あの人は今・・・ トロントOB便り

G20会合開催準備を経て帰国一年半
農林水産省 東田 千草


トロントの皆様、ご無沙汰しております。2015年7月から3年間、在トロント日本国総領事館に勤務しておりました、東田です。トロント在勤中は多くの方々にお世話になり、お陰さまで無事職務を全うすることができました。ここに改めて御礼申し上げます。

帰国後は、出向元の農林水産省に戻り、G20新潟農業大臣会合の開催準備室という部署に所属して国際会議の開催に携わりました。

本年6月、大阪でG20サミットが開催され、トランプ米国大統領や習近平中国国家主席等、多くの首脳が来日したことは皆さんもご存知かと思いますが、2019年は日本が初めてG20の議長国を務め、サミット(首脳会合)の他、多くの閣僚会合を日本で開催しました。農業大臣会合はその閣僚会合のひとつとして、全ての会合の先陣を切って5月11日~12日に新潟市で開催されました。

G20新潟農業大臣会合開催準備室では、会合の7ヶ月ほど前から、会合日程の調整、視察先の選定、会場の座席配置、夕食会のメニュー・食材決定、参加国の宿泊ホテルの割り振り、会合ウェブサイトの運営、等々…、会合開催にかかるあらゆる準備を担当しました。

今年は10連休となったゴールデンウィークは会合直前の超多忙な時期に重なったり、また、これまでで最高の月間残業時間を記録したりと、大変なことも多かった数ヶ月間でしたが、多くの人たちと同じ目標向かって協力することのできた時間はとても貴重で、大きな達成感を得られたよい経験となりました。

   
会合の様子(農林水産省Facebookより) どこかに私が写っています! 


帰国してからもう1年半になるというのに、家族ともども、いまだにトロントでの楽しい日々が忘れられず、「カナダ」や「トロント」という言葉を目にするたびにあの頃を思い出しては懐かしい気持ちでいっぱいになりますが、いちばんその想いが募ったのは、日本でも話題になったあるニュースを耳にした時です。

日本で大いに盛り上がったラグビーワールドカップ。その最中に発生した台風19号の影響を受けて、岩手県釜石市で行われる予定だった1次リーグのナミビア戦が中止になったカナダ代表は、1次リーグ敗退が決まっていたものの帰国することなくそのまま釜石に残り、土砂や泥を撤去するボランティア活動を行ったというものです。

こういった思いやりのある行動をさり気なく実行に移せるなんて、さすがカナディアン!と、少しの間ではありましたがカナダに在住した一人として、大変嬉しくそして誇らしく思いました。実際、カナダ在住中、私たち家族が充分でない英語力でも楽しく生活できたのは、心優しいカナディアンにたくさん助けてもらったからですし、普段街中でも、全くの他人(とおぼしき人)に対しても親切に接するカナディアンを見かけたことが何度もありました。

このニュースを聞いた時、嬉しく思うと同時に、恥ずかしながらすっかり忘れてしまっていた、カナディアンのように他人を思いやれる人でありたいと思った気持ちを思い出しました。これからも、日本の地でカナダを懐かしく思い出しながら、カナディアンのような優しさを持ち続けられる自分でありたいと思います。

 
ボランティアを行うラグビーカナダ代表の選手たち 




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