「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー



<第201回>
Kubota Canada Ltd.
クボタカナダ株式会社
EVP, Treasurer 星野 澄

クボタカナダの星野EVPにお話を伺いました。オフィスはマーカム市にあり、大きな倉庫が隣接しています。受付には、長年スポンサーをされているCFL(Canadian Foodball League)やCHL (Canadian Hockey League)、ラグビーカナダ代表などに関連する記念写真やサイン入りジャージ等が飾られていました。Gord Bamfordというカナダのカントリーミュージック歌手など、カナダ全土に広がるディーラーやお客様のために、ローカルのスポーツチームやアーティストへの支援もされているそうです。

インタビューでは、全社にて注力されている北米初となる大型農機のカナダでの販売を2020年春に控え、その背景や製品の特長、今後の展望などをお話し頂きました。また、異なる業界から転職をされたご経験やプライベートなどもお伺いしました。



(松田)御社の事業内容のご紹介をお願い致します。

(星野氏)クボタカナダは、クボタグループで開発・製造をしている、トラクター、小型建設機械、芝刈り機、ユーティリティヴィークル、そしてトラクターに装着し様々な用途を成す各種インプルメントと、サービス部品を、カナダ国内で販売しています。また、販売に伴うユーザー向け小売金融も提供しています。

設立は1975年、来年45周年を迎えます。社員数は190名、駐在員は私を含めて3名です。セールス・サービス担当のフィールドスタッフがカナダ全土に合計20名常駐し、各地で迅速な対応を行える体制を整えています。

(松田)新しい大型トラクターの販売を控えているとのことですが、ご説明いただけますでしょうか。

(星野氏)元々クボタは日本の農業を主体として発展して参りましたので比較的小型の機械が主力でしたが、徐々に大型へ製品ポートフォリオを広げております。5年前にして頂いた前任へのインタビューで、新しいトラクターM7シリーズの販売に触れておりましたが、お陰様でその売れ行きが好調に推移しております。

今回、そのM7シリーズに続くモデルであり、200馬力帯を超える大型トラクターM8シリーズをラインナップに加え、2020年春シーズンより北米にて販売を開始することとなりました。このサイズのトラクターはこれまでのクボタ製品の中で最大で、北米が初の市場となります。北米で本格的な畑作農業をするためには500、600馬力帯という、より大型な農機が必要になりますが、M8シリーズは北米の畑作農業の入口に立ち、更なる市場開拓を見込む、戦略的な製品です。

(松田)M8シリーズの特徴をご説明頂けますでしょうか。

(星野氏)クボタの製品は、品質の高さと使いやすさに高い評価を頂いています。農機は大型化に伴い操作が複雑になりますが、当社のM8は大型化しても従来の利点を引き継ぎ「使いやすさ」と「分かり易さ」を追求しています。その上で更なる高馬力で幅広い作業を可能とし、より多くのお客様のニーズに応えることができます。

製造には、カナダ・ウィニペグに所在し、北米で大型トラクタの製造販売の実績があるBuhler Industries Inc.とパートナーシップを結び、OEM生産を行います。同社の持つ北米事業のノウハウを活かしながら、開発はクボタの技術陣と共同で行い、ウィニペグの工場にて生産するメイドインカナダの製品を北米全土に販売していきます。

(松田)次々と事業拡大を行われていますが、御社の強みはどちらにあるとお考えでしょうか。

(星野氏)一つは商品力です。クボタの製品は、品質の高さと操作容易性は当然のことながら、日本メーカーの特徴かもしれませんが、長時間作業でもユーザーの身体の負担やストレスを軽減できるよう、アタッチメント交換の簡易化や自動制御など、使用するユーザーの視点に立ち、容易・安心・快適を追求しています。一度クボタのユーザーになった方には高い評価を頂き、継続的にクボタ製品を使っていただけることが多いです。

もう一つは販売網です。通常、農機販売のディーラーは複数のブランドを扱う併売店が多いのですが、クボタカナダは専売店化の促進を計画的に進めており、専売店の比率が多くなっています。ディーラーは現在カナダ全土で140店ほどありますが、そのうち70%強が専売店となっています。クボタ製品をフルラインで取り扱って頂くことで年間を通して商品を販売することができますのでディーラーにとってもメリットがあり、ユーザーにとっても分かり易いと好評を頂いています。

(松田)今後はどのようなことに注力されていく予定でしょうか。

(星野氏)先ほど申し上げた大型トラクターM8を中心とする農業市場向けへの取り組みです。我々としても、ディーラーにとっても挑戦になります。数々のクボタ製品を取り扱っている専売店では、大型トラクタは新しい市場となりお客様もこれまでとは異なります。

従来の農機のお客様は、果樹園や野菜農家、酪農でのマテリアルハンドリング(運搬作業など)、除雪コントラクターなどがメインでしたが、大型化に伴い穀物生産での使用が可能となり、ミックスファーマー(飼料を自家生産している酪農家)などがターゲットになってきます。

以前は、クボタのような比較的小型の製品を主力とするメーカーと北米や欧州に拠点があり大型製品を主力とするメーカーでは、住み分けが出来ていましたが、彼らも小型製品をラインナップに加えるようになり、クボタも大型化に展開を進めており、業界内競争が激しくなっています。新しい顧客獲得に勤しみながらも、クボタ製品を愛してくださっている既存のお客様のケアも引き続き力を注ぎ、小型市場から大型市場まで、他社に負けないように注力していきたいと思います。

