「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー



<第188回>
Fieldstone school
フィールドストーン・スクール
秋田 リサ
Librarian & International Admissions

個人会員としてご登録頂いている秋田リサ氏にお話を伺って参りました。秋田氏はトロント市内にある私立学校Fieldstone Schoolにて、学校司書と留学コーディネーターをされています。商工会登録会員としては唯一の学校関係者です。学校はDufferin St. x Lawrence Ave.近くにあり、歴史を感じる趣のある校舎は木々や草花に囲まれ、取材時の8月後半はコスモスが咲き誇っていました。 

Fieldstone Schoolの特色やカリキュラムなどのご紹介から、生徒の語学学習など、お子様がいる方には大変興味深いお話を色々とお伺いしてきました。在籍されている日本人生徒さんから「トロントの母」として慕われているお姿が容易に想像できるほど、温かく真摯に対応されている姿勢が印象的でした。




(松田)御校のご紹介をお願い致します。

(秋田氏)フィールドストーンスクールは、無宗教派、男女共学、JKからGrade12の幼小中高一貫教育を行う私立学校です。創立は1997年で、昨年20周年を迎えました。特徴である家庭的な雰囲気の校風とレベルの高い教育プログラム、そして暖かくきめの細かいサービスは開校当初から変わっておらず当校の伝統と誇りとなっております。

生徒数は現在300名弱で、その約半数が留学生です。日本人生徒は、留学生と駐在員さんに帯同して渡加してきたお子さまを合わせて現在15名程在籍しております。

カナダでは、留学生を受け入れている学校の殆どは公立校ですが、当校は留学生を受け入れている数少ない私立校の一つとして英語が母国語でない生徒たちのために充実したESL(English as a Second Language)プログラムをご用意しており、私立校ならではのきめ細くフレキシブルな対応をご提供しております。

少人数制のクラス編成で一人ひとりの生徒に目が届きやすく、またこれまで各国から多くの留学生を受け入教員及び職員が経験豊富である点も含め、海外からの子女には最適な就学環境ですので、留学を希望する生徒や駐在員さんのお子さまにも安心してお勧めできる学校です。

(松田)御校のカリキュラムの特徴をご説明頂けますでしょうか。

(秋田氏)当校では、オンタリオ州教育省のカリキュラムを基盤に、世界でもトップレベルであるイギリスのケンブリッジ大学教育プログラムを提供しております。そのため、高等科卒業生はOSSD(オンタリオ州認定卒業資格)に加え、Cambridge International General Certificate in Secondary Education(IGCSE)とGeneral Certificate in Education(GCE or AS/A Level)の資格を取得することも可能です。

これらの資格は世界的に通用する大学入学認定資格であり、卒業後にはカナダ、アメリカ、日本を始めとする世界各国の名門大学への道を広げ、当校に於いても高い大学進学率を誇っております。

また、当校は イギリスケンブリッジ大学試験委員会(Cambridge International Examinations)よりケンブリッジ大学教育プログラムをカナダで初めて導入することを認められた学校で、ケンブリッジ大学国際教育試験会場としても認定されております。

(松田)留学生が多く在籍されているとのことですが、語学習得のためのプログラムについてご説明いただけますでしょうか。

(秋田氏)当校では、早い段階で英語環境に順応できるよう、英語を母国語としない生徒も入学後は一般のクラスに配属され、ローカルの生徒と同じスケジュールで受講をします。

留学生に必要不可欠なESLの授業は、留学生を受け入れ始めた1999年より集積された優れたプログラムに基づき、経験豊かな教師陣が一人ひとりをしっかりとサポートいたします。迅速な英語習得と成績向上が必要な生徒には、放課後の補習授業や個人授業が組み込まれたプログラムを個別に作成し、個々の就学状況に合った授業を受けることができます。

また、当校では単身で留学している生徒の滞在先にはカナダ人家庭でのホームステイを紹介しておりますので、日常的にネイティブの生きた英語に触れながら生活することができます。ホームステイでは英語力が飛躍的に上達することを期待できると共に、ホストファミリーから北米の生活習慣や現地の情報などを得ることができますので、充実したカナダ生活を満喫できることと思います。

