リレー随筆


Japan Expo Canada Inc.
若狭 輝行


早いもので、カナダに来てから20年以上もの年月が経ちました。

最初に降り立ったバンクーバーでは、今からは想像がつかないほど日本食のレストランはもちろんのこと、高層ビル、スーパー、小売店の数も少なく、Skytrainもダウンタウンと郊外のSurreyまでの1本、バスも殆どがトロリーバスと山間の観光地のような街でした。

ショッピングモールは夕方6時には閉まり、スーパーも日曜日は休みといった状況で、戸惑っていたことを今でも思い出します。

そのバンクーバーも今では日本から名店が出店するほどの日本食ブームとなり、2010年のオリンッピクを機にConvention Centreやコンドミニアム、交通網も整備され、世界で住みやすい都市として選ばれるにふさわしい都市に成長したのではないかと思います。
(不動産価格の高騰は別ですが…。)

そのバンクーバーに10年程滞在し、2009年にトロントに来た私は、よく知人にバンクーバーにいたほうが良かったのではないかと問われました。バンクーバーからトロントに来られる方は、好き嫌いがはっきり分かれるそうで、すぐに戻られる方も少なくなかったと聞き、はたしてやっていけるのかと不安な中、生活を始めました。

事前に知っていたことではありましたが、やはり冬の天気には悩まされ、また日本の食品の品ぞろえの少なさに少し住みにくさを感じていました。日本食のレストランの数も、本当に今では想像がつかないほど少なく、西と東の違いを日本人の感覚、視点から切実に感じました。

ですが、当時5歳と3歳だった子供たちが思いのほか楽しんでいたり、トロントの教育事情を調べるにつれ、これから家族と過ごしていくにはとても良い街なのではないかと思うようになりました。

ビジネス面でも、シカゴ、ニューヨーク、ヨーロッパとも近く、バンクーバーで行っていた事業内容、取引先も大きく変化し、今となってはトロントに拠点を移したことをとても良い選択をしたと思っています。

そのトロントも今や日本食ブームをはじめ、日本ブランドの進出が相次ぎ、日本から来た友人からとても住みやすく、良い街だと聞くにつれ、日本とカナダがより近くなってきていることを嬉しく想うとともに、カナダに住んでいることを誇りに感じています。

今年は日加修好90周年の記念すべき年です。そして2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。

日加修好100周年に向けてこれから日本とカナダの絆を更に深める機会が多々あることと思います。そのような貴重な時期にカナダに住んでいることに感謝をしつつ、日本とカナダが更に近くなり、少しでも何かの役に立てればと願っています。

2010年 バンクーバーオリンピック開会式にて






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