「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー


<第208回>

NGK Insulators of Canada, Ltd.

日本ガイシカナダ

President & General Manager 梅田 敦



今 回は日本ガイシカナダの梅田社長にお話を伺いました。私達の生活に欠かす事のできない電力、それを供給するために必要不可欠な「碍子(がいし)」をカナダ の電力会社へ半世紀以上に渡り販売されています。今後注力される大容量蓄電池のお話を始め、以前の赴任先であるベルギーとドイツのお話、また長年担当され ていた出張先台湾での興味深いご経験をお話頂きました。梅田氏には2020年度の理事を務めて頂いております。

(酒井)まずは御社の事業内容の紹介をお願いします。

(梅 田氏)我々の会社は碍子(がいし)という絶縁体をカナダのお客様へ販売しています。販売会社という位置づけですね。碍子は主に電力会社におさめられるので すが、主にセラミックスでできておりまして、電力会社の送電線や変電所で、電線の電気が送電鉄塔や変圧器などの変電所の設備に流れないようにするために使 われます。

日本とアメリカの工場で製造したものをカナダへ輸入し、それをカナダの電力会社や、電力会社に変電所の設備を納めている機器メーカーと言われる会社に納入するというのが主な事業です。

(酒井)碍子について詳しくご説明いただけますか。

(梅田氏)碍子は日本ガイシの社名にも使われている言葉ですが、一般にはあまり知られていない製品と思います。発電所で作られた電気は、変電所で電圧を調整し、鉄塔から鉄塔へ、電柱から電柱へと送られ、私たちへ届けられます。

電線 を直接鉄塔や電柱に取り付けてしまうと、電線から地面に電気が漏れて、電気を送ることができないんですね。そこで鉄塔や電柱に碍子を使うことにより、電気 を漏らさず、電線を支えることができます。電柱の上にある電線を支えている白いものや、鉄塔についている白いそろばんの玉のようなものが碍子です。

また、碍子は主に送電鉄塔で使用される「懸垂碍子」、変圧器などに使用される「がい管(がいかん)」、配電線に使用される「配電用碍子」と用途などによって種類がいくつかあります。

(酒井)御社の強みについてお聞かせください。

(梅田氏)カナダのお客様は非常に保守的で、高品質を求められる方が多いです。また、非常に厳しい品質管理基準を持っており、我々は日本メーカーであるということと共に、その厳しい品質管理基準にミートできる社内システムを持っているということです。

また、弊社は1968年にカナダに進出し、そこから半世紀以上の長い実績がありますので、お客様の電力会社様から高い知名度を得ているという点が弊社の強みですね。

(酒井)今後、力をいれていきたい事についてお聞かせください。

(梅田氏)碍子製品はまさに日本ガイシの祖業と言うべき製品です が、現在ではカナダの電力会社の設備投資も一巡しており、需要も低減しています。また、近年では競合メーカーも力をつけてきており、品質のみではお客様に 認めてもらえない状況が増えてきています。そこで、どのようにして生き残るのかという点が非常に重要になってきております。

そんな中、やはりお客様ともっと密に関係を構築し、なるべく価格競争にならずに、我々の良いところをどんどんPRしカナダのお客様からの要望に応えられるようにしていきたいと考えております。

もう一つ、伝統的な碍子製品以外に大容量の蓄電池を日本で開発しております。リチウムイオンバッテリーよりも多くの電力を貯めることができ、かつ寿命も長いというのが特徴です。

こ ちらはまだ市場が発展途上の為、あまり需要が出てきておりませんが、カナダで今後導入されてくるかと思われるスマートグリッドという効率的な電力の運用シ ステムにおいて蓄電池が必ず必要とされる時代がきますので、これを今後カナダの電力システムに貢献するために販売したいと考えております。