(松田)英語習得のためにはローカルの生徒の多い学校に通う方が良いと考える方もいらっしゃると思いますが、留学生の多い環境で学ぶ利点は何でしょうか。

(秋田氏)「留学生」という同じ環境下の生徒達と英語や生活の悩みを分かち合い、お互いに切磋琢磨しながら勉学に励むことができるというのは大きな利点であると、生徒達を見ていて感じます。

日本人留学生の中には、英語があまり得意ではないというだけではなく、日本人的な性格として引っ込み思案だったり自分の気持ちや意見を他者へ伝えることが苦手だというような生徒が多く、そのような生徒がローカルの生徒の多い学校に通うとなると、クラスに馴染むのに時間がかかってしまったり勉学以外の負担が増えてしまうことも起きかねません。

特に中高生は多感な時期でもありますので、ただ英語環境に身を入れれば英語が上達する、という単純なものではないということは、これまで様々な生徒達を見てきた上で実感しています。もちろんその子の性格によるところが大きく、ローカルの生徒が多い環境で著しく上達する場合も多くあると思いますので、適した就学環境を選んであげることが大切だと思います。

また、他国から留学してきた生徒達と交流することによって更にグローバル感覚を磨けるということも大きな利点ですね。昨今、トロントに限らず世界的な傾向でもありますが、中国からは多くの生徒が海外留学をしています。

日本からの留学生は語学習得や進学の目的で入学してくる子がほとんどですが、中国からの留学生は将来的に移住できるよう海外の大学へ進学したいという強い意思を持っていたり、親が子供を治安の安定した国に移住させたいために留学させるなど、はっきりとした目的を持っていたり親の期待を背負い人生を掛けて来る子が多くいます。

そのような情勢の違う国の生徒たちと接し、生き様や将来のビジョンなどに触れることは、日本の子ども達にとって大変刺激になり世界観を広げる一助となると思います。

(松田)学業以外で御校にて取り組んでいるプログラムや校内のイベントなどはありますか。

(秋田氏)Duke of Edinburgh’s Awardという青少年育成のためのプログラムに参加しています。社会貢献のボランティア活動や、技能・教養の取得、冒険旅行というチャレンジ活動など、様々な活動があり、基本的に自分で選択し目的の達成を目指します。

自主性、協調性を育み、自信や自尊心を高めることを目的とした全世界で大変有名なプログラムです。行った活動の時間数等に応じて賞が与えられ、賞を獲得すると進学や就職、奨学金獲得などの際に評価されます。

また、校内で行う各国の文化や食事などを紹介するアートフェアやカルチャーデイというイベントでは、日本人生徒が率先してイベントを盛り上げている様子も見られます。日本人生徒は数人が生徒会に入っておりますし、積極的に学校生活に参加し楽しんでいる姿を見て私も安心しております。

(松田)秋田さんのご経歴についてもお伺いしても宜しいでしょうか。

(秋田氏)私は日本では歯科衛生士をしておりました。1999年にカナダに移住し、それからは、企業で秘書をしたり、メディアの仕事などをしておりましたが、前職の語学学校での職務をきっかけに、ご縁もあってFieldstone Schoolに就職することになりました。

(松田)秋田さんの職務内容について、ご説明頂けますでしょうか。

(秋田氏)学校司書と国際留学コーディネーターを兼務しております。低学年のクラスでは生徒達が先生と共に図書室に来て読書をしたり読み聞かせをする図書の時間があるので、その時間のサポートや、図書室の本の貸し出し、そして全ての生徒が授業で使用する教科書の管理が学校司書としての主な仕事です。

留学コーディネーターとしての仕事は、第一に留学生の誘致と受け入れです。年に数回日本へ出張し、カナダ大使館主催の留学フェアへ参加したり日本にある4校の姉妹校を訪問したりして新しい留学生の受け入れを行います。

