「こんにちは!」新代表者紹介インタビュー



<第186回>
JTB International (Canada) Ltd. Toronto Office/ジェイティービートロント営業所
大柳 和之 Branch Manager

今年Finchにオフィスを移転されたジェイティービートロント営業所の大柳支店長を訪ね、最近の観光業の様子や人気のツアー、ツアーの企画方法などお話をうかがいました。プライベートではカナダに滞在されて既に20年以上。現在に至るまでの経緯や、旅行に精通している大柳氏の記憶に残る旅行の思い出などもお話頂きました。



(平林)御社の事業内容についてご紹介お願い致します。

(大柳氏)弊社は旅行会社で、大きく分けますと2つの部門があります。まずはインバウンド業務として、日本から訪問される個人、団体のお客様に対するパッケージツアーのカナダ国内手配業務を行っています。

もうひとつはアウトバウンド業務として、カナダ在中のお客様が日本、アジアやヨーロッパなど海外へ行かれる際の手配業務、また現地企業の出張手配業務などを行っております。


(平林)御社の売りや強みはどのような点にあると思いますか。

(大柳氏)私共は世界各地に販売拠点がございますので、ネットワークをフルに活用して、各地の情報提供、手配業務を行うことが可能となっております。

特に日本になりますが、来年日本で開催されるラグビーのワールドカップ、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルサポートとして、日本または海外からチケットの手配や旅行手配をさせて頂く予定となっております。


(平林)トロント支店のお客様はローカルの方と日本人の方では、どのような比率になってますか。

(大柳氏)4割くらいは日本人のお客様、6割くらいは現地のお客様です。最近は日本に行かれるお客様が増えておりまして、カナダのお客様が主に求める旅行商品としては、日本への航空券、日本国内のJapan Rail Pass 、日本国内のパッケージツアーなどがございます。


(平林)特に人気の高い日本ツアーなどはありますか。

(大柳氏)やはり京都や奈良、周遊ですとゴールデンルートといって東京からスタートして、富士山を経由し、京都、奈良、大阪を経由するルートが外国人の方に非常に人気となります。こちらの方は10日間から2週間と長めに滞在される方が一般的です。


(平林)近年、日本はかなり観光誘致に力を入れていると思いますが、何か影響はございますか。

(大柳氏)お客様のニーズが多様化していることが顕著に表れていると思います。以前はツアーで訪れるケースが一般的でしたが、今は訪日観光客の方もネットなどで細かく調べていらっしゃるので、私達の想像を超えるような場所や体験を求めていらっしゃるのかなと思います。

アニメに興味を持たれる方も多く、カナダからも東京の武蔵野市にあるジブリミュージアムの訪問を希望される方がよくいらっしゃいますが入場制限をしております為、チケットをお買い求めになるのが難しくなっております。

弊社は海外から訪日される前に、事前にチケットの購入手配ができる唯一の旅行会社となっております。日本では予約開始日というのが毎月決まっておりまして、当日はかなり購入希望が殺到し、毎月購入できる枚数にも制限があり、すべてのお客様へ提供できるわけではないというのが、心苦しいところではございます。


(平林)カナダで販売するにあたって異なる点や難しい点等ございますか。

(大柳氏)国によって予約、発券ルールが異なります。日本からいらっしゃるお客様につきましては、日本の旅行業の法律(Protection Law)が適用になりまして、この法律に基づいて、企画・手配を行わなければいけないことになっております。

例えば、事前にパンフレットなどで告知されたホテルや部屋のタイプなどを確認されてお客様はカナダへ渡航されます。基本的には我々は告知通りのホテルを予約させて頂いており、通常であれば予約通りのホテルでご宿泊が提供されます。

しかし場合によってホテル側の都合、例えばオーバーブックなどにより弊社で予約した部屋ではなく、別のタイプの部屋しかご提供ができないことがあります。

その場合には旅行業の約款に従って旅行代金の一部を返金するなどの決まりがあり、我々としても法律に基づき遂行しなければなりません。ただし、サービスを提供するカナダのホテルやレストランには、日本のProtection Lawというのは適用されません。

