オンタリオで活躍する日本人に聞く



トロントのご当地アイドル PASTEL
西田 真由さん

日本から発信される様々な文化が世界中で注目されています。寿司、和食、日本酒、ラーメン、居酒屋などは定番ですが、近年は日本のスイーツが目覚ましい海外進出をしているようです。また、アニメやKAWAIIといった若者文化も世界中で人気を博しているようです。

今回、トロントでご当地アイドルとして活動してきたPASTELのminnieちゃんこと西田さんにトロントでアイドルとして活躍するまでの経緯や今後どんなことをしたいかを伺いました。

なんでもやってみたいという、大変意欲ある女性で、若いながらもこれまでの貴重な経験を活かし、是非夢の実現を勝ち取って欲しいと思います。


(西田さん、以下西)初めまして、西田と申します。

(伊東、以下伊)初めましてではないんですよ。昨年のジャパンフェスティバルでお会いしていますし、実はパステルのライブにも2回ほどいったことがあるんです。

(西)え~、そうなんですか。ありがとうございます。

(伊)では、カナダに来たきっかけを教えていただけますか。

(西)Uncle Tetsu’s Japanese Cheesecakeのお店のオーナーである、てつおじさんとお会いしたのがきっかけです。

(伊)お会いしたきっかけは?

(西)自分はファッションが好きなんですが、自分の身長が147センチしかなく悩んでいたんです。市販の服を買っても自分の身体にピッタリではないので、補正したりしながら着ていました。

小さくても、スタイルが良くなくても、かわいく着こなすというコンセプトでコーディネートしたものを、あるネットサイトにアップしていたところ、その中のランキングでトップ5に入るようになりコメントやレビューをいただけるようになりました。

「私も身長が小さくて悩んでいたので、とても参考になります」といったコメントを頂けるようになり、私と同じような悩みを持つ人がいるんだということに気づかされました。そこで、小さな人に向けたブランドを立ち上げたいなと思いました。

(伊)それは大学の時ですか?

(西)はい、そうです。自分は大学では人文学部だったのですが、ブランドを立ち上げるにはどうしたらいいのかとゼミの先生に相談したところ、商学部の先生を紹介してくださり、商学部のゼミにも参加するようになりました。

その商学部の先生が、スタートアップウィークエンドという、週末3日間で一つのプロジェクトを仕上げるというオープンイベントを紹介されました。そうしたことにまったく知識もなかったのですが、その時はなんでもやってみようという意気込みはあったので、参加してみました。

まず自分がこんなものを作ってみたいというアイディアを発表し、それに賛同する人が集まりチームとなって3日間でプロジェクトを仕上げ、最終日に発表するというものでした。自分の体形を客観的に測定して服を仕上げるというもので、本当はブランドに連絡して製品に仕上げるというところまでやらなければいけないのですが、そこまではできませんでした。

その発表を見ていた地元の映像関係の人が私の発表と個性や話し方が面白いと思ってくださり、ローカルの街おこしのためのネットTVのMCをやってみないかと声をかけていただきました。そのMCの2回目のゲストがてつおじさんだったんです。

てつおじさんがゲストで来ることが分かっていたので、調べたところ飲食店やフリーペーパーの発行などを手掛けており、ブランディングに強い人だと知りました。その時にはチーズケーキ店を台湾や中国にオープンさせていたので、ゲストに来られたときに、自分のブランドを立ち上げたいという希望を伝え、相談したところ、自分のもとで学んでみるかい、と言ってくださいました。

それがきっかけで台湾の店のオープニングなどに、てつおじさんの付き人のような感じで無給ながら会議などにも参加させてもらい、どのように店舗を立ち上げていくかを勉強させてもらいました。

(伊)それはいつ頃のことですか?

(西)大学3年の時です。でも高齢とはいえ男性と一緒に海外に行くということに父が大変心配して、てつおじさんと父と3人で食事をして、自分は行きたいという思いと伝え、父は泣く泣く承諾しました。その後は中国、インドネシア、タイなどにも同行させてもらいました。

その後、トロントにチーズケーキの店をオープンするという計画が持ち上がり、大学3年修了後の春休みに1ヵ月半ほどトロントの新店舗で勉強させてもらいました。ただ、本当にオープニングだったので、スタッフが少なく毎日終日、マドレーヌを焼いていました。その時にもスタッフでどうしたらお店がよくなるかなどを話し合ったりしていました。

(伊)それは3年修了時ですよね。その後はどうされましたか?

(西)4年の夏休みに、てつおじさんが夏の一ヵ月、ユニオンステーションにパティオ店を出すということで、またお手伝いにトロントに来ました。その時には、生地の仕入れ原価や利益率、人件費などの計算もすることになり、利益を出すためにはどのくらいの売り上げが必要なのかなどを考える経験をさせてもらいました。また、この時には、もう一人の娘を誘ってパフォーマンスもしました。

(伊)パフォーマンスをするようになったきっかけはどういうものですか?