当校は進学校ということもあり、卒業生のほぼ全員が大学進学をするため生徒は日頃からとても勤勉ではありますが、やはり日本から来た生徒の真面目さ、学習意欲や授業に取り組む姿勢、教師やクラスメイトに対してのマナーの良さなど、日本特有の真摯な態度は、ローカルにも他国の生徒にも良い刺激や学びを与えているため、当校では昨今、日本からの留学生誘致に力を入れております。

第二に、留学生のCustodian(後見人)としての生徒のサポートです。18歳以下の生徒がカナダへ留学する際は、生徒の生活面での安全を守り緊急事態に対応できる後見人が必要です。当校の日本人留学生の後見人は私が務めており、学校内外での生活のサポートを行っています。

時には、不安や心配事のある生徒の相談にのったり、日本にいる保護者の方と深夜に渡ってまで連絡を取り合ったりということもありますが、親元を離れて単身で海外に渡って来た生徒、そして遠く離れた子を想う保護者の方々の気持ちを考えると、私が一本の電話に出たり一通メールを返信することで少しでも不安を解消できるならと、昼夜に関わらずできる限り対応するようにしています。

(松田)生徒さんにとっても保護者の方にとっても、秋田さんの存在はとても心強いでしょうね。では、お仕事を通して特に印象に残っている出来事についてお話しいただけますか。

(秋田氏)2015年に私が初めて日本から留学受け入れを担当した生徒が3年間の留学期間を終え、今年の6月に高等科を卒業しました。その生徒は、海外旅行をしたことがなく飛行機に乗るのも初めてということで私が日本から同行してトロントへ渡ってきたのですが、入学当初は生活面での不安も多々あり、そして英語も殆ど話せませんでしたので、私から見ても卒業までやり遂げられるかどうか大変心配でした。

当校の英語の授業は厳しく、加えてGrade 12の授業内容も大変レベルが高いので、生徒達は皆睡眠時間を削ってまでも勉強をしているようですが、その生徒も見事に頑張り抜き、単位を落とすことなく無事に卒業の日を迎えることができました。その立派な姿を見て、私も本当に感無量でした。

そしてもう1名、トロントに赴任する日本人駐在員の帯同家族として当校に入学してきて昨年卒業した生徒がいるのですが、スポーツにおいてプロ選手級の才能があり、且つ、成績も大変優秀な生徒でしたので、高等科の卒業を迎える頃にはいくつもの有名大学から入学のお声がけを頂き、その結果、自分の夢を叶えられるような条件をアメリカの名門大学から提供され、多額の奨学金を得て進学をすることができました。

その生徒も当校に3年間在籍していましたが、その期間ずっと勉学とスポーツを掛け持ちし、両方で優秀な成績を残すことができたということは並大抵の努力ではなかったと思います。今年の夏に夏休みだからとトロントへ戻ってきて母校を訪れてくれました。

北米の大学ではあまりの授業の厳しさに1年生のうちに生徒の半数程が脱落してしまうと言われている中、「高校生のうちから厳しい授業に慣れていたし、大学1年時の授業の半分以上は既に高等科で習得した内容だったので進級時にそれほど苦労をすることはなかった。Fieldstone Schoolに入学して本当に良かった」と話してくれました。

もちろん彼自身の努力があってのことですが、当校で学んだことで今後の人生の幅を広げる事ができたのではと思うと感慨深く、入学してきてくれて良かったなととても嬉しく思いました。

(松田)努力が実るというのは、お話を聞くだけで嬉しくなりますね。では秋田さんは今後どのようなことに注力していきたいですか。

(秋田氏)日本人である私が国際留学生のコーディネーターとして常勤しているという強みを活かした活動として、日本からの留学生の誘致、そして通学されている生徒とご家族へのサポート、この2つは現在と変わらず今後も力を入れていきます。

