リレー随筆


スポーツ経験を活かし、技術を身につけ好きなことを仕事に。そしてトロントへ。

J.CARE -Japan Sports Medicine & Wellness Clinic-
カナダ:オンタリオ州認定鍼灸師(R.Ac)
日本:鍼灸師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師
院長 土川 貴之


子供の頃からスポーツが大好きなやんちゃ坊主。幼少期はサッカーと水泳を、中学から遊び半分で始めたテニスに火がつき本格的に励むようになりました。高校、大学では全国レベルでプレーするも、上には上がいる現実を目の当たりにし、先の人生を見据え大学2年次にはテニスから離れることを決意。

その後卒業まで体育会テニス部を4年間続ける傍、いろんな人の話しに耳を傾けたり、時間を作りバックパックを担いで海外へ旅に出て見聞を広げたり。それまでしてこなかった事にトライすることで自分を知り、強みを生かせるものは何かを模索しました。その結果行き着いたのが、選手時代に負った痛みや怪我の経験を活かした現在の仕事である「筋骨格系の痛みとスポーツ障害の治療」でした。

痛みのメカニズム、機能解剖・運動生理の理解とそれを解決するための技術修得にこだわっていたため、求めていた職場探しに大変苦労しました。そんななか、後の恩師となる整形外科医が考案した一冊の本に出会いました。それを機に医師が手技療法を行うという珍しい整形外科の存在を知り、見学させていただいたところ、これが求めていた治療体系だと確信。どうしてもとお願いにあがり、幸いにもそのリハビリ室で働くことができました。

ここでのManual Medicine(理学療法技術)を駆使した30〜40人/日の濃密な臨床経験と、多くの学びが自信となり、腕一本でカナダへ挑戦しようと思えるようになりました。

そして患者の一人であるカナダ大使館の外交官からトロントでの開院を提案していただいたのをきっかけに2011年にトロントへ移住。永住権取得後、2014年に前身である治療院を始め、2016年「全ての方に痛みなくスポーツを楽しめる身体づくりを」がコンセプトのJ.CARE -Japan Sports Medicine & Wellness Clinic- を移転開院しました。

こうしてトロントで好きな仕事ができているのは、上のお二人をはじめ多くの方々のお力添えがあったからこそと思っています。

肘の手術や東京での多忙な生活やもろもろを理由に休止していたテニスを、トロント移住を機に約10年ぶりに再開。夏シーズン中はクラブ対抗戦が毎週行われます。

アマチュアのお遊び試合とはいえ、現役トーナメントプロが対戦相手のこともあります。写真のように、170cmで彼らよりも約10歳年上の私がまるで子供のようですが(苦笑)、高身長から振り下ろされる日本では見たことのないようなビッグサーブをどう攻略していくかというのも、カナダでのテニスの楽しさの一つと感じています。

2018年6月現在、世界ランク1位のフェデラー選手は私と同世代ですが、約10年前にテニスのピーク年齢を過ぎ30代後半になった今もなおトップを維持しているのは誰もが驚く事実。これは最新科学を取り入れた体作りの継続と、年を重ねる事で得られる精神的賢さ・洞察力などの経験によるものに他ならないでしょう。

私自身、年々コート上で瞬発力の低下を感じています。10年ぶりのテニス再開時には現役時代にできたことができなくなっていく失望から目を背けたくなる事もありました。今はそれを「年齢的変化」として受け入れ、向き合い、常に最新情報を取り入れ現在の体に合わせたケアを考え、無理をせずより良い体作りに取り組んでいます。

これまで経験した数々の痛みと、体作りの実践継続を通して、スポーツを楽しみながらより良い体を作っていく事の重要性を伝えられるよう努めています。やがてトロントの街全体が、より一層元気になればと願っています。






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