(西)地元のネットTVでMCをしていた時にゲストとして地下アイドルの方が来られました。大学では社会教育学を取っており、卒論も地下アイドルについて書きました。そのために自らも参加する自主参加型協働研究を行いました。そこで初めて人前でパフォーマンスを行いました。

歌の上手い娘と一緒にトロントに来たので、彼女と一緒に2回ほどパティオに設営されていたステージでパフォーマンスをしました。それがトロントでの初めてのパフォーマンスでした。

その時には、てつおじさんからメイドカフェの話も聞いており、パフォーマンスもやって欲しいと言われていたので、それに向けて全力を注ぐことにしました。ですから、就活もしていませんでした。そして翌春、大学卒業と同時にメイドカフェがオープンしたのでワーキングホリデービサを取得して、本格的に働き始めました。

(伊)その後は、メイドカフェで働くことになったわけですね。

(西)そうです。そして、メイド服のデザインと製作を任せてもらえました。このときが初めてのファッションの仕事でした。また、てつおじさんは、自分の日本でのパフォーマンスも観にきてくれていたので、トロントにもアイドルグループを作って欲しいと言われ、自分がリーダーとなってお店の娘でグループをつくり、一週間に一度お店でパフォーマンスを始めました。

   
   
デザインと制作を担当した衣装 


(伊)この時にはまだ「パステル」ではないのですね。

(西)はい、まだお店のグループです。そして、ワーキングホリデーの1年間、メイドカフェでパフォーマンスしながら働いていました。その間、オーストラリアにメイドカフェ2号店を作るために3週間ほど出向いて、お店の立ち上げとパフォーマンスグループの結成をお手伝いしました。

てつおじさんからお店を埋めるパフォーマンスをしてほしいと言われ、地下にあるステージにお客を呼ぶのに苦労しました。初日はお客さんが一人でしたが、最終日には満杯にすることができました。

(伊)そのときは一人でのパフォーマンスですか。

(西)てつおじさんは、大学でアイドルコピーをするサークル、ユニドルの娘を知っており、その娘を日本から呼んで、私とその娘ともう一人を加え3人でパフォーマンスをしていました。

(伊)ワーキングホリデーが終わった後、今にいたるまではどうしているのですか。

(西)パステルの活動をしていました。オーストラリアで外に出て路上ライブなどをした経験から、お店の外の人に観てもらわなければいけないんだと気づきましたが、トロントではお店の中でのパフォーマンスしかできませんでした。もっと広く知ってもらうためには外でパフォーマンスをしなくてはいけないと思い、パステルを結成しました。

(伊)ということは、パステルはメイドカフェとは直接の関係はないのですね。

(西)関係ないです。ただ、お店のマネージャーがお店でパフォーマンスしてもいいと言ってくれたので、一週間に一回、20分ほどのパフォーマンスをさせてもらいました。パステルが初めてパフォーマンスしたのが2017年3月25日です。

(伊)その後、約2年半パステルとして活動し、路上ライブに加え、ジャパンフェスティバルや日本関連のイベントなど活躍してきましたが、今回他のメンバーの卒業がありました。今後はどうする予定ですか。

(西)今、新メンバーの募集を行っており、2名応募があったので、自分はプロデュースに廻って二人をサポートするか、迷っているところです。

これまでの経験からコネクションはできているので、それをアイドルをやりたいという娘に活かしてあげようかとも思っています。また、本格的に自分のブランドを立ち上げるほうに注力しようかなとも思っています。

(伊)ブランド立ち上げのほうは、これまであまり進んでいなかったのですか。

(西)ええ、パステルの衣装以外はほぼ取り組んできませんでした。ただ、ブランドの立ち上げの方法として、まず自分を売り、知名度を上げることでそこにつながるブランドとして立ち上げられればいいなと思って活動してきました。

ただ、自分のブランドは身体の小さい人向けなのですが、カナダには身体の小さい人が少ないのが悩みですね。でも、こちらの人は自分の身体に自信を持っているので、その人の体形にあった服を作りたいと思っています。

(伊)その実現に向けて、今後どのように進みたいと思っていますか。

(西)舞台衣装を勉強するために、学校に行きたいと思っています。それにはもっと英語を勉強しないといけないですね。やはり基礎はしっかりと勉強する必要があると思っています。

(伊)そうですね。夢の実現に向けて是非がんばってください。

(西)8月下旬開催のFan Expo Canadaで、8月23日にとりあえず自分の最後のソロパフォーマンスを行う予定です。パフォーマンスとQ&Aでそれぞれ45分あり、トロント在住のシンガーソングライター、ミクロミカさんが手伝ってくれることになっています。是非、観にきてください。

(伊)最後のパフォーマンス、がんばってください。本日はありがとうございました。



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