私は日本を出て海外に来てしまいましたが、それからずっとカナダと日本の懸け橋となって何かの形で日本へ恩返しをしたいと思っています。

日本からの留学生が、当校で世界観、価値観を広げてから日本へ帰国したり、当校を卒業した後に海外の大学へ進学して更に世界に通用するような人物となって将来日本のために活躍して欲しい、という希望は私自身にも少なからずありますので、そのような目標を持っている生徒達がいるならば可能な限り力になりたいですね。

(松田)秋田さんがお仕事を進める上で大切にされていることはどのようなことでしょうか。

(秋田氏)できる限り丁寧な対応をする、ということです。単身で留学に来ている生徒に関しましては命をお預かりしているという気持ちで、保護者や、姉妹校の生徒であれば学校と、密に連絡を取るようにしています。

特に中高生というまだ心身ともに不安定な時期の生徒は、初めての海外生活でホームシックになりストレスを負ったり、悩みや不安で体調を崩したりという事も少なくありません。また、過去に対人関係でトラブルがあったり、いじめや不登校を経験したことがあり自分を変えたいと思って留学してくるという繊細なケースもありますので、一人ひとりの生徒の気持ちにできる限り温かい心で寄り添えられるよう配慮しております。

私が常駐している図書室は出入りが自由ですので、日本人の生徒達には必ず1日1回は私に顔を見せに寄ってもらい、帰る時には「さようなら」と言いに来てもらうようにしています。毎日顔や様子を見て会話をすることで細かい変化に気づくことができるように、少しでも気になるところがあればすぐに声を掛けて対応できるように、そのような触れ合いや気配りは日々心掛けています。

また、当校には単身で留学してきている生徒だけでなく、母親が子どもに同行してきて親子留学をしているご家族もいますので、トロントでの生活をスタートするためのサポートから日々の生活への助言、保護者と学校間の通訳まで、幅広く対応するように勤しんでいます。

(松田)プライベートなことについてもお伺いしたいのですが、お休みの日はどのように過ごされていますか。

(秋田氏)休日でも、生徒や保護者からメールや電話に連絡が入っていないかどうかと常に気になってしまうため、24時間オンの状態といいますか、精神的に緊張感が続いている感じです。お休みの日なのだから出来る限りリラックスできるようにと心がけてはいるのですが、なかなかオフの状態にするのは難しいですね。

Fieldstone Schoolで勤務し始めてからちょうど5年経ったのですが、今まで引っ切り無しに忙しくなかなかまとまった休暇を取ることができずにいたので、それでは自分のためにも良くないなと思い、今年の夏は思い切って2週間のバケーションを取りヨーロッパを旅行してきました。

以前から行ってみたいと思っていたいくつかの街を訪れることができて、北米とは違った異国の空気や文化に触れて、留学生達もカナダに来る時にはこんな風にワクワクと新鮮な気持ちなのだろうなと、改めて自分が初めてトロントの空港に降り立った時の事を思い出しました。これからはそのように、自分のためにもマインドをオフにする時間を作ってリフレッシュできるよう、柔軟に暮らしていきたいですね。

(松田)最後になりますが、商工会会員へメッセージをお願い致します。

(秋田氏)海外から転校して来ると、現地校のクラス内で疎外感を感じてしまったり、クラスメイトが民族間で分かれてしまっているためどうしても馴染めなかったり、ということがあるようですが、当校は教員・職員全員が生徒一人ひとりの顔と名前を分かっているくらい少人数制の大変アットホームな学校ですので、口コミで評判を聞いて入学してくる生徒も少なくありません。

当校には「いじめゼロ」というポリシーがありますので、他の生徒とのコミュニケーションに悩みがあるようなお子さまでも安心して学校生活を送れます。また、駐在員さんの場合、お子さまが現地校のレベルに満足できず日本へ帰国するまでに高い学力をキープできるかどうかという心配もあると思いますが、現地校での学習内容や就学環境に不安がある際には、当校のような学校もあるということを思い出して頂ければ幸いです。

Fieldstone Schoolについてのご質問や資料のご請求等ございましたら、どうぞ日本語でお気軽にお問合せください。

(松田)インタビューは以上となります。本日は有難うございました。




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