我々の方でもサービスを提供頂く側へ日本の法律の事情などを説明し交渉しており、ホテル側も対応はして下さるのですが、約款通りに返金という形ではなく、アップグレードでの対応を求められるケースもあり、こちらの事情をご理解頂くのが難しいケースもあります。

ホテル側も誠意でアップグレードして頂いていると思いますが、それが約款に必ずしもマッチするとは限らないのが現状としてあります。その場合には最悪、弊社が返金を負担する場合もございます。


(平林)今後力を入れていきたい点はございますか。

(大柳氏)お客様あっての私たちの業務と思っておりますので、お客様に満足そして感動して頂ける旅をご提供させて頂けるよう、企画面並びに手配面で更に努力していきたいということと、先ほどお話したラグビーのワールドカップと東京オリンピック、パラリンピックへより多く送客できるように力を入れております。


(平林)ツアー企画というのはどのように生まれているのでしょうか。

(大柳氏)その時々のトレンドや話題に日々アンテナを張りまして、話題が一過性のものなのか様子を見たり、その話題が場所なのか事柄なのか、風景なのかを吟味します。お客様のニーズにタイムリーに当てはまる様な企画をできるときもあれば、少し時間が経ってから花開くような企画もあります。

また逆にこちらでお薦めできると思って企画したものであっても実際販売を開始してみるとお客様の反応が想像していたより思わしくないこともありますので、実際に販売を始めてみないと分からない部分はあります。

パッケージツアーなどに盛り込む企画であれば、実際に事前に多くのヒアリングをしたり、現地調査をして企画を進めていくことになります。今は時代のトレンドの移り変わりも早いので難しい部分です。


(平林)先ほどインバウンド、アウトバウンド業務のお話がありましたが、企画はそれぞれ日本側、カナダ側がどのように負担して行っているのでしょうか。

(大柳氏)基本的には双方で行いますが、日本から来るお客様のツアーについては、カナダ側から素材やアイディア、情報を提供しまして、日本側が受け入れられるかどうか判断することになります。時にはこちらが提供したアイディアに対し、カナダでは人気かもしれないが、日本の方には受け入れられないとはっきりと言われることもあります。

逆にカナダから日本へ行くツアーの企画の場合には、日本の支店や各部署から情報を提供してもらいます。カナダからの旅行者が何を求めているかについては、我々のほうが日本側より情報を得やすく精通している立場におりますので、その部分はこちらで判断しております。


(平林)では、このあたりで大柳支店長のご経歴についてお伺いできますか。

(大柳氏)出身は東京です。大学を卒業後、かねてから旅行好きということもありまして、弊社ではありませんが日本の大手旅行会社の一つに就職しました。

働いている中で、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでワーキングホリデー制度があるという情報を得まして、長期で旅行ができるのも若いうちかと思い1年間ワーキングホリデーにて渡加しました。

ワーキングホリデーは1年の間に勉強や就業経験、旅行と色々体験ができる1年のビザですが、私の場合は旅行をしたいというホリデーの部分が目的でしたので、滞在中はカナダのみならずアメリカやメキシコなども旅行しました。

その後日本に戻りましてから、引き続き旅行業に興味がありましたので、カナダ系の旅行会社の日本法人に就職し営業などを行っていました。その会社の本社がバンクーバーにあり、現地での業務体験ということで1999年からバンクーバーへ駐在することになりました。

その後法人変更や業務の変更などがありまして2000年にトロントへ異動し、企画、手配、カスタマーサービスなど一通りの経験をいたしました。カナダ滞在中にカナダの魅力や生活のしやすさを体験し、一旦日本の会社を退職し、カナダで会社にそのまま継続して就業する形となりました。その後2013年に弊社JTBに入社し現在に至ります。


