな変化ではないかと思います。
我々の場合、100%在宅勤務ということがなかなか難しく、20%程の従業員は出社しておりますが、7月
の当地着任以来、まだ一度も直接会えていない部下もいます。支店内での戦略や方向性の共有、企業文化や創造性の維持、或いは若手や新規採用者の教育といっ
た点で、非常に難しいなと感じています。昨年から、現地採用のカナダ人ヘッドと駐在ヘッドの共同支店長体制に移行したのですが、週に二日出社して顔を合わ
せる度に、あれやこれやと話し合っています。
-御行の強みについてお聞かせ下さい。
茨
木)やはり日本やアジアを含めたネットワークですね。特にカナダの顧客企業にとって、カナダの銀行にはない特徴として、グローバルなネットワークを活かし
た情報提供や、各地のSMBCグループ拠点と連携してのスムーズな商品提案は、我々ならではの強みだと思っております。
ま
た、ニューヨークにデリバティブや外国為替、トレードファイナンスや産業調査といった数多くの専門的な商品部隊がおります。お客さまも北米を一つの市場と
して縦横無尽にビジネスをしていらっしゃいますので、ウェブ会議等も駆使し、臨機応変に商品のご提案ができるよう心掛けています。
-今後、力を入れていきたい事業についてお聞かせ下さい。
茨木)やはり引き続き、カナダ企業のグローバル展開のお手伝い、あるいは日本をはじめとする海外企業のカナダ進出のサポート、というのが我々の大切な役割になってきます。
ですがカナダ経済は、石油やガスといった豊富な天然資源に支えられてきたところから、移民を受け入れて人口を増加させ、テクノロジーをはじめ様々な分野へ多様化を進めていこうとしている状態ですので、我々も常に新しいマーケットへの進出を考えています。
昨年トロントのMaRSというスタートアップ企業支援組織とパートナーシップ契約を結びました。今年もある新しい分野に踏み出しかけていたのですが、現在はパンデミックの影響を直接的に受けていますので、少し慎重に、改めて勉強しつつ、という段階です。
-それでは、茨木支店長ご自身について少しお話を伺いたいと思います。ご出身から今までのご経歴についてお聞かせいただけますか。
茨木)出身は兵庫県芦屋市です。いわゆる男子校の進学校へ通い、特に中学時代は丸坊主の青白い少年でした。大学から東京へ出て、いわゆる大学デビューを果たしちゃった感じです(笑)。無事に卒業させて頂き、三井住友銀行へ入行しました。
入
行後は海外10年、本店の人事部に10年、残りの5年くらいは国内の営業という経歴です。海外は、ニューヨークの人事に1年、ロンドンでは貸出審査や現地
法人の企画管理のセクションにいました。ロンドンは合計6年になりました。気が付けば、人事と海外を行ったり来たり、という経歴になりました。前任は大分
支店で支店長を2年務めさせて頂き、今年の6月にカナダへ着任し、現在に至ります。
-今までのお仕事で一番印象的だったことについてお聞かせ下さい。
茨
木)どのポジションでも印象深い仕事やお客さま、上司や同僚がたくさん思い出せるのですが、一番印象に残っているのは、やはり前任の大分ですね。銀行員人
生は長いのですが、お客さまから遠い仕事が多く、大分では久しぶりにお客さまとご一緒できたので、とても印象に残っております。
今
までお客さまがやったことがない新しい金融商品に取り組んで頂いたこともありましたし、先程お話したように大分のお客さまに海外拠点をご紹介したり、東京
や大阪の別のお客さまをご紹介したり、です。全てが上手く行ったわけでは全く無いですし、何かとお叱りを頂戴するお客さまがいらしたりといったことも勿論
ありましたけど。
何といっても美味しいものが豊富なところでしたので、お客さまや駐在支店長仲間と毎晩のように飯食ったり飲んだりも含め、本当に楽しくできた、充実した2年間でした。お蔭様で子供もすっかり大分弁になりましたよ。
娘が一人おりまして、ロンドンで5歳まで育ったのですが、その後東京に3年、大分に2年いる間に英語はすっかり忘れ、日本語もあっという間に大分弁です。(笑)
-子供の吸収力の早さには驚かせられますね。茨木支店長はパンデミック中の6月にカナダへ着任されましたよね。お子さんはもうカナダへ来られていますか。
茨木)はい。今グレード6です。学校も始まって、毎日楽しんでいます。
-ロンドンで幼少期を過ごされたということですので、英語も段々思い出してきた頃でしょうね。