(松田)星野EVPのご経歴についてお伺いしたいと思いますが、ご出身はどちらでしょうか。

(星野氏)生まれは神戸で育ちは大阪です。大学は神戸で、卒業後は電機メーカーに就職しました。入社後は4年間、携帯電話の事業部で経理を行い、その後マレーシアの携帯電話の製造会社へ出向し、3年間程経理・財務・管理部門の責任者を務めました。そしてそのまま会社派遣でアメリカの大学院へMBA留学をさせて頂きました。

その後日本に帰国し経営企画を担いましたが、その時に、所属していた会社の携帯電話事業を切出して他会社へ承継することになり、私も事業部門の一員として異動をすることになりました。新会社へ移ってからは、事業管理、海外営業、プロジェクトマネジメント、サプライチェーンマネジメントをなどを担当してきました。その後、これまでの経験を活かした新たな活躍の場を求め、クボタに転職をしたのが2016年です。

クボタに入社後は海外のグループ会社の業績管理を行う部門で、北米の会社を担当していました。2018年9月にトロントに着任し、現在のポジションは、副社長兼Treasurerで、人事、総務も担当しています。幅広いですが、カナダ人社長のサポートをしつつ、会社全体を管理する役割です。

(松田)全く違う業界に転職をされたということですが、御社を選ばれた決め手は何でしたか。

(星野氏)クボタは、「食料、水、環境」という3つの分野で事業を展開しています。この3つは人類の生存に不可欠であり、ストレートに世の中に貢献できるというのが第一の理由です。第二に、海外の売上比率が7割以上あるため、世界に目を向けた事業活動が出来ること。そして第三に、営業利益率が常に10%以上を超えているという点も魅かれた理由の一つです。

違う業界ではありますが、日本のメーカーと言う点では共通しており、品質に対して突き詰めきっちりと作り込むところなど、柱になっている精神的な所は同じでした。

ただ、商品のライフサイクルが全く異なりました。携帯電話は1年経たずに次の商品を企画し、次々に新しいモデルを出しましたが、クボタの製品はライフサイクルが5年、10年と非常に長いので、作り込みの期間も何年もかけて、絶対に外さないようマーケティングもしっかりと行います。そうした新しい学びがあり挑戦ができる環境に大変満足しています。

(松田)これまでのご経験の中で、特に印象に残っているお仕事についてお話しください。

(星野氏)電機メーカーでMBAを取得し帰国した後に、経営企画を担っていた時のことです。当時は携帯電話事業が大変伸びていた時期でしたが、先を見ると将来的に市場が飽和し、メーカーが多すぎるというのはその時点で見えていました。将来に業界再編が間違いなく起こるだろうと予測し、私たちが業界で最初に、自分たちから仕掛けて他社と統合をしました。

チームの一員として、その統合を主導的に行い舵取りができたことは、面白味もあり、大変勉強にもなりました。その後携帯電話事業を続けている日本の電機メーカーは次々と減り現在は3社のみですが、そのうちの一つとして現在も残っておりますので、当時の判断は間違っていなかったということだと思います。

(松田)星野EVPがお仕事をする上で、大切になさっていることはどのようなことでしょうか。

(星野氏)一つは仕事を通じての信用です。プロジェクトマネージメントをしていた時の経験ですが、自分がしっかりとした仕事をしていれば、他の人からこいつと仕事をすればちゃんと成果が出ると思ってもらうことができ、それが次からの仕事の進めやすさに繋がり、更に成果が出しやすくなるという好循環になると思います。

一方で、人を信じて仕事を信じず、ということを心がけています。人間性は信用してもその人の仕事をそのまま信じてよい訳ではないということです。私は根が素直なのか、人から言われたことはそのまま受け止めがちなのですが、部下や他の者に頼んだ仕事が必ずしも信用できないことが多々ありますので、管理者として、きちんと見るように心がけています。

(松田)プライベートなこともお伺いしたいと思いますが、ご趣味は何でしょうか。

 マレーシア駐在時代
(星野氏)昔はサッカーをやっていて、15年ほど前までマレーシアに駐在していた時は現地の従業員らと一緒にプレイしていました。けれど最近はあまり出来ていないです。

また、これもマレーシアでですが、スキューバーダイビングをやっていました。マレーシアは海が綺麗で週末によく行っていましたが、カナダ、特にトロントでは難しいですよね。

これからやっていきたいと思っているのはゴルフです。マレーシア時代は少しかじったのですが、その後機会を逃し行けていませんでした。カナダでのゴルフも気持ち良いので、今年から再開したところです。

(松田)今後カナダにご在中の間に挑戦されたいことはありますか。

(星野氏)仕事と絡んでしまいますが、カナダのできるだけ多くの地域を訪問したいと思っています。当社のディーラーネットワークは、ノースウエスト準州やユーコン準州も含め、カナダ全土に広がっています。全てのディーラーさんを訪れながら、カナダにいる間に全ての州と準州を訪れたいですね。

(松田)最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願い致します。

(星野氏)仕事上の繋がりは一部の方としかありませんが、娘が補習校でお世話になっておりますし、様々なところでお会いした会員の皆様と、公私共に交流をさせていただければ幸いです。お会いした際にはどうぞよろしくお願いいたします。

(松田)インタビューは以上となります。本日はお時間を頂き有難うございました。




戻る   過去の新代表者紹介インタビュ一覧はこちら