(平林)今まで思い出に残っている場所はありますか。

(大柳氏)特に印象に残っているのは、南米のペルー、カリブのキューバです。特にキューバは2007年と2016年に訪れていまして、行く以前から現地の方からも物資が十分ではない、ライフライン、電気なども十分ではないなどかなり色々と聞いてはいましたが、実際に行ってみて想像を超える所であったというのが私の第一印象です。

ただ物資などが少ないと言っても、現地で実際生活されてる方を見ますと前向きで明るく、いかに日本やカナダは物に溢れ、恵まれているんだなと実感させられました。物がないと言っても自然や私たちが知らない世界がたくさんありますので、キューバはもう一度行ってみたい国の一つですね。


(平林)いままでのご経験の中で何か記憶に残るエピソードなどはありますか。

(大柳氏)家内とふたりで日本から、途中シカゴ、ボストンを経由してカナダに戻る際に、飛行機の乗客が4人のみだったことがあります。まず、私が搭乗予定の飛行機が成田でキャンセルなり、別の便に振り替えて搭乗しました。

経由地のシカゴでボストン行きの乗り継ぎフライトを待っていたところ、10分前になっても係員も他の乗客もいない、ただフライト番号はゲートに出ていましたので、番号が出ている以上はフライトはあるのだろうと思いながらも何かこれはおかしいと思っていたところ、5分位前になりやっと係員の方が現れ、もう1人、他の乗客らしき人が現れた状況でした。

そうした中、ゲート係員の方がボーディングパスを持って近づいてきて、今日はアップグレードをしてファーストクラスに変更してあげますと言われたので、それは有難いと思いそのまま新しいボーディングパスを受け取りました。

その後、私達が搭乗すると、先ほどゲートで見かけた1人が入ってきて、あともう1人別の方が来て扉が閉まりました。4人とも前方のファーストクラスにおり、後方のエコノミーは電気も消えていました。

あまりの不思議な光景に乗務員に尋ねたところ、このフライトは4名の乗客のみだと言われました。200人くらい搭乗できる飛行機でしたが乗客4名に対して乗務員も4名おり、マンツーマンでサービスして頂けるという後にも先にもあまり体験できない経験をしたことがあります。


(平林)非常に珍しい経験をされたのですね。仕事をする上で大切にしていることは何かありますか。

(大柳氏)先ほども申しましたが、お客様あっての私たちとなりますので、お客様が何を求めていて、何に感動されるのかを常日頃考えながら、手配ならびにカスタマーサービスの業務を遂行しております。例えば日本から家族や友人が来た際に色々な体験や体感をさせてあげたいと誰もが思うように、我々もお客様に対して同じ思いで接していきたいと思っています。

あとは社内でのコミュニケーションが大事だと思っていますので、メールのみですと上手く真意が伝わらなかったり、誤解されたりということもございますので、出来る限り声をかけるということを心がけています。


(平林)休日の過ごし方や趣味などございますか。

(大柳氏)趣味はなかなか上達しないゴルフです。これはセンスの問題なのかとも思います。非常に楽しみながらプレイしていますが実力が伴わないという状況ですね。

ゴルフは日頃の健康維持のためでもありますが、お客様やサプライヤー様の他にも、現地の見知らぬカナディアンの方や全く関係のない業種の方と一緒に回り、プレイを通して色々とコミュニケーションをとることが出来るのも楽しみの一つです。


(平林)最後に商工会会員へのメッセージをお願いいたします。

(大柳氏)会員の方々でご旅行の計画などありましたら、旅のプロとして是非アドバイスさせて頂けたらと思っておりますので、どうぞ遠慮なくお問い合わせやご来店頂ければと思います。

あとは手前みそにはなりますが、私たちのスローガンとして「Perfect Moments Always」というのがあります。お客様に感動して頂いて初めて私たちも手配して良かったと実感できる瞬間があるので、お客様の立場にたって引き続きご提供していきたいと思っていますのでどうぞ宜しくお願い致します。

(平林)インタビューは以上となります。本日はありがとうございました。

ペルーにて





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