(酒井)こちらの大容量蓄電池ですが、他国での販売は既にされているのですか。

(梅 田氏)日本では政府の援助もあり、十分な実績ができております。またヨーロッパ、中近東、台湾などで実証用設備も含めて実績ができつつあります。アメリカ においては、当初から早めに進出しておりましたが他社との競合もあり、現時点では当社の製品が一番マッチするお客様へ絞っている段階です。

カナダついては、潤沢で安価な水力発電がメインの為、蓄電池自体の需要が少なく、更には蓄電できる容量としてもそれほど多くを求められていないため、まだ商用の実績はありません。

しかしアルバータなどの石炭を使った火力発電を主にする地域では、CO2削減の国際合意に沿う目的で化石エネルギーの使用を抑え、太陽光や風力発電をもっと伸ばしていくという方針があります。

太陽光や風力は天候に左右され、発電量が一定ではありませんので、発電できる時に電力を貯め、発電できないときに電力を出す蓄電池が必要となります。そこで、当社の蓄電池で協力できる可能性があるのではないかと考えている段階ですね。

(酒井)今後が楽しみですね。それでは梅田社のご出身とご経歴についてお聞かせ下さい。

(梅田氏)出身は愛知県名古屋市です。大学卒業まで名古屋とその近郊におりまして、卒業と同時に日本ガイシに入社しました。弊社は名古屋に本社があり、入社してからは碍子関係の国内営業部へ配属されました。

最初の勤務地である広島で2年、その後東京の碍子関係の海外営業部で3年程勤務した後、2002年に最初の駐在先であるベルギーに赴任しました。ベルギーのモンスという街の近郊に弊社の碍子の工場があり、私はそこで碍子の販売を3年間しておりました。

ベルギーは、南部はフランス語、北部はオランダ語と公用語が分かれていますが、工場があるモンスはベルギー南部にあり、主にフランス語が話されていました。一方、自宅はブリュッセルにあり、工場まで片道約80kmの距離を毎日車で通勤していました。冬の帰宅時は辺りが真っ暗という事もあり、どうしても途中で眠気に襲われて、よくウトウトしていましたね。事故を起こさずに済んだのが不思議です()

 ベルギーは料理がとても美味しく、特にチョコレートやケーキ、パンは最高でしたね。街並みも中世の雰囲気がそのまま残っているような感じで非常に綺麗でした。3年間の駐在期間のうち、初めの2年間は独身でしたが、途中で今の奥さんと結婚したので最後の1年間は新婚生活をブリュッセルで送る事ができました。

その後、横滑りでドイツのフランクフルトに2年間駐在しました。フランクフルトの事業所はヨーロッパのヘッドクオーターでしたので、こちらでは総務やアドミニストレータ関係の業務を行う傍ら、欧州各国の拠点での法律、労働問題などの調査をしておりました。

2007年には日本の名古屋本社に戻り、碍子製品の海外営業部にて10年程勤務しました。そこでのお客様は主に韓国、台湾、香港といった中国本土を除く東アジアの国々でしたが、そちらに拠点はありませんでしたので、日本から出張しながら碍子製品の販売をしておりました。そして20185月にカナダへ赴任し、現在に至ります。

(酒井)カナダへは丸2年おられるんですね。カナダでの生活はどうですか。

(梅田氏)とても気に入っています。というのも、私は以前ゴルフはやりませんでしたが、色々な方にお誘い頂いてゴルフを始めました。去年は6月から8月まで毎週のようにゴルフをやりました。日本在住中はなかった事なので、とても楽しんでいます。

またアジア系の方が多いので、食事には困らないという点もいいですね。街も広いので、周りの目をあまり気にする事もないですし、過ごしやすい夏の気候も好きです。冬は寒いですけどね()

(酒井)トロントの冬の寒さは応えますよね。先程、ブリュッセルでのお話を伺いましたが、そちらでは日本食に困った経験などはありましたか

(梅田氏)そうですね。時代もありますが、日本食食材店にいかないと日本食は手に入りませんでしたね。ブリュッセルにはラーメン屋は2件、居酒屋は3件くらいしかありませんでした。それに比べるとトロントではアジア系のスーパーで日本食材の購入はできますし、日本食レストランは星の数ほどあるので、全くといっていいほど困りませんね。