茨木)何を言っているかは何となく分かるみたいですけど、喋るほうはそれなりに苦労をしているみたいですね。友達との会話は楽しんでいるみたいです。
-それでは、お仕事をしていく上で大切にしていることについてお聞かせ下さい。
茨
木)自分も含め、ひとりひとりが個性と力を発揮して、何かにチャレンジしていきたい、というのが基本的な考え方としてあります。それをするために、例えば
私が上司としてであれば、それぞれの良いところや力をしっかり伸ばしていけるようにしなければいけませんし、組織全体として少しでも正しそうな方向に向か
うよう、試行錯誤を重ね、沢山の会話や議論をして物事を進めていきたいと考えています。
また、何も考えずに日々が過ぎていくのを出来るだけ避けて、日々新しく、日々変化のある職場なり仕事でありたいと思っております。
-プライベートのほうでは、ご趣味はありますか。
茨木)昔はバックパック含め、旅行大好きだったのですが、子供が産まれてからは子供べったりです(笑)。父曰くパパっ子(笑)なんですよ。
ス
ポーツはするのも観るのも好きなんですが、はっきり言って運動神経良くないんです。ゴルフなんかもいつもブービー賞です。大好きなくせにです(笑)。大分
経済界でも、常にブービー賞を争っていました。良きライバル行の支店長と(笑)。あとランニングを週2、3回する程度でしょうか。頑張って10kmが精々
です。
-ジョギングは日本でもされていましたか。
茨木)至って最近、大分で太り始めたのがきっかけです。ジョギングを始めてからは、体重が増えるのは着実に止まりましたし、少しは健康になれた気がします。残念ながらゴルフへの影響はなくて、全く上手くなったりしていません(笑)。
-休日はどのように過ごされていますか。
茨
木)6月にカナダに来ましたが、まだ生活の立ち上げに四苦八苦しています。家具もまだ全然揃ってないですし。結婚してから今回が11回目の引っ越しで、常
に段ボールに囲まれた生活をしてきちゃいましたので(笑)、今回は早く片付けたいと思ってはいるのですが。早く片付けて、せめて週末1日ぐらいは料理もし
ていきたいなと思っています。
-得意料理などはありますか。
茨木)前任の遠山ほど上手じゃないです。調理器具も素人とは思えないほど沢山持っていたと聞いています。私が作るのは、トンカツとかアサリのスパゲティとか、ほんの数種類の定番ローテーションです。
-遠山前支店長は本格的な料理を作っていらしたんですね。でも、とんかつも工程が多いので自宅で作るのはたいへんでは?
茨木)子供と一緒に作るんです。トンカツの衣付や、ハンバーグなんかだと子供が捏ねてくれたりしますので、私は手を汚さずに料理をしています(笑)。
-お子さんと料理するなんて、素敵なお父さんですね。カナダ駐在中に挑戦したいことについてお聞かせ下さい。
茨木)英語をもう少し上達させたいです。大分でのゴルフの仇をカナダで討ちたいとも思っておりますし、カナダの大自然も満喫したいです。これから色々挑戦していきたいですが、まずは冬をどう乗り切れば良いのか、教えて頂きたいですね。
-最後になりますが、商工会会員の皆様へメッセージをお願いします。
茨木)今回パンデミックの中、私がカナダへいち早く入国できたのも、銀行業がカナダ経済にとってのエッセンシャルビジネス、ということでカナダ政府に配慮をお願いして頂いたお蔭と認識しております。
商
工会会員の皆様をはじめとする日系企業の方々や、あるいはカナダ経済全体に対して、本当にエッセンシャルな存在となれるよう、銀行としてより質の高いサ
ポートやアドバイス、また日本とカナダお互いへのPR、などを続けていければと思っております。今は、なかなか直接お会いさせて頂くことが難しい状況では
ありますが、是非とも早く沢山ご一緒させて頂ければと思っております。
前
任の大分を離れる際に「かぼす大使」というのに任命されております。銀行員ではありますが、日本の宣伝マンであり、大分の宣伝マンとしても頑張っていきた
いと思います。逆に日本に対しては、カナダの宣伝マンとして責任を果たし、いつの日か「メープルシロップ大使」か「サーモン大使」に任命して頂ければと
思っております。
-本日はお忙しい中、お時間を頂きましてありがとうございます。これでインタビューを終わります。
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