特別寄稿

第31回全国カナダ日本語弁論大会

初のオンライン全国大会で世界へ発信


第31回全国カナダ日本語弁論大会組織委員会
国実 久美子


全 カナダ日本語弁論大会は1989年、日本語教育の推進を目的として、在カナダ日本国大使館により初めて行われました。近年は日系企業、国際交流基金、管轄 区域の日本国総領事館からのご支援も賜り、毎年カナダの各地で開催され、日系コミュニティーの重要なイベントになっています。

大会は、カナダ各地の日本語教育関係者からなる全国大会組織委員会とカナダ日本語教育振興会(CAJLE)が、2015年9月よりアルバータ大学・高円宮センターから事業を引き継ぎ運営しています。

大会には7つの地区大会の一位入賞者が招かれ、初級、中級、上級、オープンの部門で競い合います。日本語学習者にとって弁論大会への出場は日頃の学習の成 果を発揮し、さらに上を目指そうという意欲を持つ契機となりますが、全国大会は各地域からの出場者と州を越えて交友を深められる特別な場です。

運営費が限られる中、代表者をカナダ全国から招待するためには航空券や宿泊費などに多額の経費がかかるところ、トロント日本商工会の皆様には2016年より継続してご支援いただき、組織委員一同、深く感謝しております。

第31回大会は国際交流基金トロント日本文化センターで行われる予定でした。準備が最終調整の段階に入り、終了した地区大会の出場者の飛行機の手配も始 まっていたところ、「両親の反対を受けて出場を辞退した者がいる」との連絡が入ったのは3月8日。その時点でのオンタリオ州のCOVID-19の症例は 31例。

各地域からトロントに出場者を呼んで大会を行うべきか…。組織委員会で3日にわたって協議を重ねた結果、努力を重ねて優勝に輝いたスピーチを全国で披露する場を作りたいと、オンラインへの移行に踏み切りました。

その後、公立学校は閉鎖、社会的距離が推奨され、さらには緊急事態宣言の発令と、状況が刻々と変化したのは皆さんもご存知の通りです。当初は審査員の方に だけは会場に集まっていただこうと考えていましたが、最終的には、運営スタッフを含め、全員が自宅からの参加になりました。計画には大幅な修正が生じまし たが、スポンサーの皆様のご理解、そのほかの多くの方々のご協力により、無事に開催の運びとなりました。

大会当日、多少のネットのトラブルはあったものの、出場者が健康の問題もなく参加でき、無事にスピーチを終えられて本当に良かったと思います。出場者のス ピーチは日本語・日本文化への興味、人生の試練や転機、家族との絆、社会への疑問・提言を生き生きと語ってくれるものでした。

大会の様子はYouTubeを通じて中継もされ(現在もhttps://youtu.be/Ov6PPFfnH-Aでご覧になれます)、アメリカ、ロシア、エジプトからもチャットに書き込みがありました。日本語学習者が自分の想いや考えを発信し、世界各地の学習者とつながることができたという点で大きな意義があったと思います。

COVID-19により世界が混沌とする中、トロント日本商工会の皆様には例年通りの支援を決定してくださいましたことに対し、心より御礼申し上げます。企業の皆様も対応に追われて大変な状況かと思いますが、皆様のご健勝、そして貴社の益々の発展を祈念いたします。

<受賞結果>

初級
1位 Lily Feng(York University)
2位 Zhiyue Zhang(University of Alberta)
3位 Yuting Zhang(Saint Mary's University)

中級
1位 Anson Wong(York University)
2位 Cindy Xia(University of Calgary)
3位 Valérie Séguin(Université du Québec à Montréal)

上級
1位 Alexandre Rondeau(Université de Montréal)
2位 Michael Andrew(Saint Mary's University)
3位 Ifrah Saeed(McMaster University)

オープン
1位 Mano Hooper(Carleton University)
2位 Michael Tracey(York University)
3位 Claire Sharp(University of Calgary)

特別賞
Danyi Zhu(University of British Columbia)


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