(酒井)今までのお仕事で一番印象に残っているお仕事についてお聞かせ下さい。

(梅田氏)武勇伝を語れればいいのですが、思い返してみても他国からの競合メーカーに負けたり、クレームの担当をしたりと割と辛い事しか出てきませんね()

そんな中で、一番印象的だったのは台湾を担当させていただいた時です。台湾はとても紳士的な国で常に日本製品をリスペクトし、我々の製品にも絶大な信頼をよせてくれていました。

台湾ではいわゆる現場へ行く事が多かったのですが、それが山の中の送電線の工事現場だったりするんですね。現地の人からすると日本人が山奥まで来た!という事でお酒を振舞ってくれたり、新鮮な鶏をその場で捌いて料理してくれたりと貴重な経験をしましたね。

現地の料理も日本人好みの味付けでとても美味しく、担当させて頂いた期間はとても楽しかったのを覚えています。

(酒井)お仕事をすすめていくうえで大切にされている事についてお聞かせ下さい。

(梅 田氏)人の気持ちを尊重するという事です。あまり自分達の意見を押し付けないように心がけています。お客様の声、あるいは現場の声を本社に届けて、ミス リードをしないという事を念頭においております。現場の使命として、お客様の意見を吸い上げ、お客様の視線に寄り添うという事も大事にしております。

(酒井)プライベートについても少しお伺いさせていただきます。スポーツは何かされますか。

(梅田氏)カナダに来てからはゴルフばかりですね。冬は子供達と一緒にスケートもします。大 学の4年間は少林寺拳法をやっておりまして、三段までいきました。少林寺拳法は、どちらかというと護身術的な形や技法の練習が多く、大学の部活は基礎練習 が多かったので、しっかりと体を鍛えることができました。体育会所属の部活動でしたので時代錯誤な先輩後輩の上下関係に辟易しましたが、その時の仲間とは 今でも付き合いがあり、一番仲のいい友人に出会えましたね。

親が教えられる事をやらせたいというのと、自分に自信がつけばいいなという親心から、子供達に武道をやらせたいなと考えています。子供達は怖いといっていますけどね()

実はフランクフルト在住中に空手を1年くらいやっていたんです。たまたま日本食材店で日本人の空手教室のフライヤーを見つけ、行ってみたのがきっかけでした。

ガナノーク1000Island遊覧船乗り場にて 
武道は学生時代ぶりでしたが、生徒も数名でしたのでほとんどマンツーマンでの指導でした。先生も仙人のような風貌で() 稽古の後は一緒に飲んでは語りと、一時期は道場に入り浸ってなかなか家に帰らず、奥さんに怒られた事もありました() 

(酒井)今ではいい思い出ですね。コロナの影響により生活が一変してしまいましたが、何か新しく始めた事などはありますか。

(梅田氏)筋トレですね。基本的なトレーニングですが、腕立て伏せ・腹筋・スクワットを数十回ずつ、子供に背中にのってもらいながらやっています。あまりやりすぎると、下の階から苦情がくる事があるので、ほどほどにしています。 

(酒井)今後、カナダにいる間にやりたい事はありますか。      

(梅 田氏)イエローナイフでオーロラが見たいです。月並みですが、カナダにいる間に是非、経験したいです。今のところカナダ国内は出張で西はバンクーバー、東 はニューファンドランド州のセント・ジョーンズへまで行きました。モントリオールには支社があるのでよく足を運びます。

(酒井)では最後になりますが、商工会会員の皆様へメッセージをお願い致します。

(梅田氏)カナダにきて丸
2年たちますが、会社以外での社会が自分の中ではまだ狭いですので、今年度の商工会理事に就任した事をきっかけに、今後は交流関係を広げて皆さまと仲良くしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

(酒井)ありがとうございます。これでインタビューを終わります。






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